成果を出すチームの3つの特徴《1》ベクトルが合っている│インナーブランディングノウハウ
成果を出すチームの3つの特徴。1つ目は「全員のベクトルが合っている」です。 (前回の記事はこちら)
組織やチームで目指す方向性をメンバー全員が理解し、行動や考え方がそこへ向かっている状態を指します。 共通の目的や目標があるチームということになりますが、上層部だけで目標を決めて一方的に提示しても、多くの場合は達成されません。
メンバーにしてみれば、 忙しくて無理/目標が高すぎる/どうやったら良いかわからない/そもそも何でそれをやらなきゃいけないの…? となりがちです。
✔ 全体の目的や目標が共有され、全員が納得・共感している ✔ 全体目標と、各自の担当業務がどう結びついているかを理解している ✔ 目指すゴールの状態と、到達するまでの具体的なやり方が明確になっている
これが「ベクトルが合っている」チームですが、日々多忙な中でこの状態を保ち続けるのは簡単ではありません。そこで多くの企業が導入を進めているのが、「OKR」と「1on1ミーティング」です。
OKRの特徴・従来の手法との違い
◉ 目標管理手法のひとつこれまで多くの企業が取り入れてきた目標管理「MBO」と大きく異なる点は、
OKR: 会社全体の方向性を合わせるのが目的。全体で共有される
― Objectives:目標
― Key Results:主要な結果(目標の進捗度を測る具体的な成果指標)
◉ 1つのO(目標)に対し3個ほどのKR(成果指標)を設定する 最初に会社全体のOと、それを測るKRを決めます。次に、会社のKRをふまえてチームのOとKRを設定し、チームのKRをふまえて各個人のOとKRを設定します。このように、会社全体のOから最終的に個人のKRまでがツリー構造のように紐付くのが特徴です。
◉ 運用は3ヶ月単位・1週間ごとに進捗確認 半年から1年を単位とする従来の目標管理手法と比べ、短い期間で運用します。そのため、優先度の高い目標3~5個に絞って取り組みます。また、1週間ごとに進捗確認を実施。必要に応じて個人間やチーム間で調整し、縦にも横にも協働しながら会社全体でO(目標)の達成を目指します。
OKRは目標の設定だけでなく、運用の仕組み化が重要です。効果的に進捗確認を行うために、併せて導入したいのが「1on1ミーティング」です。
1on1ミーティングとは
◉ 部下のために実施される定期面談 従来の面談と異なるのは、「部下のための場」として実施されること。上司が部下を評価するための人事考課面談のような場ではなく、部下が自分で気付きを得て成長するのをサポートするための面談です。
◉ ティーチングよりも「コーチング」 上司から指示したり、答えを教えるのが「ティーチング」。早く確実に成果を上げられるかもしれませんが、教えてもらえる環境に慣れた部下は、指示待ちの姿勢になりがちです。 一方、部下が自身の経験や状況を振り返り、自分で気付き、学びを得て次に活かす、それを促すのが「コーチング」。上司は傾聴の姿勢と、効果的な質問を投げかけることで、部下の自発的な学びや行動を引き出すようにします。
OKR+1on1ミーティングの効果
◉ 会社と個人の関係が変わる OKRは、上から下へ一方的に降ろされていくものではありません。目標設定も進捗確認も、対話に基づいて進められます。このことから、自分も全体の一部として参加し、取り組んでいるのだという意識が醸成されます。「会社vs個人」のような対立する2つのものではなく、相互に影響し合う、一体の関係性になっていきます。
◉ 自分の成長が、会社への貢献になる 個人が目指すところと全体の目的が常に紐付き、進捗状況に応じて調整したり協力し合いながら進めていきます。自分の成長と会社への貢献が一致しているので、日々の業務に意義ややりがいを感じながら取り組むことができます。
他にも、
* 組織全体で共有され、可視化されるので、不信感が取り除かれる
* 自分の取り組み方や考え方をきちんと見て評価されているという信頼感がある
* 自分が日々やることと会社のビジョンがつながるので、業務に納得感を持てる
* 縦(上司と部下)や横(他のチーム)と連携しながら進めるので一体感が生まれる
あなたのチームが目標を達成し、その中に単調なルーチンワークを担当する方がいらっしゃるとします。「あなたのおかげで達成できたよ」と声をかけた時。その言葉が本人にとってどれだけ実感を伴って伝わるか、が重要です。
自分の担当業務が最終的なアウトプットに至るまでに、誰が関係し、どのような工程を経るのかが全員に見えている。 自分の仕事内容や考え方について、上司あるいは周囲と話し合う機会が(年に1、2回の人事考課面談、ではなく)定期的にある。
こういった体制や仕組みがあった上で「あなたのおかげ」と言ってもらえた時、そのメンバーは達成感や自己効力感を感じることができます。そして、自分にその自信や成長の機会を与えてくれた組織として、所属するチームと会社に対する愛着や誇りの気持ち ≒ エンゲージメントが高まるのです。
成果を出すチームの3つの特徴、2つ目は、「チームメンバーの強み・弱みを理解し、相互パートナーシップができている」です。