競馬をカジュアルでおしゃれなエンターテインメントに。オリジナルクラフトビールのブランディングで新たなファン層を獲得する。

大井競馬場の場内サービス運営を行う株式会社東京プロパティサービス。「大井競馬場で、カジュアルでおしゃれなクラフトビールをお客様にご提供したい」ということでプロジェクトが立ち上がり、競馬場内の飲食店名「スターライト」の名を冠した、スタウト、ケルシュ、ゴールデンエールの3種類のクラフトビールが完成しました。その後、弊社ホームページの制作事例を見てお問い合わせをいただいたことから、「スターライトクラフトビール」のブランディングが始まりました。
1.課題
「第3次クラフトビールブーム」とも言われ、個性際立つさまざまなビールが登場していた頃のご依頼でした。すでに「クラフトビール」というだけでは差別化にならない市場環境の中、誕生して間もないビールを広め、注目を集めるブランドにすること。かつ、従来の競馬場×ビール、のイメージとは異なる「カジュアルでおしゃれ」な打ち出しを必要としていました。
2.解決の方向性
当初のご依頼はロゴと瓶のラベルの制作でしたが、お話を伺う中で今後の展開を考えると、さらに必要なアイテムが増えていきました。ポスター、提供用のカップ、リーフレット、販売スタッフのユニフォーム、のぼり、移動販売トラックの外装デザインなどのアイテムをトータルで揃えることで、ブランドとして確立された印象を与えることができます。商品とターゲットが接点を持ついくつかの段階を想定し、それぞれのシーンで統一されたイメージが伝わるように考慮しながら制作を進めました。
行った活動
- ロゴ
- ラベル
- ポスター
- リーフレット
- 販売スタッフのユニフォーム
- のぼり
- 移動販売トラックの外装デザイン
BEFORE
- オリジナルクラフトビールの売り出しにあたって、ロゴと瓶のラベルが必要。
- これまでの「競馬場」「ビール」のイメージとは異なる切り口で新たなファン層を獲得したい。
AFTER
- 販促ツール一式を揃えてより効果的にPR。それにとどまらず、ビールのネーミングの元となった店舗、「STAR LIGHT」の外観やビアタンクにも今回制作したロゴを施し、「スターライトクラフトビール」の世界観を拡大した。
- シンプルでカジュアルなデザインと発見のあるロゴが、購入されたお客様にも好評。雑然としがちな競馬場の飲食コーナーにおいて、逆に「あのお店はなんだろう?」と興味を惹きつけることができた。
ロゴにプロジェクトの意図を込め、展開のキーポイントにする
ロゴ制作にあたって意識したのは、トータルイメージです。ロゴは、単体で存在するわけではなく、それが付与される商品があります。さらにその周りの環境も含めてどのような印象を与えたいか。その意図がロゴに集約されるように、と考えました。
STAR LIGHTの頭文字である「S」と「L」を組み合わせてビールグラスに見立て、 幅広い客層、特に女性の方に好まれるよう、柔らかな印象に。カジュアルでライト、気軽に飲める雰囲気に仕上げました。
担当したアートディレクターのロゴ制作のこだわりは、ただ単に「おしゃれ」「かっこいい」だけに留まらないよう工夫しながらも、「シンプルで明快、伝わりやすいロゴ」であること。お客様が自社のロゴを説明する際に、容易にできるようなロゴマークを制作することです。複雑に意味を込めたとしても、人に伝わらなければ意味を持たなくなってしまいます。
そして、その中に驚きや発見を隠すこと。今回で言えば、ビールの絵の中にSとLの文字が隠されています。 ビールだから単純にビールの絵、だけでは何か味気ない。プラス何かを付け加えることで遊び心やオリジナリティのあるマークにしよう、といつも考えているとのこと。

シンプルなラベルデザインで、ビールの特徴をストレートに表現
スタウト、ケルシュ、ゴールデンエールの3種類の特徴を、色違いのロゴマークでシンプルに表現したラベル。白地をたっぷりとるデザインで、スターライトクラフトビールが持つカジュアルな雰囲気を引き立たせました。

カジュアルな印象の中に「競馬」を想起させる要素を盛り込む
ポスターやフライヤーなどの広告は、目に触れた瞬間の0.5秒が勝負と言われています。スターライトクラフトビールの魅力を端的に、かつ最大限に伝えられるよう、「カジュアル」をキーワードに制作しました。ターゲットの目に留まるよう、キャッチワードに競馬を絡めたり、競馬を想起させるアイテム(蹄鉄)を配置したりしています。


ツールを揃えて場の印象を統一し、ブランドの説得力を高める
移動販売のトラックにありがちな賑やかさは抑え、モノトーンで統一。シンプルでも目立つようにデザインしました。
スタッフ全員が着用するユニフォームやのぼりなどのツールも同じテイストで揃えることで、場の一体感が生まれ、ブランドの価値や説得力が高まります。

得られた成果
ロゴマークの反響を伺ったところ、購入してくださるお客様にもとても好評とのこと。雑然としがちな競馬場の飲食コーナーの中に、こういったシンプルでカジュアルなロゴや看板がスッと入ってくるだけで、「あのお店はなんだろう?」と興味を持ってもらえるそうです。
また、ビールのネーミングの元となった店舗「STAR LIGHT」の外観や店内のビアタンクにも今回のロゴが施され、スターライトクラフトビールの世界観がさらに広がっています。
株式会社東京プロパティサービス
〒140-0012 東京都品川区勝島2丁目1-2
http://www.tokyops.co.jp/
※記事内容は取材当時のものです