『共感性』の特徴&活かし方【ストレングスファインダー®資質解説】|ALL BRANDING WORKS
『共感性』をGallup認定コーチが解説。強みの伸ばし方、注意点に加え、『共感性』をもつ人や上司・部下間のコミュニケーションの“コツ”をお伝えします。
『共感性』は察する力があり、疑似体験しているかのように相手の感情を感じとれる人。その詳細を、5,000人以上、100社以上のストレングスファインダー研修から得た経験と知識、個人・チームどちらにも活かせる内容を交えてお届けします。
1.「共感性」はこんな人!
「共感性」の特徴
バルコニー(長所)・ベースメント(短所)
2.「共感性」の活かし方・モチベーションのありか
3.「共感性」的リーダシップのとり方(マネジメント活用)
4.「共感性」資質のまとめ
『共感性』はこんな人!
『共感性』とは察する力があり、疑似体験しているかのように、相手の感情を感じとれる人。
共感性:Empathy <人間関係構築力> TOP5出現率ランク:[日本]4位 [世界]8位
場の空気や相手の感情を察知します。 相手が言葉にしていないことも感じとることができ、高確率で当てられます。 まるで自分が体験したかのように、相手の感情を理解できます。
資質の特徴とは?
次のようなものがあります。
- 人の感情を察することができる
- 言葉にしていないことも察しがつく。良く気がつく
- 感情のバリエーションが豊富にある
- 理論よりも感覚・直観派
- 攻撃的な人や皮肉を言う人を人一倍嫌う
- 感情を表に表したい
- 感情移入ができる。
- 自他の感情の境界線が曖昧になる時がある
- 人を大切にしたい・相手にプラスの感情を味わってもらいたい
- 感情を表に出せない環境にストレスを感じる
相手の感情を察する力があります。 人が言葉にしていない気持ちも察知でき、何となく分かってしまいます。分かるからといって、賛同しているわけではありません。
そして「感じ取った感情は9割方当たる」と言われるほど精度が高く、まるで能力者のよう。特徴的なのは、疑似体験レベルで感情を理解できることで、相手の話を聞いているとあたかも自分が体験したような感覚になれるのです。また観察力があり、仕草や表情・醸し出す空気感などを敏感に捉えます。そのため、相手の感情を代弁したり、その人に合わせた言葉掛けなどにも活かされます。
感情をキャッチするアンテナ感度が高い人です。感受性が豊かな傾向にあり、感情のバリエーションを豊富に持っていると言っても良いでしょう。
感情を色に例えると分かりやすいかもしれません。『共感性』が下位資質の人が、赤・青・黄色の3色で感じ取るとすると、『共感性』を上位にもつ人は、その間の混ざりあった色や、グラデーションのように何とも表現しにくい色を感じ取っている、というような違いです。
相手にプラスの感情になってもらえるように行動し、その喜びを一緒に味わいたいという気持ちが働きます。そのため、優しい人・よく気が利く人だと思われることもあるでしょう。自然と人の感情に関心が向くので、人に関わる仕事に向いています。
一方で、自分の行動による影響を考えたり、発言による空気の変化に敏感になり過ぎて、気疲れしてたりひどく落ち込んだりもします。感情共感に対する強い欲求があり、感情が丁寧に扱われない場面や人に対して、強いストレスを感じます。
他人の感情に向きすぎて、自分の感情が分からなくなることもあります。 感情移入し過ぎて“混同”してしまうのです。必要以上に感情論で話を進めてしまったり、他人の気持ちを推測してしまったりするほか、自分の気持ちが分からなくなってしまうということが起きます。
このようなことを防ぐため、1日の終りに自分の感情を取り戻すための“儀式”を持つことをオススメしています。
お風呂の中でボーッとキャンドルを見つめてみたり、日記にその日の出来事や感じたことを書いてみたりと、自分に合う方法を見つけましょう。また、自分と他人を切り離すイメージトレーニングも有効です。
他人に向けられていた感情の矢印を、自分に戻してあげることが大切です。自己コントロールスキルを高め、自分にも他人にも心地良い活用方法を身に付けましょう。
『共感性』のバルコニー・ベースメント
ストレングスファインダーの資質1つ1つに2面性があります。才能が開発されて、長所や自他に良い影響を与える「バルコニー」の状態。もう1つが、未開発で短所として使われている「ベースメント」の状態です。
ここでは『共感性』のバルコニー/ベースメントの“あるあるネタ”をご紹介します。
●人の感情や行動に寄り添った行動・サポート 相手の感情やニーズを感じ取り、人よりも早く相手に寄り添った対応をしてあげることができます。お客様が求める以上のサービスを提供できたり、相手のタイプに合わせて業務の進め方をアレンジするなど、人と接する仕事やチームワークにも活かせます。
●ニュアンスを汲み取り、感情を言葉で表す 相手が上手く言葉にできないことを代弁できたり、話の流れやニュアンスを汲み取ることが得意です。相手の言葉の奥にある機微を感じ取ることができます。相手からは「どうして分かったの!?」と驚かれることもあるでしょう。人との対話や、相談役として役立ちます。
●信頼関係を確立する 感情を自然と表に出せるタイプで、親しみを持たれやすい傾向があります。また、相手の視点に立ったり、人の行動や感情に寄り添う対応をとることで信頼関係を築きやすくすることができます。また、感じたことを第三者に伝え、関係性を橋渡しすることもできます。
●人の感情を気にし過ぎる・介入し過ぎる 不要な心配をするなど、気分の浮き沈みで疲れてしまいます。人の出来事なのに、自分のことのように辛くなってしまうこともあります。また、人に介入しすぎる傾向にあります。誰もが感情に踏み込まれることを良しとしません。他者と適切な距離感を取るようにしましょう。
●言いたいことが言えない 人の感情を気にしすぎて、行動が遅れることがあります。言うべきことを言えなかったり、時間を無駄にして業務に支障をきたしたり、自己犠牲的な行動で問題を先送りしたり…。ときには感情よりも、優先すべきことがあります。割り切りや、気にしすぎないことも大切です。
●周りに気を遣わせすぎない 感情を表に出すことで、ストレス発散をするタイプです。また、気分のアップダウンが激しい人も多くいます。不機嫌な態度を取ったり、怒りをぶつけるなどして、迷惑をかけてはいけません。自己コントロールにより、周囲と良好な関係性を築けるようにしましょう。
『共感性』の活かし方・モチベーションのありか
資質を強みとして使い、生産的・安定的にパフォーマンスを発揮するようになるには、資質の深い理解と経験と知識を重ねながら、シチュエーションや条件、ベースメントの抑え方をマスターするなど、再現性を高めていくことが大切です。
『共感性』のモチベーションスイッチが入りやすいポイントを理解すると、スムーズに本来の力を発揮できるようになります。
ここでは一例をご紹介します。 ご自身で挑戦してみるもよし、『共感性』が高い人に対して試してみるもよし。ぜひ活用して、自分なりのスイッチの押しポイントをつかみましょう。
□ 人に関わる仕事・人事や教育関連の仕事 □ 相手の喜びを一緒に分かち合えるとき □ 信頼して話せる人や仲間がいる □ 人に寄り添ったサービスを提供したいとき □ 感情を表に出しても良い環境や雰囲気があるところ □ 人を大切にする姿勢や風土のある職場環境 □ 精神的なつながりや信頼関係を築きたいとき □ チームや集団の温度感を感じ取り、高めるための策を考える □ 感情を読み取ることが苦手な人に、代弁や情報を伝える役割
これらは一例です。
『共感性』と併せ持つ上位資質によっても異なります。ぜひ、ご自身なりの得意技の繰り出し方を研究してみましょう。
『共感性』は、安心して感情表現できる環境や、感情を共有し合える関係性の中で、より能力を発揮しやすくなります。上記のような工夫を、できるだけ取り入れてみましょう。
『共感性』の持ち主は、誰もが人の気持ちを考えているとは限らないことや、感情を理解できるわけではないことを心に留めておくことが大切です。
ここまでお読みいただき、この感じ取る能力が『共感性』の能力であることは、お分かりいただけたと思います。「なぜ気づけないの?」「どうして私の気持ちを分かってもらえないの?」と1人傷つくこともあったでしょう。
しかし残念ですが、察する力を相手に求めるよりも、伝える力やコミュニケーション力を高める方が建設的です。
また、多くの人を巻き込む必要がある際には【影響力】カテゴリーの資質を持っている人に協力を得ると良いでしょう。人や集団に対しての発信を、手助けしてくれます。
3、『共感性』的リーダーシップのとり方(マネジメント活用)
「共感性」を上位にもつマネージャーが、リーダーシップや部下育成に資質を役立てていく際に、得意なスタイルがあります。①信頼関係構築 ②思いやりの示し方 ③安定感の生み出し方 ④希望の与え方と注意点 こちらの4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
①信頼関係構築:相手の感情を受け止める 気持ちの整理を手伝うことができます。相手の感情を自由に表現してもらい、誠実に受け止めましょう。しっかりと対話を重ねたり、秘密を守ることで、信頼関係を築けます。
②思いやりの示し方:相手に寄り添った言葉選び 相手の状況や感情に合った言葉選びや声掛けができます。また、人の成功を自分ごとのように喜べる人です。感情を込めて相手を褒めたり、辛さを分かち合うことができます。
③安定感の生み出し方:人と人の架け橋になる 場の空気を読み取ったり、人の感情を感じ取ることができます。できない人に伝えたり、何が求められているのかを伝達することで、チームや人との関係をつなぐことができます。
④希望の与え方:人を励ます存在になる 人のためを思い行動できる人です。相手に寄り添う傾聴力や、温かな言葉で励ましを送ることで親近感や頼りがいを感じてもらえるでしょう。
①情に流される 感情移入し過ぎて、メンバーを正当に評価できなかったり、感情的になって冷静な決断を下せない場面があるかもしれません。情に訴えられたり、エネルギーを掛けてきたものほど、想いが強くなるでしょう。しかし、時には論理的に考え、客観的に判断することも重要です。
②都合の悪いことを先送りにする 都合の悪いことや改善を指摘しなければならないときなどに、腰が重くなるでしょう。気持ちは分かりますが、先送りにするほど事態が悪化したり、改善に時間がかかることもあります。何より「問題から逃げる人」というレッテルを貼られないよう、注意しましょう。
③他人からの評価を気にしすぎる 自分の意志決定が、他人からどう評価されのるかを気にしすぎてしまい、生産性を低下させてしまいます。マネージャーとしての役割をしっかりと優先させ、必要な判断をベストなタイミングでできるよう、心掛けましょう。
『共感性』のマネージャーは、チームの小さなフラストレーションに気づき、改善に向けて取り組むことができます。また、みんなで達成する喜びを分かち合い、モチベーションを高めることができます。
4、『共感性』資質のまとめ
『共感性』とは... 察する力があり、疑似体験しているかのように相手の感情を感じ取れる資質
こんな風に能力を発揮! ● 人の感情や行動に寄り添った行動・サポート ● ニュアンスを汲み取り、感情を言葉で表す ● 信頼関係を確立する
安心して感情表現できる環境や、感情を共有し合える関係性の中で、より能力を発揮しやすくなります。
ベースメントにはこう対処する! ●人の感情を気にし過ぎる・介入し過ぎる ●言いたいことが言えない ●自分の浮き沈みで周りに気を遣わせてしまう
『共感性』の資質を活かしやすい場面や仕事は、次のようなものがあります。
✓ 人を大切にする姿勢や風土のある職場環境
✓ 人に寄り添ったサービスを提供したいとき
✓ 人に対応する仕事・教育や人材関係
✓ 信頼して話せる人や仲間がいる
✓ 精神的なつながりや信頼関係を築きたいとき
✓ チームや集団の温度感を感じ取り、高めるための策を考える
✓ 感情を読み取ることが苦手な人に、代弁や情報を伝える役割
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
同じ資質を持っていても、他に持つ資質の組み合わせによって、一人ひとりの異なる使い方や、個性を生み出しています。他の資質についても、深く学んでいきましょう。
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