『包含』の特徴&活かし方【ストレングスファインダー®資質解説】|ALL BRANDING WORKS
『包含』をGallup認定コーチが解説。強みの伸ばし方、注意点に加え、『包含』を持つ人や上司・部下間のコミュニケーションの“コツ”をお伝えします。
『包含』は多様性を受け入れる寛大さと、包容力の持ち主。輪の外の人、外れそうな人を招き入れようとします。その詳細を、5,000人以上、100社以上のストレングスファインダー研修から得た経験と知識、個人・チームどちらにも活かせる内容を交えてお届けします。
1.「包含」はこんな人!
「包含」の特徴
バルコニー(長所)・ベースメント(短所)
2.「包含」の活かし方・モチベーションのありか
3.「包含」的リーダシップのとり方(マネジメント活用)
4.『包含』資質のまとめ
『包含』はこんな人!
『包含』とは多様性を受け入れる寛大さと、包容力の持ち主。輪から外れそうな人を、招き入れようとする。
包含:Includer <人間関係構築力> TOP5出現率ランク:[日本]24位 [世界]22位
誰とでも分け隔てなく接します。 輪から外れている人に敏感に気が付き、引き込もうとします。 所属意識を認識させることで、安心感を与えることができます。
資質の特徴とは?
- グループの輪から外れそうな人に気づき、輪に引き込もうと行動する
- 外部の人を仲間に入れて、輪を大きくしたい
- 寛容で多様性を受け入れる
- 違いを乗り越え、誰とでも分け隔てなく接する
- メンバーにチームの一員だと感じさせたい
- 自分だけが良いのではなく“みんな”が良い状態を目指す
- 人を選ぶことや差をつけることが苦手
- えこひいきや派閥をつくる人が嫌い
『包含(ほうがん)』は、英語で“Includer”と言います。つまり、包み込む人・巻き込む人です。
何を包み込むかというと、“人の違い”や“人の多様性”です。人種や宗教、性別や価値観などさまざまな“違い”はあっても、人はみな基本的に同じであると考えています。外見や肩書きに左右されることなく、誰にでも分け隔てなく接します。
人を区別することや仲間はずれが嫌いです。
人の輪から外れている人に敏感に気がつき、その人を輪に招き入れようとします。例えば、飲み会で1人でいる人を見つけると、話しかけに行きます。また、営業や勧誘といった活動も得意で、展示会や商談会で自社のファンにしようと積極的に声を掛けます。
考える視点が、個人ではなく“みんな”です。
特定の個人による活躍や成果を得るのではなく、みんなで一緒に取り組んで、一緒に成果を出したいと考えます。「全員で勉強会をやってレベルアップしよう」「みんなで進捗会議をして、情報を共有しよう」など、全体で動こうとします。
また、『包含』を上位に持つ人は、全員がチームの一員・仲間であると感じさせる力があります。輪の中にいる人、招き入れた人たちに、自分たちは共通点を持っている仲間であり、ここが居場所であると所属意識が持てるよう働きかけます。
そのため、グループ形成やチームをまとめる役割に向いています。この力は、集団や組織活動・コミュニティマネジメントにおいて非常に強力な力です。安心やつながりを感じさせることは、エンゲージメントの向上につながります。それにより貢献意欲が高まり、メンバー自身も力を発揮しやすくなります。
注意点は、“巻き込みすぎる”ことです。
人に差をつけることが嫌いなため、人を選ぶことが苦手です。選抜チームを作らないといけないときなど、悩んで決められない場合もあります。 また、考えの視点が個人よりも集団にあるため、活動も基本的に複数人で行おうとします。
例えば、会議に必要のない人まで呼んでしまったり、1人で動くべきところで不要な人を同行させたりします。先に挙げた飲み会の例でも、相手は1人でいたいにも関わらず、輪の中に引き込もうとしてお節介をしてしまう…ということも、ありがちです。
人が増えると物事が複雑化・煩雑化して、まとまらないこともあります。また、人間関係の問題も発生しやすくなるかもしれません。「誰でも彼でも呼んだ方が良い」という訳ではないと、心に留めておきましょう。その上で、人に積極的に働きかけ、メンバーの意見を聞いてまとめたり、チームの団結力強化に努めてみてください。あなたの多様性を許容する寛大さと、受容力の高さによって、エンゲージメントの高いチームが作れるでしょう。
『包含』のバルコニー・ベースメント
ストレングスファインダーの資質1つ1つに2面性があります。才能が開発されて、長所や自他に良い影響を与える「バルコニー」の状態。もう1つが、未開発で短所として使われている「ベースメント」の状態です。
ここでは『包含』のバルコニー/ベースメントの“あるあるネタ”をご紹介します。
●多種多様な人を受け入れる 多様性を受け入れる度量があり、誰とでも分け隔てなく接することができます。また、人を輪の中に引き込むことが得意です。人がいる環境や、共同作業によってモチベーションが高まりやすい傾向があります。グループ内の協力体制づくりや、交流を促すような役割に向いています。
●メンバーの居場所をつくり、チーム力を高める チームワークや安心感のある雰囲気づくりが上手です。全員がチームの一員であり、仲間だと感じさせる力があります。また、メンバーの意見を聞き、まとめていく力もあります。あなたの働きかけにより、エンゲージメントや定着率アップにも貢献できるでしょう。
●他者の得意なことを、他の人に伝えていく 人との違いを受け入れ、相手の良い面を見つける力があります。発見した相手の得意なことや良い面を、他のメンバーに伝えていきましょう。メンバー同士の理解を促し、協力・補完体制を築きやすくします。人間関係の“ハブ”的な役割や、潤滑油になることができます。
●呼ばなくていい人まで巻き込む 誰にでも気さくに声を掛け、人を集めてしまうことがあります。会議に不要な人を呼んだり、友だちと2人で遊ぶ約束をしていたのに違う人を連れていき、友だちを困惑させてしまう…などの経験はないでしょうか?あなた以外の人の気持ちにも配慮が必要です。テーマに合わせて、必要な人に声を掛けるようにしましょう。
●注意が苦手 寛容過ぎるあまり、他人のワガママや勝手を許してしまいます。また、一人ひとりの違いを許容するので、相手があなたにつけ込んでくることもあるかもしれません。毅然とした態度で対応しましょう。注意が苦手かもしれませんが、言うべきことは言いましょう。
●人に差をつけられない 人に差をつけたり、えこひいきをすることが嫌いです。“みんなで”という意識が強く、特定の人にスポットライトを当てるのが苦手でもあります。しかし、ときには功労者など、個人にフォーカスした方が良い場合もあります。ケースバイケースで、柔軟に対応しましょう。
『包含』の活かし方・モチベーションのありか
資質を強みとして使い、生産的・安定的にパフォーマンスを発揮するようになるには、資質の深い理解と経験と知識を重ねながら、シチュエーションや条件、ベースメントの抑え方をマスターするなど、再現性を高めていくことが大切です。
『包含』のモチベーションスイッチが入りやすいポイントを理解すると、スムーズに本来の力を発揮できるようになります。
ここでは一例をご紹介します。 ご自身で挑戦してみるもよし、『包含』が高い人に対して試してみるもよし。ぜひ活用して、自分なりのスイッチの押しポイントをつかみましょう。
□ 外部の人を仲間にする。グループを拡大する □ 営業やリクルーター・広報職 □ 勧誘やファンづくり。関係性の構築 □ 人間関係の溝を埋める役割 □ コミュニティのマネジメント □ チームの団結力を高める □ メンバーのエンゲージメントを高める □ 派閥をなくし、多様性のあるチームをつくる
これらは一例です。
『包含』と併せ持つ上位資質によっても異なります。ぜひ、ご自身なりの得意技の繰り出し方を研究してみましょう。
『包含』は自らが愛着を持てる場に所属することが大切です。そうすることで、自然と自分自身が広告塔や入口になって輪を広げていくことができます。上記のような工夫を、できるだけ取り入れてみましょう。
どういったアプローチをすると本質にたどりつけるかを考えましょう。自分の体験を振り返ることも、有効な手段です。
『包含』を上位に持つ人は、人を選ぶことが苦手です。ストレングスファインダーの資質の中には、得意な人もいるので協力を得るようにしましょう。
例えば、『最上志向』の人です。人の強みを見つけ、選ばれた人によるチーム形成を得意としています。『個別化』の人も、相手の特徴を把握することが得意なので、人選のための材料を与えてくれるでしょう。
また、『規律性』『アレンジ』の人は、プロジェクトに必要な作業や効率的な動き方を考えることができます。作業から必要な人を割り出すサポートをしてくれるでしょう。
3、『包含』的リーダーシップのとり方(マネジメント活用)
『包含』を上位にもつマネージャーが、リーダーシップや部下育成に資質を役立てていく際に、得意なスタイルがあります。①信頼関係構築 ②思いやりの示し方 ③安定感の生み出し方 ④希望の与え方と注意点 こちらの4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
①信頼関係構築:違いを認め合う 外見や人種・宗教観などで人を判断しません。人を受け入れる度量があります。メンバーは自分が認められたという安心感や喜びを感じ、あなたへの信頼につながるでしょう。
②思いやりの示し方:人と人との架け橋になる 人やメンバー同士をつなぐ“仲介役”となることができます。新たにチームに加わった人や、まだ馴染めていないメンバーとの交流を企画したり、関係広げていくと良いでしょう。
③安定感の生み出し方:オープンスタンス 誰とでも気軽に接点をもちたいことや、派閥が嫌いであると表明しましょう。あなたの人に対するオープンな姿勢が伝わることで、メンバーは接しやすくなるでしょう。
④希望の与え方:チームでレベルアップを目指す 親睦を深めたり、情報共有が円滑に進むように働きかけましょう。チームの一体感をつくり出し、活動量やレベルアップ、ともに目標を目指す意欲を高めることができます。
①仲間意識を強要する 1人が好きな人もいます。無理にグループに入れようとしたり、相手の意向を無視した勧誘をしてはいけません。飲み会やイベント参加を強いることにも、注意しましょう。マネージャーから言われると、メンバーの立場からは断りにくいかもしれません。
②活動やプロジェクトを増やしすぎる 多くの人を巻き込んだり、グループ活動を増やす傾向があります。効率的に役割を分散させたり、必要最小限の活動量にするなど、生産性に気をつけるようにしましょう。ときには、やらない判断をすることも必要です。
『包含』のマネージャーは、人と人をつなげ、所属意識と仲間意識を強固にして、エンゲージメントの高いチームをつくることができます。
4、『包含』資質のまとめ
『包含』とは... 多様性を受け入れる寛大さと、包容力の持ち主。輪から外れそうな人を、招き入れようとする資質です。
こんな風に能力を発揮! ● 多種多様な人を受け入れる ● メンバーの居場所をつくり、チーム力を高める ● 他者の得意なことを、他の人に伝えていく
資質を活かすためには、自らが愛着を持てる場に所属することが大切です。そうすることで、自然と自分自身が広告塔や入口になって輪を広げていけるでしょう。
ベースメントにはこう対処する! ●呼ばなくていい人まで巻き込む ●注意が苦手 ●人に差をつけられない
『包含』の資質を活かしやすい場面や仕事は、次のようなものがあります。
✓ 外部の人を仲間にする。グループを拡大する役割
✓ 営業やリクルーター・広報職
✓ 勧誘やファンづくり。関係性の構築
✓ 人間関係の溝を埋める役割
✓ コミュニティのマネジメント
✓ チームの団結力を高める
✓ メンバーのエンゲージメントを高める
✓ 派閥をなくし、多様性のあるチームをつくる
参考にし、ご自身やチームのために強みを発揮できる機会を増やしていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
同じ資質を持っていても、他に持つ資質の組み合わせによって、一人ひとりの異なる使い方や、個性を生み出しています。他の資質についても、深く学んでいきましょう。
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