事業承継に向けてチーム一丸を目指す、名門神社の取り組み【白山神社|チームビルディング】
新潟の中心部に位置する白山神社さま。新潟市民なら誰もが知っているほどの知名度と歴史を誇る神社です。
事業承継を控え、次のような課題を解決していく必要性を感じていました。
1.課題
❷ アイデアを考え実行するチーム力を育成したい
❸ チームのベクトルをあわせ、一丸体制をつくりたい
《 依頼のポイント 》 これからの時代に対応する事業アイデアを生み出していける人材を育てたいが、自分たちだけでは教育できない。また、事業展開していくためにチームの協力体制を作りたいが、なかなか作りにくい状況。
長年、名門神社として活動してきた中で、事業を展開するための十分なスキームと人材は整っています。ところが、さまざまな問題が複雑に絡み合い、動きにくいチームになっていたため、活動がうまく進まない部分も出ていました。
そこで、これらの課題を解決しチーム一丸で新たな時代に向けた一歩を踏み出すため、インナー/アウター両面のブランディングに取り組みました。
2.解決の方向性
今回のブランディング構築にあたり、特にポイントとなったのが以下の3点です。◉コミュニケーション基盤の構築、チーム力の強化 「変わっていかなければならない」ということをメンバー全員に理解してもらい、協力体制づくりに向けた土台を整える必要があります。そこには、チーム内の信頼関係と相互理解に基づくメンバー同士のつながりが欠かせません。
◉自社の存在価値を再発見し、チームのベクトルをあわせる 神社のあり方や進路、守っていくべきことなど、メンバーそれぞれが持つ価値観や考えがあります。組織全体としては「理念」「ビジョン」が存在し、組織をまとめる重要な役割を果たすものですが、放っておくと風化しがちなものでもあります。長年にわたる日常業務の中で、あまり意識しなくなっている自社の存在価値を改めてしっかりと見直し、見える化し、新たな時代に向けてベクトルを合わせていく必要があります。
◉チームで事業開発を行い、新規事業を立ち上げる 人々に啓蒙していく神社のあり方。それが今の時代に合ったものでなければ、神社として人々のお役に立つことができません。そのことをチームで理解し、自分たちの次なる役割を見つけ、新規事業として立ち上げることを目指しました。
3.実際の構築ステップ
- 7月 コミュニケーション基盤「ストレングスファインダー基礎」
- 8月 幹部チームの意思疎通強化「ストレングスマネージャー研修」
- 9月 コーポレート・アイデンティティ構築「エンゲージメントワークショップ」
- 10月 社内スタッフ共有
- 11月 「チーム事業開発スプリント」
- 12月 事業構築・ブランドツール作成
❶コミュニケーションの基盤を整え、生産性を底上げする
弊社のブランディングプログラムでは、最初のステップとして、コミュニケーションの基盤づくりに「ストレングスファインダー」を活用しています。
★ストレングスファインダーの効果
《 個人のパワーアップ 》 ✔︎自分の思考・行動・感情の理解 ✔︎才能を活かした行動で、本来の力を発揮できる ✔︎人の違いを知り、能力を生かし合う ✔︎他人の考えを許容でき、質の高い関係を作る
《 職場でのメリット 》 ✔︎信頼関係を築きやすい ✔︎教育・コーチングで成果達成力をつける ✔︎能力を生かし合ったチーム構築 ✔︎コミュニケーションが活性化し業務が円滑に ✔︎採用力・定着力向上/離職率低下
自分をスムーズに動かす方法や自分の強み弱みがわかるようになり、自分で行動の選択ができるようになる。また、自分と異なる他者の考え方を容認できるようになるので、信頼関係ができ、お互いの違いを生かし合う教育や適材適所の配置が可能になります。
多くの職場で起きる問題のほとんどは「人の問題」。相互理解の欠如から、生産性ダウンやストレス環境の悪化などを招いています。
◎自分の個性を理解してもらえる
◎自分と違う考え方や行動を許せる
◎自分にない力を持つ他者が大切な存在になる
◎お互いの良い点を生かし合う関係性になる
このようなベースがあると、職場で良好な人間関係を築くことができます。
ストレングスファインダーを活用して個性を見える化することで、チームの関係性構築がスムーズになり、コミュニケーション力の強化や生産性の底上げを効果的に進めることが可能です。
❷組織のエンゲージメント向上は上司から
社員が会社に対して感じる誇りや愛着心、目標達成のための貢献意欲などのことを「社員エンゲージメント」と言います。社員エンゲージメントには、上司との関係性が影響することがわかっています。
リーダーに必要な力は、
◎状況を理解し、適切な行動を判断する力
◎協力関係・チームワークを築く力
◎一人ひとりの能力を生かす力
一人ひとりの力を結集し、課題解決・目標達成するチームを育成するのがリーダーの役割。 組織のエンゲージメントを向上させるためには、まず上司の教育や、幹部層をまとめることが大切です。
そこで、ストレングスマネージャー研修を通して、以下のことを学んでいただきました。 ✔︎自分と他人の良いところを活かし、弱みを支え合うパートナーシップ ✔︎チームワークを学び、人材を育てる ✔︎適材適所の実践
チームワークとは、ひとつの目標を目指して全員で声を掛け合い、成果に向けてバランスを調整し合える状態のこと。この状態を整えることで、チームが活躍する基盤が出来上がります。
❸ビジョンを共有したチームをつくる
チームで成果を出すためには、会社としての方向性・ありたい姿を明文化し、社員が共通の指針を持って業務にあたることが重要です。また、自社の強みを明確に認識して業務を行うことで、自分の仕事や会社への誇りが高まります。
会社の姿勢や「らしさ」を表すものをコーポレート・アイデンティティ(CI)といいます。トップダウンで与えられた指針は他人事になりがちです。そのため弊社のブランディングプログラムでは、自分たちでCIを構築し、経営参画意識を向上させるワークショップを行います。
①コーポレート・アイデンティティ(共通言語)の共感・理解・浸透 理想の仕事やチーム、仕事上で大切にしていること、絶対にやらないことなどの考えを一人ひとりがふせんに記入する。自分の考え方を見える化し、メンバー間で同じ意見をグルーピングしていくことで、共通の指針がまとまってくる。その内容をさらに明文化していくと、理念やビジョン、価値観、行動指針といったCIができていく。本来、理念浸透はとても難しいものだが、このワークショップでは自分たちの声から作り上げていくので、CIを構築しながら理念浸透したチームが出来上がっていく。
②企業の強み(価値)・弱みの理解・共有 経営やマーケティングの戦略検討によく用いられるフレームワークのひとつ、SWOT分析。社員全員で取り組み、自社の強み・弱みを理解していく。会社全体で共有し、営業・教育・事業開発・広報などに展開することで、一貫した強みが打ち出されていく。ブランディングの鍵となる「差別化」と「強みの打ち出し」を可能にするワーク。
❹組織の考えを「自分ごと」にし、働く意欲を高める
ワークショップでまとまった指針を、スタッフ全員に共有します。決定した経緯とともに共有し、一人ひとりの意見を発言する中で、共通の思いを発見していきます。自分の意思・仲間の意思が伝わり、漠然と働くチームではなく共通のベクトルと意思を持ったチームに生まれ変わります。
企業を成功に導くのは、そこで働く社員です。社員のベクトルを揃え、自発的な参画意識を高め、エンゲージメント(帰属意識・結果達成能力・協働意識・姿勢)を向上させることが、企業成長を支えます。
◎会社の行動意義や目標を理解する
◎一人ひとりが達成に向けて努力する
◎適材適所、頼れる仲間がいる
◎相談しあって前に進める
このような状況を作り出していきます。
❺時代に合った事業をチームで生み出す
新規事業計画を2日間でまとめるワークショップです。声が大きい人の意見だけではなく、全員のアイデアを取り入れるため、一人ひとりが考えを紙に書いて貼り出します。
一つひとつのアイデアは小さなものでも、組み合わせていくと差別化されたアイデアになります。事業内容・広報計画・チーム運営まで全てを決定し、あとは実行するだけ!という状態までまとめ上げます。
❻得られた成果
一連のインナーブランディングを経て、アウターブランディングに取り掛かりました。
◎意思疎通のできるチーム
◎コーポレートアイデンティティ(会社の姿勢・価値の明文化)
◎同じ目標に向けて、意見・討論・活動できるチーム
◎新たな時代に対応する新規事業
◎CIを反映し、新規事業を展開するPRツールと広報計画
という形で、ブランディングが進んでいます。
4.まとめ
BEFORE
- 既存事業のスキームと人材は整っているが、新しい展開を検討しようとするとうまくいかない。
- 全員のベクトルを合わせ、一丸となって進める体制を作りたい。
- 時代に即したアイデアを生み出し、神社の存在価値を高めていきたい。
AFTER
- 違いを認め合い、お互いの良い点を生かし合う関係性に。コミュニケーション基盤と協力体制の整ったチームができた。
- 各自の意見から共通する価値観を導き出し、全体としての指針を再認識。CI構築と同時に理念浸透を進め、スタッフ全員のベクトルが揃った。
- 新たな時代に対応する新規事業構築と、CIを反映したPRツールや広報計画を進行中。共通目標を握れていることで、強力な推進力が生まれている。
新潟総鎮守 白山神社
〒951-8132 新潟県新潟市中央区一番堀通町1-1
http://www.niigatahakusanjinja.or.jp/
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