『分析思考』の特徴&活かし方【ストレングスファインダー®資質解説】|ALL BRANDING WORKS
『分析思考』をGallup認定コーチが解説。強みの伸ばし方、注意点に加え、『分析思考』をもつ人や上司・部下間のコミュニケーションの“コツ”をお伝えします。
『分析思考』はデータからパターンやストーリーを見つけられる人。数値やデータを拠りどころにし、因果関係や事実を明らかにしようとします。その詳細を、5,000人以上、100社以上のストレングスファインダー研修から得た経験と知識、個人・チームどちらにも活かせる内容を交えてお届けします。
1.「分析思考」はこんな人!
「分析思考」の特徴
バルコニー(長所)・ベースメント(短所)
2.「分析思考」の活かし方・モチベーションのありか
3.「分析思考」的リーダシップのとり方(マネジメント活用)
4.「分析思考」資質のまとめ
『分析思考』はこんな人!
『分析思考』とはデータからパターンやストーリーを見つけられる人。 数値やデータを拠りどころにし、因果関係や事実を明らかにしようとする。
分析思考:Analytical <戦略的思考力> TOP5出現率ランク:[日本]17位 [世界]18位
物事の原因や理由、つじつまを明らかにしようとする人です。 事実と数字など客観的データを拠りどころにします。 論理性やパターンを見つけていくことが得意です。
資質の特徴とは?
- 理由や原因を明らかにしたい
- 論理的かつ客観性を重視する
- データや数値を好む
- 状況に影響を与える可能性のあるものを全て把握したい
- 質問が多い
- 冷静で懐疑的な面をもつ
- データからパターンを見つける
- 優劣や正確さに関心が高く、冷静で懐疑的な面をもつ
- 感情的な話や立証できないものを扱うのが苦手
物事の理由や原因を追求したい人です。ロジカルに考える力があります。
事実と数値など客観的なデータを信用し、エビデンスを求めます。データから傾向やパターンを読み解くことが得意です。
現実的な思考、論理的な思考で考えます。客観的な視点をもてる人でもあります。
すんなりと話を受け入れるのではなく、一度疑ってみたり、裏付けや根拠を求めます。「なぜ、こうなったのか」「●●と言われているが、それは本当なのか?」と確認や疑問をもち、証拠を求めて調査をしたり、事実を明らかにしようとします。そういった意味では、“批判的な視点”をもっている人とも言えます。
冷静で落ち着いた印象の人が多い傾向があります。
研修を通して約5,000人の方のストレングスファインダーの結果や資質に触れてきた中での、個人的な見解ですが、『分析思考』をTOP5にもつ人は、表情が変わりにくいと感じます。リアクションも控えめです。冷静さと客観的な視点のもち主だからでしょうか。そのため、『分析思考』の人から笑顔や喜怒哀楽が出ると、心を開いてもらえているようで嬉しくなります。
決断・判断をするために、状況に影響を与える可能性を全て考慮に入れて考えたい人です。納得がいくまで突き詰め、確かな情報を探します。根本的に影響しているものを見つける力があり、本質的で確実性が高いアプローチを選ぶことができます。
一方で、感情や感覚的な話題を扱うことが苦手です。また、実証されていないことや証明が難しいことも、好きではありません。不確定な要素が多いからです。
例えば、論理と反対にある“直観”を信じる感覚も弱い傾向があります。根拠がなく、曖昧だと感じるでしょう。また、女性同士によくある、目的をもたず感覚や感情をやりとりする会話に参加するのも苦手かもしれません。業務においては、報告を求めたのに「私は●●だと思います」「〜かもしれない」といった予測や感想を述べられると「まずは起きた事実を聞かせて欲しい」とイライラしてしまうかもしれません。
『分析思考』の人は、データや証拠にこだわりすぎて、融通がきかなくなることがあります。また、正誤を明らかにしたくなるので、相手を詰め過ぎてしまったり、質問攻めにしてしまうことがあります。自分はただ質問をしているだけですが、周りの人からすると否定的で批判的な人だと誤解されてしまうかもしれません。
『分析思考』のバルコニー・ベースメント
ストレングスファインダーの資質1つ1つに2面性があります。才能が開発されて、長所や自他に良い影響を与える「バルコニー」の状態。もう1つが、未開発で短所として使われている「ベースメント」の状態です。
ここでは『分析思考』のバルコニー/ベースメントの“あるあるネタ”をご紹介します。
●分析力を活かし、本質的解決や予測に役立てる データや数値を扱うことが得意です。データからパターンを見つけたり、予測をすることができます。本質的な原因追求や解決ができます。また、リスク管理などの対策にも役立ちます。また、数字を扱うのが苦手な人もいます。サポートしてあげましょう。複雑で分かりにくいことを、シンプルかつ分かりやすく伝える力があります。
●確かな情報源を見つける スピーディーに決断を下したり、調べる時間を短縮するためには、確かな情報を得られるリソースを持つことです。いくつか情報源をストックしたり、専門家との人脈を構築したり、あなたが信頼できる情報を提供してくれる場やつながりをもつようにしましょう。
●プロジェクトの精度を高める役割 洞察に富んだ思考力があり、アイデアや計画の精度、その実現性を考えることができます。疑問をもち、データ収集や整合性を確認するなど、プロジェクトが成功する確率を高める働きができるでしょう。なるべく、計画の初期段階から参加するのがオススメです。
●冷たい人・批判的な人だと思われる 話のつじつまが合っているかや、相手が言っていることの確証を得るために、確認や質問をたくさんすることがあるでしょう。聞き方に気をつけないと、高圧的な態度になってしまったり、相手を萎縮させてしまいます。また、揚げ足をとったり、上から目線での発言にならないように注意しましょう。冷たい人だ・批判的な人だと誤解されてしまうかもしれません。
●データにこだわりすぎる 提示されたデータを信じることができず、納得できるまで調べたり、判断に悩むことがあるでしょう。相手が必ずしも欲しいデータをもっているとは限りませんし、ときには数値では測れないものや感情を優先しても良いときもあります。また、物事の優劣や正しさよりも、挑戦やプロセスを評価する視点も大切です。
『分析思考』の活かし方・モチベーションのありか
資質を強みとして使い、生産的・安定的にパフォーマンスを発揮するようになるには、資質の深い理解と経験と知識を重ねながら、シチュエーションや条件、ベースメントの抑え方をマスターするなど、再現性を高めていくことが大切です。
『分析思考』のモチベーションスイッチが入りやすいポイントを理解すると、スムーズに本来の力を発揮できるようになります。
ここでは一例をご紹介します。 ご自身で挑戦してみるもよし、『分析思考』が高い人に対して試してみるもよし。ぜひ活用して、自分なりのスイッチの押しポイントをつかみましょう。
□ 確かな情報やデータを集める □ 正誤を明らかにする □ 数字やデータを扱うとき □ 思考する時間を確保し、調査するとき □ 論理的な思考を役立てる □ 感情に左右されず、客観的な視点から考え、評価を求めるとき □ 複雑なことから、本質的でシンプルなものを見つける
これらは一例です。
『分析思考』と併せ持つ上位資質によっても異なります。ぜひ、ご自身なりの得意技の繰り出し方を研究してみましょう。
『分析思考』は、正しい情報や根拠を得られやすい状況をつくりましょう。スピーディーかつ納得した判断ができるようになります。上記のような工夫を、できるだけ取り入れてみましょう。
『分析思考』の人は、感情的な話題や人間関係に巻き込まれることが苦手な方もいるでしょう。
人の感情や人間関係について悩むときは、【人間関係構築力】をもつ人に相談したり、仲介に入ってもらうと良いです。
人の感情を言語化することが得意な『共感性』の人や、場の空気や意見をまとめながら話を進めることが得意な『調和性』『包含』の資質もあります。また、考えを実行に移す場面では【実行力】や【影響力】の資質をもつ人も、良いパートナーとなってくれるでしょう。目的や必要な能力に応じて、相手を探しましょう。
3、『分析思考』的リーダーシップのとり方(マネジメント活用)
『分析思考』を上位にもつマネージャーが、リーダーシップや部下育成に資質を役立てていく際に、得意なスタイルがあります。①信頼関係構築 ②思いやりの示し方 ③安定感の生み出し方 ④希望の与え方と注意点 こちらの4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
①信頼関係構築:根拠を示した信頼性の高い情報を伝える 根拠を示しながら意見を伝えるようにしましょう。相手が検討しやすく、納得感のある判断がしやすくなります。正しい判断をサポートしてくれる上司だと感じてもらえるでしょう。
②思いやりの示し方:分析力でメンバーをサポートする メンバーの課題や問題を、どうすれば解決に導けるのか考えましょう。質問しながら状況を理解し、より良い対応策を考えましょう。
③安定感の生み出し方:リスクを恐れない姿勢を示す データや事実を確認し、感覚だけで判断しない人です。なぜその結論に至ったのかを説明することで、メンバーも安心感をもってあなたの話や判断を支持するでしょう。
④希望の与え方:考え方を共有する あなたの考え方や理論の組み立て方を、メンバーに共有しましょう。チームのノウハウとして役立つほか、数値やデータを扱うことが苦手なメンバーにとっても参考になるかもしれません。
①メンバーの気持ちに配慮する メンバーを質問攻めにしたり、感情的な話を排除しようとしすぎてはいけません。悪意はなくても、メンバーは「自分のことを信用してくれていないのか」「辛いときに寄り添ってもらえない」と感じるかもしれません。感情や情緒的な感覚を養うことで、マネージャーとしてレベルアップが図れるかもしれません。苦手な場合は、得意なメンバーに協力してもらいながら対応するのもオススメです。
②分析時間とデータの必要性を伝える 『分析思考』が上位にあることと、意思決定の際はデータや根拠が必要となることをメンバーに知ってもらいましょう。人には、感覚的に考え・行動する人もいて、データや数値を重視しない人もいます。適当な訳ではなく、それぞれの価値観や優先度の違いです。そのようなメンバーにも、協力して欲しいと伝えることで、あなたが判断しやすくなる情報やデータを用意してくれるでしょう。
『分析思考』のマネージャーは、信頼性の高い情報を提供し、客観的な視点から判断を下すことができます。
4、『分析思考』資質のまとめ
『分析思考』とは... データからパターンやストーリーを見つけられる人。数値やデータを拠りどころにし、因果関係や事実を明らかにしようとする資質です。
こんな風に能力を発揮! ● 分析力を活かし、本質的解決や予測に役立てる ● 確かな情報源を見つける ● プロジェクトの精度を高める役割
資質を活かすためには、正しい情報や根拠を得られやすい状況をつくりましょう。 スピーディーかつ納得した判断ができるようになります。
ベースメントにはこう対処する! ●冷たい人・批判的な人だと思われる ●データにこだわり過ぎる
『分析思考』の資質を活かしやすい場面や仕事は、次のようなものがあります。
✓正誤を明らかにする
✓数字やデータを扱う
✓思考する時間を確保し、調査する
✓論理的な思考を役立てる
✓感情に左右されず、客観的な視点から考え、評価を求めるとき
✓複雑なことから、本質的でシンプルなものを見つける
✓データからパターンや予測を行う
✓計画やアイデアの精度・実現性を高める
参考にし、ご自身やチームのために強みを発揮できる機会を増やしていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
同じ資質を持っていても、他に持つ資質の組み合わせによって、一人ひとりの異なる使い方や、個性を生み出しています。他の資質についても、深く学んでいきましょう。
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