アドハウスパブリック
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私が本気になれる場所。覚悟を決めてデザイナーになった今、思うこと。

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みなさん、こんにちは!広報担当のきらです。

「すべての人が、自分らしく輝く社会をつくる」をビジョンに掲げ、ブランディングやデザインに取り組んでいるアドハウスパブリック。

社内のメンバーはどんな想いでお客さまと向き合っているのかをたくさんの方に知っていただくために、各メンバーのインタビューをお届けしていきます!

まず一人目は、アートディレクターの白井 豊子さん。COOとして会社経営をサポートしながら、商品パッケージや店舗装飾など幅広いデザインを手掛けるアートディレクターとして活躍中です。

デザイナーになるまでの道のりや、とよこさんから見たアドハウスパブリックのメンバーのことまで、たっぷりと語ってもらいました!


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ー とよこさんがデザイナーになりたいと思ったきっかけは何ですか?

小さい頃から絵を描くのが好きで、もともと絵描きになりたかったんです。今みたいにデザインが身近な時代じゃなかったので、デザイナーってものも当然知らなくて。絵を仕事にするには絵描きしかないと思ってたんですよね。

それで高校生の頃に美術系の大学に進みたいって家族に話したら、本格的に反対されてしまって。「絵でやっていける職業なんてない」「絵で食べていくなんて無理だ」って。

でもやっぱり就職するときに少しでも何かを作る仕事がしたくて探していたら、印刷会社の求人があったんです。はじめての就職でしたが、ものづくりに興味があることを評価していただいて、運良く制作の部署に配属してもらえました。

そしたら会社の中に、デザインの部署があることが分かって。そこではじめて、デザイナーという仕事を知ったんですよ

自分の絵を素材にしてデザインしたり、パッケージをゼロから作ったりしている姿がとても魅力的で、いいなあと思って見てました。もちろん制作の部署でもチラシなどは作れたり、はじめて触るMacでの作業も楽しめてはいたんですが、結局3年ほどお世話になったあとに退職することに決めました。

ー そこからデザイナーを目指したきっかけは何だったんですか?

会社を辞めてから自分の目標が何も見つけられなくて、一時期どん底に落ちてしまって。これからどうしようって思ってたんですけど、あるとき急に「自分がやりたいのはデザイナーだ!」って、ふと思い立ったんです。23歳の頃でしたね。それがはじめて、自分のやりたいことを本気でやってみようって思えた瞬間でした。

それで思い立ったその日のうちに、母に「明日からデザイナー目指します!」って宣言したんです。笑 自分で働いて貯めたお金があるから、それを使ってデザインの学校に入りますって、泣きながら訴えて。それが2月か3月くらいの出来事で、その年の4月にはデザインの学校に通い始めました。

デザイナーを目指そうと思い立ったこのときの覚悟が、未だにずっと私の中にあります。

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ー それは一大決心ですね...!実際にデザインの勉強をはじめてみて、どうでしたか?

学校ではグラフィックデザインを学んだんですが、とにかくもう楽しくてしょうがなかったですね。めっちゃ楽しくて、毎日好きな時間だし、課題も面白いし。好きなことができるってこんなに楽しいんだ!って、寝るのも惜しいくらい無我夢中で2年間過ごしました。

自分の生きる目的というか、本気になれるのはここしかない、みたいなものが、そこでやっと分かった感じでした。本気でやると大変なんだな、でもこんなに面白いんだなって。それが見つけられたのは、すごくラッキーだったなって思います。

ー 卒業後はすぐにデザイナーとして働きはじめたんですか?

卒業してから1年間だけ学校で講師を経験して、そのあとアドハウスパブリックに入りました。学生時代に先生をしてくれていた人がパブリックで働いていて、その方に声を掛けられて面接してもらいました。

ー とよこさんが入社する前のアドハウスパブリックって、どんな印象でしたか?

当時は、デザイン制作に対する認知が今より厳しかったと思うんです。そんな中でもどんどんチャレンジするし、コンペにもたくさん出るし。チャレンジ精神や勢いみたいなものがすごくありましたね

ちょうど私が学校を卒業する頃が新潟ADC(新潟アートディレクターズクラブ)の立ち上げの時期で。その立ち上げをメインでやっていた方が、何かと気にかけてくれていたんです。違う会社の方なんですけど。「新潟を盛り上げたいんだ!」みたいな話をすごく熱心に語ってくれて。

大人の方がこんなにデザインを楽しんでいるんだって希望があったし、そういう勢いの中にパブリックもいたんですよ。入社前にパブリックの作品を見せてもらったらすごく面白くて、いろんな可能性があるんだなって思ったんです。

「新潟をこれから熱くするぞ!」っていう人たちに魅力を感じたのと同時に、そこに挑戦する姿勢がパブリックにもあって。新潟だからって勝手な先入観に囚われてたけど「チャンスがある会社だな」「ここなら楽しそう」って。東京で働くことを考えたこともあるんだけど、新潟でも楽しい仕事ができそうだなって感じましたね。


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ー もともとデザイン会社だったところから、どんなふうに今のような “ブランディング” を軸にした会社に変わってきたんですか?

気づきのタイミングは人それぞれだとは思いますが、私の場合で話すと、ある時期に農業関連の商品開発系のお仕事をいくつかいただいたことがあって。そのときに、ただパッケージを作るんじゃなくて、どんな商品を作ってどういうネーミングにするかとか、どこで売るのかとか、全体の戦略を考える必要が出てきたんですよね。そういうのを全て考えた上で、やっと最後にパッケージを作るっていう。

それがきっかけで、ただパッケージを作れば良いわけじゃないんだねって気づいたんです。誰かが商品を手に取る、そこに辿り着くまでの戦略があるから結果に繋がる。それがブランディングなんだなって

それまでにも、課題や実現したいものを根本から考えることって、良いデザインを作るために必要な過程としてみんなが取り組んではいたんですけど。それが結局、ブランディングなんだねって落とし込めたというか。私たちがやってるのはブランディングなんだって、すごくしっくりきましたね。

ー ブランディングを軸に据えたことで、何か変化したことはありますか?

以前は「〇〇を作ってほしい」みたいな具体的な要望が多かったけど、今は「何をするか迷ってます」っていうご相談もよくいただくようになりましたね。例えば「新しい商品を出したいんだけど何からはじめれば良いのか分かりません」っていう相談ベースのお客さまとか、ブランディングとして全体を任せてもらえる機会も多くなりました。

そういうご相談が来るっていうこと自体ありがたいですね、すごく。もちろん難しさはあるけど、会社としてインナーブランディングのサービスも育って浸透してきたおかげで「それ、うちでやります!」って言える自信ができたかな。社内にその体制があるおかげで、いろんなお客さまに応えられる会社ですって胸を張って言えるのは、良いことだなと思います。

ー 今までのお仕事で、一番印象に残っているものは何ですか?

雪の日舎さんのお仕事かな。 “自分の仕事だな” って確信できた瞬間があったんです。

ブランド立ち上げの初期から関わって一緒に育ててきたというか、悩みの過程も全部聞きながらやらせてもらっているので、その中で作るときのマインドも育っていって。

お客さま自身はきっとこういうことをしたいんだろうなとか、このブランドを好きな人はきっとこういうのが嬉しいんだろうなとか。そういう背景がだんだん深読みできるようになって、それがデザインに繋がって表現できる。

そこに到達するまでに、なかなか時間がかかったんです。ある意味、一番苦しんだ仕事でもありました。一番足掻いた仕事だった分、そこを超えたあとに手に取る人も関わる人も含めた全体像をイメージして走れるようになりました

雪の日舎を手掛けるwomen farmers japan(wofa)さま ブランディング

ー 上手くいかず足掻いていたところから、どんなふうにしてお客さまの想いを形にできるところまで辿り着いたんですか?

実ははじめはすんなりスタートしたんですが、そこからいろんなお仕事を任せていただくうちに、途中でつまづいてしまったんです。ロゴの制作だったんですけど。今の状態が続くと、お客さまを不安にさせてしまうみたいなこともあったりして...。でもここは踏ん張らなきゃと思って、もう1回チャレンジさせてくださいってお願いして最後まで任せてもらいました。

そこから一度リセットしようと思って、全て最初から見返したんです。その案件に関わる資料やメモを読み直して整理して、もう一度打ち合わせをさせてもらってから改めてデザインを提案したら、一発でOKをいただきました。

そのあと、お芋(『とろ蜜丸干しプレミアム』)のパッケージを担当させてもらったときは、最初の提案からお客さまにすごく感動してもらえて。そのデザインが出せたときは自分も楽しくて迷いなく作れたし、きっとこうだろうなっていうアイデアがワーッと出てくる感覚があって、やっと自信が持てたというか。

▲雪の日舎『とろ蜜丸干しプレミアム』。トップアワードアジア2020を受賞。

それまでは正直「この担当は本当に私でいいんだろうか...」みたいな不安がずっとあったんです。もう逃げ出したいとか、担当を変えたら自分は楽になれるって分かってはいたんだけど、それをやったら私は全部折れちゃうなって思って、なんとか踏ん張って。本当に、チャレンジでした。今ではかなり深くお付き合いをさせていただいているお客さまです。

だから、ひとつの成功体験というか、自信をくれた仕事ですね。今ではもう、他の人に渡してたまるか!一番お客さまのことをわかってるのは私だ!っていう自信があります。笑 

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ー とよこさんから見たアドハウスパブリックのメンバーって、どんな印象ですか?

みんな個性があって面白いですね。それぞれの戦い方をしてるからこそ、みんな羨ましいし、みんなライバルだし、みんな自慢したいし...。笑 そんなメンバーに囲まれているのが幸せだなって思います。

私、自分の中でずっと掲げているスローガンが『覚悟を持ってわがままになる』っていう言葉なんですけど。デザイナーになるって覚悟を決めたときに、好きなことをやるならちゃんとやりきらないとだめだし、わがままを通すにはそれ相応のことをしなきゃいけないって思ったんです。

それでここまで走ってこれたんですけど、思い返してみると、この会社にいる人も良い意味でみんなわがままだなって思いますね。笑 みんなお客さまのためはもちろんだけど、自分の成長もどこまでもいつまでたっても求め続けていて、そういうところがかっこいい。そんなメンバーと一緒に働けるのは楽しいし、負けていられないですね。

ー みんな、それぞれ違ったデザインの色がありますよね。

そうですね。視点とか、こだわる場所とか、それぞれ違いますね。

例えば私の場合、スタイリッシュなイメージが合いそうなものや文字ベースのものがきたら、デザインは五十嵐くんにお願いして自分はディレクションにまわることもあります。逆に五十嵐くんもイラストの案件があればお願いしてくれるから、お互いのいいとこ取りができて心強いですね。

みんなで協力してやっていくと、いろんな気づきもあるんですよ。イラストからデザインまで自分でやって、全部自分で作り上げる嬉しさっていうのも、もちろん良い。だけど、自分のイラストを使って他の人がデザインしてくれたときに「こんなに見え方が違うんだ!」っていう気づきもあったりする。こんなにかっこいいデザインになるんだっていう、嬉しい発見でありショックであり、刺激でもあり...。

これは本当に、会社としての力だなと思います。社外の方に頼むこともできるけど、社内でそれが完結できちゃう力は強いですね。いろんな掛け算で、一人では到達できないゴールに行けるのは、本当に恵まれている環境だなって思います。


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ー とよこさんにとって “デザインの楽しさ” ってどんなところにありますか?

小さい頃、自分が描いたものを褒めてもらったり見てもらえることが楽しかったんですよ。自分の中だけで終わらずに、それを誰かに見てもらってリアクションが知りたい。関心を持ってもらいたい。その目的があったから描いていたし、その目的があるからもっと上手になりたかったと思うんです。

それは今でも変わってないなと思いますね。作ったものがお客さまに喜ばれて、褒めてもらえて、そこからだんだん信頼してもらえる。そこに一番、楽しさと喜びを感じます

ー お客さまの手に渡って喜ばれる瞬間、認められる瞬間なんですね。

そうですね。何かが完成する頃にいつも私の頭の中にあるのは「これを見て喜んでくれるかな」っていう気持ちかな。「これ作ろう」って走り出して形になってきたら、それを見る人や手に取る人のことばっかり考えてますね。手に取った人がこう思ったらちょっと面白いなとか。この仕掛けに気づいた人はどんなことを思ってくれるかなとか。

正直、最初は自分が楽しければ良かった頃もあって。でもやっていくうちに、デザインによって結果が出て、お客さまの役に立てることが嬉しいって気づいたんです。ただデザインが素敵とか可愛いで終わらずに、ちゃんと結果まで繋がること。そこではじめて、本当にお客さまが感謝してくれると思うんです。

はじめは作って渡す瞬間の感動を味わってたけど、その商品が育って、何年かかっても「お願いして良かった」「すごく売れるようになりました」って声を聞くと、役に立てたんだっていう安心感があります。デザインのおかげで何か少しでも良い結果に繋がったって実感が出来ると、すごく安心しますね。

ー 最後に、とよこさんが思い描く将来像を教えてください!

いつまでも需要がある人でいたいですね。いつかおばあちゃんになったときでも。イラスト1個でもいいから、誰かが覚えてて誰かが求めてくれるといいな。

趣味になったとしても何かしら作り続けていたいし、そこで少しでも誰かの役に立てる人でありたい。いつまでも手作りで勝負できるといいなって思いますね。

白井 豊子 / 吉楽 香菜子(取材・執筆)
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2023 / 9.22
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