『アレンジ』の特徴&活かし方【ストレングスファインダー®資質解説】|ALL BRANDING WORKS
ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)は、アメリカの世論調査会社Gallup社(ギャラップ社)が開発した「才能発見ツール」。Webテストで177個の質問に答えることで、自分の強みや才能を表わす「資質」を知ることができます。
この記事では、Gallup認定コーチが資質の特徴や活かし方を解説! 5,000人/100社以上のストレングスファインダー研修から得た経験と知識をお伝えします。
個人とチームのどちらにも活かせる内容ですので、ぜひ参考にしてみてください!
今回は34資質の中から、成果や生産性を最大化するために、リソースの組み合わせを考える。段取り上手な『アレンジ』について解説します。
最高の結果を目指して変化を取り入れる!『アレンジ』の特徴
『アレンジ』とはこんな人! 成果や生産性を最大化するために、リソースの組み合わせを考える。段取り上手な、“ジャグラー”の能力。
アレンジ:Arranger <実行力> TOP5出現率ランク:[日本]26位 [世界]16位
条件に合わせて効率的な方法を考えます。 今ある資源をどう有効活用するか、組み合わせを考えて最高の成果を目指します。
- 最も効率的に結果を出す方法を考え、実行する
- 柔軟性があり、状況に合わせてやり方を変える
- 段取りや調整が得意
- ながら作業が得意で、マルチタスクに向いている
- 資源を有効活用しようと考える
- 資源がなければ見つけようとする
- 役割に適した人材をアサインすることが得意
- やり方を変えすぎて周りを振り回しがち
- 無駄な方法や非効率な“前例”に従うことがストレス
『アレンジ』の人は、高い生産性を保ち最善の結果を得るために、条件をクリアする方法や資源の最適な組み合わせ方を考えます。
嫌いなことは“現状維持”。最善の結果になるよう、積極的に“変化”を取り入れていこうとします。柔軟に状況判断や情報整理をして、物事を組み立てることが得意です。
よく例えられるのが、“ジャグラー”や“オーケストラの指揮者”。
形の違う複数の小道具を巧みに操るジャグラーや、異なる音色や奏者の特徴を把握してハーモニーをつくり出す指揮者のように、状況や資源の特徴を的確に判断して最適な方向へ導いていきます。
状況をより良くするために、改善に必要なものを考え、見つけようとします。物事の段取りや、進捗を見据えたプランニングも得意分野です。
「時間を短縮できるように、Aさんにコレを頼んでいるうちに、私はコレを終わらせよう。」 「この予算が足りなくなりそうだから、広報費を削って補填しよう」 など、パズルのように考えます。
むしろ「変化をさせる余地のないもの」や「簡単ですぐに解けてしまう問題」には興味がありません。
「工期が無い…さてどうする!?」「状況が複雑に絡み合っている!」という、“高めのハードル”にやりがいを感じます。
条件や問題を与えられたり、使える資源があればあるほど「ここが力の見せどころ!」と燃えるのです。
把握できる状況、管理できるリソースが増えるほど、その能力は発揮しやすくなります。
状況を把握できるように協力してくれる人がいたり、業務経験や知識・人脈が広がったりすることで、能力発揮の機会を見つけやすくなり、組み合わせ方の精度が磨かれます。
臨機応変で調整力もあるので、状況変化に応じたプラン変更は朝飯前です。「もっといいやり方が見つかった!」となると、それを試したくてウズウズしてしまいます。
しかし、ここで「関係者の理解を得る」ことを忘れないように注意しましょう。
例えば『慎重さ』『規律性』『原点思考』などは、変化対応が苦手な資質です。
『慎重さ』は変更することのリスクが気になり、『規律性』はルール変更に後ろ向き、『原点思考』は理由や背景を聞けないと動き出しが遅くなってしまいます。
これらのタイプは「こうやって変えるからヨロシク!」の一言では、とっさに変えられません。やり方や大事にしたいことが違うのです。ノリだけで相手を動かすのではなく、相手の資質に合わせて、変更の意図や進め方、メリットをしっかりと説明することも大切です。
『アレンジ』の長所&短所
ストレングスファインダーの資質1つ1つに2面性があります。才能が開発されて、長所や自他に良い影響を与える「バルコニー」の状態。もう1つが、未開発で短所として使われている「ベースメント」の状態です。
ここでは『アレンジ』のバルコニー/ベースメントの“あるあるネタ”をご紹介します。
●変化の多い仕事や環境で、最適なやり方を考える 最高の結果を目指して資源の活用方法を考える力があります。自ら考える余地や機会があること、アプローチをいろいろと試せる環境が向いています。単調で考える必要のないルーティン作業ばかりの仕事には、興味がわかないことも多いはず。
●改良策を磨き、活用できるポジションを目指す 物事の状況や特徴を理解することが得意で、「こうすると良くなる」という方法を自然に思いつきます。プロジェクトを動かすポジションにない人も、「自分だったらこうするな」というアイデアを溜めたり、提案機会をもらえるか相談するなどして、行動してみましょう。
●プロジェクト管理や人材配置に活かす 複数の人や条件が絡み合うプロジェクトに関わったり、その中で役割に応じた人材配置を考えるポジションに向いています。結果を見据えた進捗管理力や同時進行で物事を進める力、プロジェクト成功に必要な役割や能力を割り出す力が活かされます。
●変更しすぎて、周りを振り回す 頻繁にやり方を変えて周りを振り回したり、関係者の理解が得られない中で強引に進めてしまうことがあります。相手に必要な情報を与えることや、理解を求めることも重要なタスクです。また、手の出し過ぎによる、キャパを超えたマルチタスクに気をつけましょう。
●変えることが目的になって、本末転倒! 現状維持や前例踏襲が好きではない『アレンジ』の人は、変化を起こしたがる傾向にあります。もちろん良い結果につながればいいのですが、大義もなく「違うことをしたくなった」「同じ方法が嫌だから」など、変えること自体が目的にならないように注意しましょう。
●批判的な姿勢、自分のやり方が適していると決めつけてしまう 「自分だったらこのやり方はしない」「こんな進め方しても無駄だ」と、他者のプランや進行にストレスを感じることもあるでしょう。批判や粗探しではなく、気づきをどう活かすと他者やプロジェクトへの貢献につながるか、視点を切り替えて行動してみましょう。
『アレンジ』の活かし方&モチベーション
資質を強みとして使い、生産的・安定的にパフォーマンスを発揮するようになるには、資質の深い理解と経験と知識を重ねながら、シチュエーションや条件、ベースメントの抑え方をマスターするなど、再現性を高めていくことが大切です。
『アレンジ』のモチベーションスイッチが入りやすいポイントを理解すると、スムーズに本来の力を発揮できるようになります。
ここでは一例をご紹介します。 ご自身で挑戦してみるもよし、『アレンジ』が高い人に対して試してみるもよし。ぜひ活用して、自分なりのスイッチの押しポイントをつかみましょう。
□ 効率的に生産性を高める方法を見つける □ 変化を起こしたい環境や仕事に関わる □ 複雑な課題や情報整理を必要とする仕事やプロジェクトに参加 □ 人材・予算・物・情報などの資源の有効活用を考える □ アイデアや新しい取り組みに挑戦できる役割や指揮権をもらう □ 状況把握や進行をサポートしてくれる協力者がいる □ プロジェクト管理・現場統括。複数人を管理する役割 □ 経験値や人脈を広げ、リソースを増やしやすくする □ 変化を理解し、周囲に意義や理解を求めるサポート役をつける
これらは一例です。
『アレンジ』と併せ持つ上位資質によっても異なります。ぜひ、ご自身なりの得意技の繰り出し方を研究してみましょう。
『アレンジ』は、変化を起こせる余地があり、使える資源が豊富にあることで力を活かしやすくなります。上記のような工夫を、できるだけ取り入れてみましょう。
また、活躍の場面も多岐にわたります。 プロジェクトの管理以外にも、臨機応変さを求められる場で統括をしたり、アルバイト管理などでシフトを組んだり…。いろいろな業界や職種で能力を発揮できます。自分に合う環境や仕事を探してみると良いでしょう。
『アレンジ』のマネジメント活用
『アレンジ』を上位にもつマネージャーが、リーダーシップや部下育成に資質を役立てていく際に、得意なスタイルがあります。
①信頼関係構築 ②思いやりの示し方 ③安定感の生み出し方 ④希望の与え方と注意点 こちらの4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
①信頼関係構築:情報・状況をオープンに伝える 部下は変化・変更で振り回されないようにするため、あなたが考えていることが気になるでしょう。また、あなた自身も今後の進め方を決める上で正確な情報を求めているでしょう。お互いに、考えや情報をオープンにできる関係性を築きましょう。
②思いやりの示し方:部下が成長するポジションを考える 役割に適した人材配置や、プロジェクト成功に必要な能力を割り出すことが得意です。部下の成長チャンスを与えられるポジションを見つけ、アサインしてみましょう。
③安定感の生み出し方:仕事の要点を明確にする 計画が進む中で、混乱や予期しないトラブルが発生することがあるでしょう。他の人よりも“気がつく”力があります。情報や状況の整理、問題発見など要点を整理して解決策を見つけましょう。
④希望の与え方:何に注力すべきかを明確にし、励ます 効率化を考えることが得意です。「やるべきこと」と「やらなくていいこと」を割り出す力があります。エネルギーをどこに注ぐべきかを、状況に応じて部下にアドバイスすることができます。
①変化を起こしすぎてチームを振り回す 状況が変わる度に、やり方を変えたくなります。それは最善の結果を得るために必要なことですが、「朝令暮改」になりすぎてメンバーを振り回すことのないように注意しましょう。チームの混乱やフラストレーションが溜まり逆に関係性が壊れてしまったり、生産性が低くなってしまうことも考えられます。
②一人で抱えすぎない。人に任せることも大切 アレもコレも、こなそうと思えばこなせる『アレンジ』資質の人は、タスクを抱え込みすぎることがあります。また、生産的に結果を出す方法を考えつくことができるため、つい何でも自分で管理したがります。メンバーの成長のためにタスクを割り振ったり、責任ある立場を任せるなどして、機会を与えることも大切です。
『アレンジ』のマネージャーは、その資質をうまく活用すると、優れたチームを編成し、高い生産性を保ち結果を出し続けることができます。
『アレンジ』資質のまとめ
『アレンジ』とは... 生産性を最大化するために、リソースの組み合わせを考える。段取り上手な、“ジャグラー”の能力です。
こんな風に能力を発揮! ● 変化の多い仕事や環境で、最適なやり方を考える ● プロジェクト管理や人材配置に活かす ● 生産性の高いチームを編成して動かす などのように能力を発揮していけます。
資質を活かすためには、変化を起こせる余地があり、使える資源が豊富にある環境を整えることがオススメです。
ベースメントにはこう対処する! ●変更しすぎて、周りを振り回さない ●手の出しすぎ、変えることが目的にならないよう注意 ●批判的な姿勢、自分のやり方が適していると決めつけない
『アレンジ』の資質を活かしやすい場面や仕事は、次のようなものがあります。
✓ ルーティンより変化のある場に身を置く
✓ プロジェクトや複雑な情報整理、複数課題のある仕事に参加する
✓ 考えたやり方やアイデアを実行に移せる環境やポジション
✓ 豊富な資源、使えるものや協力者を増やす
✓ 新しいサービスや企画、プロジェクトに関わる
✓ 人材やマネジメント、チームをまとめるポジション
✓「できない」「やらない」「前例にならえばいい」と後ろ向きな人がいない
✓関わる人の能力や得意・不得意をよく理解する
✓変化・変更を一緒に前進させてくれる協力者を得る
同じ資質を持っていても、他に持つ資質の組み合わせによって、一人ひとりの異なる使い方や、個性を生み出しています。
それぞれ資質について理解を深めながら、ご自身やチームのために強みを発揮できる機会を増やしていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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