『親密性』の特徴&活かし方【ストレングスファインダー®資質解説】|ALL BRANDING WORKS
『親密性』をGallup認定コーチが解説。強みの伸ばし方、注意点に加え、『親密性』をもつ人や上司・部下間のコミュニケーションの“コツ”をお伝えします。
『親密性』は深く強い関係性を築こうとする人。裏表がなく、信頼できる“大切な人”をつくります。その詳細を、5,000人以上、100社以上のストレングスファインダー研修から得た経験と知識、個人・チームどちらにも活かせる内容を交えてお届けします。
1.「親密性」はこんな人!
「親密性」の特徴
バルコニー(長所)・ベースメント(短所)
2.「親密性」の活かし方・モチベーションのありか
3.「親密性」的リーダシップのとり方(マネジメント活用)
4.「親密性」資質のまとめ
『親密性』はこんな人!
『親密性』とは深く強い関係性を築こうとする人。裏表がなく、信頼できる“大切な人”をつくる。
親密性:Relator <人間関係構築力> TOP5出現率ランク:[日本]13位 [世界]4位
誠実な人付き合いをしたい人です。交友関係は狭く深いタイプ。 “人中心”の考えで、大事な人との関わりがエネルギーの源になります。
資質の特徴とは?
- 狭く深いコミュニケーションを好む
- 1on1や少人数でのコミュニケーションが得意
- 嘘がなく、誠実な付き合いがしたい
- 初対面や大人数の場では緊張しやすい
- 心が許せるまでに時間がかかる。排他的な面がある
- 相手のことを知りたい一方で、自分のことも知ってほしい
- “人中心”の考え方。何をするかより、誰と働くかが大切
- 上辺の関係や、薄情な人が嫌い
人と深く密接なつながりをもとうとします。 相手は誰でも良いわけではなく、思いやりや信頼を感じられ、裏表のない関係性を築ける人。を選びます
初対面の人と仲良くなるまでには時間がかかります。1人ずつ丁寧に付き合っていきたいと考えており、「この人と深い関係性が築けるか?」を見極めようとするからです。何度か顔を合わせたり、コミュニケーションを通じてお互いのことを知ることで、心の壁がなくなり親しくなっていきます。
つながりの深い人や、既に知り合っている人を優先するため、排他的・派閥的な動きをとることもあります。
逆に、“私の『親密性』の輪に入ってOK!”を出した人とは、つながりを深めていこうとします。好きになった人や大事な人には、とことん尽くします。自然と相手に「良くなって欲しい」「ためになることをしたい」と思い、行動します。
『親密性』の人は、“人中心”の考え方をして、生活を組み立てようとします。大切な人たちとの関わりや時間が、自分のエネルギーになるからです。そのため、忙しさにより人との関わりが薄れるときほどスケジュールを調整して、会いたい人や大切な人との接点をもつようにしましょう。1人の時間が続くと、エネルギーが枯渇してしまいます。
協働を楽しみ、チーム活動を好む人も多い傾向があります。大事な仲間やクライアントのためなら、苦労を苦労と思いません。仕事においても、何をするかよりも“誰とするか”が重要になる人です。自分のエネルギーや情熱が湧く人や、仲間を見つけられると良いでしょう。
一方で、貢献心が強いのは良いことですが、自己犠牲的な行為や、相手の負担になるような行動には注意が必要です。
『親密性』の特徴に、“双方向性”を求める点があります。相手のことをもっと知りたいと思うと同時に、相手にも自分を知って欲しいと考えます。また、関わりの中で熱量の違いや、精神的つながりに敏感になります。1人でなく、相手と“一緒に”過ごしている感覚や、行動や感情のキャッチボールを求めているのです。
交友関係は、狭く深いタイプです。社交の場など、新しい人との出会いに緊張や不安感を持ちやすい傾向があります。人見知りであったり、初対面の人には冷たい対応をとってしまうこともあるでしょう。『親密性』が高い方がセミナーにお越しになるときも、だいたいはじめは目線を合わせてくれません。
筆者も『親密性』がTOP2にあるので、非常に気持ちが分かります。初対面の人が大勢いる場や、自分から声を掛けなければいけない異業種交流会・商談会などは、特に緊張します。いつもよりもエンジンギアを上げて、気合を入れて挑みます。その代わり、苦労してでも相手のためになったり、喜んでもらえたら、全ての苦労が一瞬で吹き飛ぶほど嬉しくなります。
『親密性』の人は、大人数が苦手です。少人数で、気心が知れている人と一緒にいたい人です。大勢いる中で関係を深めたい人がいる場合は、少人数のコミュニケーションに持ち込みましょう。できれば1on1が良いです。あなたが相手と向き合い、良く知る機会を作ることで、関係性構築の一歩を踏み出しやすくなります。
『親密性』のバルコニー・ベースメント
ストレングスファインダーの資質1つ1つに2面性があります。才能が開発されて、長所や自他に良い影響を与える「バルコニー」の状態。もう1つが、未開発で短所として使われている「ベースメント」の状態です。
ここでは『親密性』のバルコニー/ベースメントの“あるあるネタ”をご紹介します。
●信頼できる人たちと過ごす 仕事もプライベートも、“誰と過ごすか”が大切です。信頼や安心できる人と過ごしましょう。仕事においては、あなたの貢献心・やる気が高まる相手や分野を見つけましょう。「役に立てて嬉しい」という気持ちが、満足感やモチベーションアップにつながります。
●チームの協働姿勢をつくる 人と力を合わせて働くことが好きです。役に立ちたい気持ちが強く、面倒見も良いでしょう。相手やチームについて深く知るほど、関心や貢献意欲が高まります。目標を聞いたり、何がモチベーションになるのかを知り、メンバーやチームのサポートに活かしましょう。
●親しい人と過ごしてエネルギーチャージ 『親密性』をもつ人の生活の中心は、“人”です。人との関係性がうまくいかないときや、1人の時間が長く続くと、エネルギーが失われていきます。忙しくても、友人や家族・大切な人との時間を設けるのがオススメです。直接会えなくても、連絡を取り合うだけでも良いでしょう。
●派閥をつくったり、排他的になりがち 狭く深い人間関係を好みます。人に対して、自分の尺度で親密度を測っています。まだ関係が浅い人や信用できない人に対しては、心の壁を築いたり遠ざけようとしてしまうことがあります。声を掛けにくい空気を出したり、相手に不快感を与えないように注意しましょう。また、えこひいきにも気をつけましょう。お客様が同じ料金を支払っているのに、サービスに大きな差が出てしまうと問題です。
●見返りを求めすぎてしまう 相手と対等な付き合いを求めます。また、深いコミュニケーションや、自分から関わりを持つ以外にも、相手からのアクションも欲しいと感じます。「私に興味を持ってもらえていない」「私はこれだけしてあげたのに、何もしてくれない!」など、見返りや反応を求めすぎることがあります。また、相手が図らずも、“裏切った”と感じることもあります。対話の中で、誤解を解消していきましょう。
『親密性』の活かし方・モチベーションのありか
資質を強みとして使い、生産的・安定的にパフォーマンスを発揮するようになるには、資質の深い理解と経験と知識を重ねながら、シチュエーションや条件、ベースメントの抑え方をマスターするなど、再現性を高めていくことが大切です。
『親密性』のモチベーションスイッチが入りやすいポイントを理解すると、スムーズに本来の力を発揮できるようになります。
ここでは一例をご紹介します。 ご自身で挑戦してみるもよし、『親密性』が高い人に対して試してみるもよし。ぜひ活用して、自分なりのスイッチの押しポイントをつかみましょう。
□ 長い付き合い・関係性を築く □ 人の性格やタイプを理解したいとき □ 親身に相談にのる □ 誠実な対応を求められるとき □ 協力体制を築く □ 心を許せる大切な人や、仲間がいること □ 大事な人たちと時間を過ごすことでエネルギーが湧く □ お互いを知る機会をつくる、コミュニケーションをとる
これらは一例です。
『親密性』と併せもつ上位資質によっても異なります。ぜひ、ご自身なりの得意技の繰り出し方を研究してみましょう。
『親密性』は、安心できる人間関係によって満たされ、パワーが出ます。大事な人との関わりや、役に立てた喜びによって、幸せや充実感が得られます。上記のような工夫を、できるだけ取り入れてみましょう。
人と仲良くなるには時間がかかるタイプです。ストレングスファインダーの資質の中には、人との交流が得意な資質がいくつかあります。
【影響力】の資質の中でも、『社交性』の人は新しい人との出合いを楽しみ、自ら声を掛けにいくことができます。また、「コミュニケーション」の人も、会話を自然とはじめることができるため、一緒にいることで、初対面の人と話すきっかけが生まれやすいでしょう。
【人間関係構築力】カテゴリーの資質は、ほぼ該当します。中でも『包含』は、人に差をつけずに誰でも輪に引き込もうとします。コミュニティの結束力を高めるのが得意です。『運命思考』の人も、人と人とを仲介するのが得意です。『個別化』の人は、相手の性格や特徴を理解することに長けています。これらの資質をもつ人の協力を得ることで、関係性が築きやすくなるでしょう。きっとうまくサポートしてくれますよ。
3、『親密性』的リーダーシップのとり方(マネジメント活用)
『親密性』を上位にもつマネージャーが、リーダーシップや部下育成に資質を役立てていく際に、得意なスタイルがあります。①信頼関係構築 ②思いやりの示し方 ③安定感の生み出し方 ④希望の与え方と注意点 こちらの4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
①信頼関係構築:継続的な関係性を築く 人と深い関係を築くことができます。相手とコミュニケーションの頻度を高めたり、丁寧に付き合うことができます。お互いが心を開き、信頼し合えるよう働きかけていきましょう。
②思いやりの示し方:親しみを感じる対応 日頃から相手の様子を気に掛け、小さな変化も見逃しません。声を掛けるなど、コミュニケーションを図りましょう。関心をもっていることが相手に伝わるでしょう。
③安定感の生み出し方:面倒見の良さを発揮 仕事の相談に応じたり、職場以外でも食事に行くなどして、時間を共有しましょう。あなたの存在が頼りになります。中には、公私にわたって良い関係性を築ける人もいるでしょう。
④希望の与え方:良きアドバイザーになる 高い伴走力があります。メンバーの目標達成のサポートをしたり、1on1などで業務の課題や不安を解消するために話し合いましょう。大人数よりも、なるべく1対1で話しましょう。
①チームで派閥を作らない 親しいメンバーとそうでない人とで、対応にムラが出てはいけません。派閥やえこひいきに注意しましょう。指導の質、関わる頻度、態度が適切か、マネージャーという自身の役割から客観的に見直してみましょう。メンバーに対して平等に接するべきです。
②冷たい対応で壁を作らない 「心を開いてもらえない」「冷たい人だ」と思われるかもしれません。仕事中は雑談などがしにくく、お互いの人となりが分かりにくい環境もあるでしょう。意識して話しかけやすい空気をつくるようにしましょう。自分を知ってもらうためのツールをつくるのもオススメです。
『親密性』のマネージャーは、継続的な人間関係を築き、メンバーの成長に意欲的に貢献することができます。
相手の人間性を知る洞察力ももっています。少人数のコミュニケーションが得意なので、場面によって対応する人数を調整し、対応していきましょう。
4、『親密性』資質のまとめ
『親密性』とは... 深く強い関係性を築こうとする人。裏表がなく、信頼できる“大切な人”をつくる資質です。
こんな風に能力を発揮! ● 信頼できる人たちと過ごす ● チームの協働姿勢をつくる ● 親しい人と過ごしてエネルギーチャージ
資質を活かすためには、安心できる人間関係や仲間を作りましょう。あなたのパワーが出やすくなります。大事な人との関わりや、役に立てた喜びによって、幸せや充実感が得られます。
ベースメントにはこう対処する! ● 派閥をつくったり排他的にならない ● 見返りを求めすぎない
『親密性』の資質を活かしやすい場面や仕事は、次のようなものがあります。
✓ 人の性格やタイプを理解したいとき
✓ 親身に相談にのる
✓ 誠実な対応を求められるとき
✓ 協力体制を築く
✓ 心を許せる大切な人や、仲間がいる環境
✓ 大事な人たちと時間を過ごすことでエネルギーが湧く
✓ お互いを知れる機会やコミュニケーションをとる
✓ 教育担当になる
参考にし、ご自身やチームのために強みを発揮できる機会を増やしていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
同じ資質を持っていても、他に持つ資質の組み合わせによって、一人ひとりの異なる使い方や、個性を生み出しています。他の資質についても、深く学んでいきましょう。
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