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伝統と格式を守りながら、神社婚の新たな打ち出し方を考える【白山会館|リブランディング】

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新潟の中心部に位置する白山神社さま。新潟市民なら誰もが知っているほどの知名度と歴史を誇る神社です。

そんな白山神社の隣にある白山会館は、伝統と格式を守る結婚式場として、多くの婚礼をはじめ初宮参りや七五三といった人生儀礼の神事に利用されてきました。

一方で、時代の移り変わりとともに神社と人々との関わり方や風習も徐々に変化。神社・会館ともに存在価値の低下が懸念され、新たなアプローチを模索していました。



1.課題

❶時代とともに、神前挙式を選択する人が減少している
❷街における人の流れの変化により、集客に苦戦している
❸魅力ある内装にリニューアルしたい

《 依頼のポイント 》 かつてのように、結婚式といえば誰もが神前挙式を思い浮かべるような時代ではなくなりました。さまざまな選択肢がある中で、神社婚を選ぶ層は何を求めているのか。その層にどうやってリーチするか。神社でもマーケティングの視点を必要としていました。

また、近隣にあった市役所・区役所などの中心地機能が移転し、人の流れが変わりつつあったことも、集客力低下に少なからず影響していたようです。立地エリア自体の集客力低下をカバーするための積極的な広報・集客戦略の構築にも取り組むこととしました。

これらの他に、会館の内装について、やや古く事務的な印象を受けるといった物理的な面での課題も挙げられていました。



2.解決の方向性

今回の課題解決に向けて、次のようなステップで進行していきました。

◉チーム力の強化 新しいことに取り組む際には、少なからず不安や疑問、反発などが出るものです。どのような事業を展開していくにせよ、そこに関わるチームが機能しなければ、うまく進めることができません。そこで、事業プランの検討に先立って、人材育成と協力体制を整えるための取り組みから着手することになりました。 ※チーム力の強化については、別の記事で詳しくご紹介しています。この記事の末尾<関連記事>よりご覧ください。

◉事業開発・サービス構築 インナーブランディングの取り組みによってチームの基盤を整え、ベクトルを揃えた後は、事業開発ワークショップを実施しました。時代に合った神社の提供価値、これからの時代における自分たちの役割。これらを見つめ直し、具体的な事業アイデアに落とし込みます。そして、神社婚を選ぶのはどんな人で何を求めているのかを見据え、そのターゲットに向けたサービスを構築していきました。

◉各種ツール制作 また、会館内装のリニューアル、ツール類の一新にも取り組みました。インナーブランディングで作り上げたCI(コーポレートアイデンティティ)を全体に反映することで、ブランドとしての姿勢が内外に伝わるものにしました。



3.実際の構築ステップ

  • 7月 コミュニケーション基盤「ストレングスファインダー基礎」

  • 8月 幹部チームの意思疎通強化「ストレングスマネージャー研修」

  • 9月 コーポレート・アイデンティティ構築「エンゲージメントワークショップ」

  • 10月 社内スタッフ共有

  • 11月 「チーム事業開発スプリント」

  • 12月 事業構築・ブランドツール作成

❶時代に合った事業をチームで生み出す

これからの時代に神社が提供する価値、自分たちの役割とは。新たな時代にどんな未来を構築するか。チームで考えをまとめ、具体的な事業アイデアに落とし込んでいくワークショップを実施しました。

新規事業計画を2日間でまとめるワークショップ。声が大きい人の意見だけでなく、全員のアイデアを取り入れるため、一人ひとりが考えを紙に書いて貼り出す。

一つひとつのアイデアは小さなものでも、組み合わせていくと差別化されたアイデアになります。事業内容・広報計画・チーム運営まで全てを決定し、あとは実行するだけ!の状態まで2日間でまとめ上げます。

ターゲットとして浮かび上がってきたのは、家族婚・少人数・格式高いきちんとした結婚式を由緒ある神社でやりたいと考える層。家族のためにやりたい、と考える人が多いことが見えてきました。

そこで、家族婚に絞ってサービスを生み出していくことに。家族婚プランを設定し、PR用パンフレットやホームページを制作することとしました。

また、会館の雰囲気が社務所(神社の境内にある事務所)のようで結婚式をしたいという気分にならないのではという声もあったため、内装のリニューアルも実施することになりました。


❷「結び」を伝えるデザイン

縁結びの神社としての歴史と伝統、人と人とのご縁を大切にという想いを、これからの時代に合わせて伝えていく。そのために「結び」をコンセプトとして据え、各種ツールのデザインに反映しました。

パンフレット

歴史を感じさせる品格を表現しつつ、新規顧客も受け入れやすい親しみ感を取り入れた。


ホームページ


家族婚プランを中心にしたサービス内容を組み、ホームページも併せてリニューアル。

会館内装


「結び」をコンセプトとし、明るく格調高い空間へリニューアル。婚礼から始まり、七五三などの人生儀礼をともに歩む場所だということを感じさせる内装に。壁面はラウンジスペースから通路まで千本格子で美しく統一し、ロビーの飾り棚には婚礼小物のモダンアートを配した。
※内装リニューアルについては、スタッフブログでも詳しくご紹介しています。この記事の末尾<関連記事>よりご覧ください。


人生儀礼リーフレット

七五三宮詣りや初宮詣りなどの「人生儀礼」を紹介するリーフレット。イラストを用いて親しみやすく、お祝いの紅白が映えるデザインに。




4.まとめ

リニューアルしたパンフレットやホームページなどのツール類、会館内装ともに大変ご好評をいただきました。ターゲットに設定した家族婚を求める層が実際に増えている手応えもあるそうで、今後さらに広報活動を展開し、見込み客を増やしていく段階に入っています。

BEFORE

  1. 神前挙式以外にもさまざまな選択肢がある中で、神社婚を求める層にいかにリーチし、何を提供できるか。神社・会館ともに存在価値を改めて問い直すべき時期にあった。
  2. 周辺環境の変化により、立地エリア全体の集客力が低下。それをカバーするための積極的な広報・集客戦略が必要になっていた。
  3. 会館の内装がやや古く事務的な印象。神社としての歴史や品格を保ちながら、結婚式場らしい雰囲気づくりを必要としていた。

AFTER

  1. 神社が提供できる価値や自分たちの役割を見つめ直し、家族婚をサービスの中心に据えることに。方針の軸が定まったことで、ツールのリニューアルや広報展開を進めやすくなった。
  2. ターゲット層との接点となるホームページやパンフレット、広報素材などが揃い、神社からのメッセージを一貫して伝える準備が整った。
  3. 千本格子で美しく統一した壁面や、婚礼小物のモダンアートなどを配し、明るく格調高い空間にリニューアル。

<ブランド情報> 白山会館 〒951-8132 新潟県新潟市中央区一番堀通町1-1 https://www.niigatahakusanjinja.or.jp/kaikan/

<関連記事> ● 事業承継に向けてチーム一丸を目指す、名門神社の取り組み【白山神社|チームビルディング】[ Staff Blog ] 「結び」をテーマに 明るく格調高い館内へ




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