『自己確信』の特徴&活かし方【ストレングスファインダー®資質解説】|ALL BRANDING WORKS
ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)は、アメリカの世論調査会社Gallup社(ギャラップ社)が開発した「才能発見ツール」。Webテストで177個の質問に答えることで、自分の強みや才能を表わす「資質」を知ることができます。
この記事では、Gallup認定コーチが資質の特徴や活かし方を解説! 5,000人/100社以上のストレングスファインダー研修から得た経験と知識をお伝えします。
個人とチームのどちらにも活かせる内容ですので、ぜひ参考にしてみてください!
今回は34資質の中から、自分の判断力に自信をもっている『自己確信』について解説します。
判断力に自信がある『自己確信』の特徴
『自己確信』とは自分の判断力に自信をもっている人。 第六感的な感覚で、自分が進むべき道が分かります。
自己確信:Self-assurance <影響力> TOP5出現率ランク:[日本]33位 [世界]33位
決断力があり、自身の能力や判断を強く信じています。 優れた直観力によって、まるで体内に「羅針盤」があるかのように、自分の進むべき道が分かります。
- 判断力・決断力に自信を持っている
- 意志やこだわりが強い
- 自分の能力や強みを深く理解している
- 進むと決めた道にリスクがあっても乗り越えようとする
- 堂々としていて貫禄がある。少しのことで動揺しない
- 行動力・推進力がある
- 他人に人生を預けることが嫌い
- あれこれ指示を出してくる人をストレスに感じる
『自己確信』は英語で「Self-assurance(セルフ・アシュアランス)」。 assurance(アシュアランス)とは、保証・自信・確信などの意味があります。文字通り、自分を信じる力が強く、自身の能力や判断に自信がある人です。
他者の能力と比較して優れているかどうかではなく、本人による“思い込み力”に近いと言えます。この力によって自信が持てたり、困難なことにも挑める強い実行力や行動を生み出します。進む道にリスクがあっても、逃げずに乗り越えようとします。
また、第六感のような直観力をもち「体内に羅針盤がある」と例えられます。羅針盤によって、感覚的に自分が進むべき方向や、やるべきことが分かります。進むべき方向が感覚で分かったり、「なんだかザワザワする…これは選択しないほうが良さそうだ」などを感じ取ることができます。
方向性が決まったら、前進を止めることができません。“進まずにはいられない”ほどの衝動にかられ、体が勝手に動き始めます。
判断力・決断力に優れています。実は、判断の根拠が本人にもハッキリと分からないことがあるそうです。感覚的に分かってしまうので、言葉にしづらいのです。
「自己確信」が働く瞬間は、読めないとも言われます。単体で発動するというより、併せ持つ別の資質と組み合わさって発動する傾向があります。
ある日突然「この道に進もう」、悩んでいたことに答えが出た!などの経験はありませんか? 振り返ってみると、人生を左右する決断やターニングポイントに『自己確信』が大きく関わっていることでしょう。
『自己確信』の人は、自分で考え、自ら選択していくことを好みます。むしろ、他人に進路を決められることや、納得の行かないやり方に従うことを嫌います。独立心が強いため、人に人生を預けること、自主性を発揮できない状態にはストレスを感じます。主導権は常に自分で持っていたいのです。
自分の意見を貫く強さがあります。人への影響力も強く、リーダーの素質があると言ってもいいでしょう。堂々とした雰囲気をもつ人が多く、多少のことでは動じません。
頑固で人の意見を聞いていないように思えますが、それは誤解です。むしろ、乗り越えるべき課題を把握した上で実行しようとするので、リスクに関わることや自分に足りない視点を補ってくれる人の意見は、貴重だと捉えています。
ただ、話を聞くからと言って、自分の考えを変えるかどうかは別です。本人の中で考えを変えるメリットが多ければ、やり方や意見を変えます。
弊社には『自己確信』をTOP5に持つ人が2名いるのですが、影響力の与え方はそれぞれ違います。
1名は弊社の代表で、『自己確信』以外に『自我』『ポジティブ』『戦略性』『活発性』を持っています。リスクを見つつも何をやるべきか割り出し、すぐに実行に移します。【影響力】の資質が多いこともあり、発言に強さがあります。クライアントへの提案やセミナーなどの大人数の場でも堂々としており、発信力があります。また、説得力や信頼を生み出しています。
もう1名は、リーダー職についているデザイナーです。『自己確信』の他に『原点思考』『最上志向』『成長促進』『調和性』を持っています。物腰が柔らかく、ガツガツと進めるというよりは丁寧に着実にことを運ぶタイプです。一方で、デザインや品質へのこだわりはストイック。穏やかな性格で周りの話をよく聞いてくれるのですが、頑固な面もあり岩のように動かなくなることも。納得がいかない部分は徹底的に確認しようとします。
スタイルは違いますが、2人ともしっかりと自分の意見をもち、押し出す力があります。『自己確信』と併せもつ資質によっても、重要視することや、直観の働き方が異なるのです。
『自己確信』の長所と短所
ストレングスファインダーの資質1つ1つに2面性があります。才能が開発されて、長所や自他に良い影響を与える「バルコニー」の状態。もう1つが、未開発で短所として使われている「ベースメント」の状態です。
ここでは『自己確信』のバルコニー/ベースメントの“あるあるネタ”をご紹介します。
●自分の力を信じて行動できる 独立心があり、自分の能力や才能を信じる力があります。「これをやりたい」「この分野が楽しめる」など、自主的に意欲が湧くフィールドを見つけましょう。また、直感力も優れています。感じ取ったことを信じて、まずは行動に移してみるのがおすすめです。
●想いに共感してくれる人を巻き込める リスクがあっても、果敢にチャレンジしていく人です。1人では難しいことも、パートナーを見つけることで実現性が高まり、スピードもアップするでしょう。形になる前の不安定な中でも、あなたがやりたいことを理解して協力してくれる人や、周りへの理解を促してくれるパートナーを見つけましょう。
●強い意志と影響力で周りを動かす 決断力・統率力があり、不確実性の高い状況でイニシアチブを取ることができます。不安定な中でも、強い意志を持ち続けられる人です。また、リーダーになれる素質をもっています。『自己確信』の人が放つ言葉には力があり、強い印象を与えます。その影響力をポジティブに使いましょう。人を励ましたり、勇気を与えたり、ときに注意を促すなど、チームづくりに役立てると良いでしょう。
●自分の考えを手放しにくい 「人の意見に左右されたくない」「最終的には自分で決定したい」と考えます。もちろん、自分の人生を自分で舵取りすることは大事です。しかし、アドバイスをもらったり、自分の考えを周りに説明して安心させることも大切です。自分の考えに固執しすぎないように注意しましょう。
●助けを求めていないように見えてしまう 「自分のことは自分が一番理解している」と自負しています。また、他者の意見を簡単に取り入れることはせず、納得感がないと受け入れません。その様子から、周りからは人の意見を求めてない人だと思われるかもしれません。意見を求めるときは、自ら発信しましょう。
●周囲に高い熱量を求めすぎることがある パワフルでハードワーカーな傾向があります。特に、自分が進むと決めた道や分野には、惜しみなくエネルギーや時間を注ぎます。周りの人に同じ仕事量や熱量を求めすぎてはいけません。それぞれのペースや考えを尊重し、対話をしながら調整しましょう。
『自己確信』の活かし方&モチベーション
資質を強みとして使い、生産的・安定的にパフォーマンスを発揮するようになるには、資質の深い理解と経験と知識を重ねながら、シチュエーションや条件、ベースメントの抑え方をマスターするなど、再現性を高めていくことが大切です。
『自己確信』のモチベーションスイッチが入りやすいポイントを理解すると、スムーズに本来の力を発揮できるようになります。
ここでは一例をご紹介します。 ご自身で挑戦してみるもよし、『自己確信』が高い人に対して試してみるもよし。ぜひ活用して、自分なりのスイッチの押しポイントをつかみましょう。
□ 自主的に動ける状態をつくる □ 自立心・独立心を尊重してくれる環境を選ぶ □ 情報や判断材料を整理し、決断しやすい状況を整える □ 乗り越えたいリスクや挑戦を必要とする仕事を担当する □ 考えを周囲に伝達・翻訳してくれる協力者を得る □ 不確実性の高い状況で、決断をするとき □ さまざまな経験を積んで判断力に磨きをかける □ リーダーのポジションにつく
これらは一例です。
『自己確信』と併せ持つ上位資質によっても異なります。ぜひ、ご自身なりの得意技の繰り出し方を研究してみましょう。
『自己確信』は、他人に左右されず、自分の意志を貫ける環境で力を発揮しやすいです。自分の考えや行動を支援してくれるパートナーがいることで、さらに行動しやすくなります。上記のような工夫を、できるだけ取り入れてみましょう。
『自己確信』のマネジメント活用
『自己確信』を上位にもつマネージャーが、リーダーシップや部下育成に資質を役立てていく際に、得意なスタイルがあります。
①信頼関係構築 ②思いやりの示し方 ③安定感の生み出し方 ④希望の与え方と注意点 こちらの4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
①信頼関係構築:考えや感情を共有する 過去の成功や失敗を用いながら、決断を下した理由を伝えましょう。また、あえて不安や恐れを話すことで、周囲はあなたの考えを理解しやすくなると同時に、正直に話してくれていると感じ、信頼を集めやすくなります。
②思いやりの示し方:人を励ます メンバーが自信を持てるよう、声を掛けていきましょう。堂々とした確信に満ちたあなたからの言葉には、他の人よりも説得力があります。励ましや安心感を与えていきましょう。
③安定感の生み出し方:経験談を話す あなたの自信を裏打ちする根拠や理由、経験談を添えて話しましょう。あなたの言葉の信憑性が高まります。一時的な慰めの言葉ではないと分かり、メンバーも安心します。
④希望の与え方:大きなビジョンを語る ビジョンを語ることで、チームのモチベーションを掻き立てられます。メンバーが目標達成に前向きになりワクワクするよう、情熱をもって伝えていきましょう。
①近寄りがたい雰囲気にならないようにする 表情があまり変わらず、堂々とした雰囲気をもつ人が多い傾向があります。また、安易に他人の意見を取り入れない頑固さもあるため、「話しかけにくい」「話しても意見を聞いてくれないだろう」と思われることがあります。声を掛けられやすい雰囲気づくりを心掛けましょう。
②メンバーにも意見を求める 単独行動や意思決定に人を巻き込まない傾向があります。途中の相談なしに決定事項を告げられると、メンバーは参画意識が持てなかったり、上司から必要とされていないと感じてしまうかもしれません。意見を求めたり、進捗を共有するなど、配慮があると安心感を与えることができます。
『自己確信』のマネージャーは、不安定な状況やリスクがある中でも、軸をぶらさずに、事業やチームを前進させることができます。
『自己確信』資質のまとめ
『自己確信』とは... 自分の判断力に自信をもっている人。第六感的な感覚で、自分が進むべき道が分かる資質です。
こんな風に能力を発揮! ● 自分の力を信じて行動できる ● 想いに共感してくれる人を巻き込める ● 強い意志と影響力で周りを動かす
他人に左右されず、自分の意志を貫ける環境で力を発揮しやすい人です。自分の考えや行動を支援してくれるパートナーがいることで、さらに行動しやすくなります。
ベースメントにはこう対処する! ● 自分が正しいと思い込みすぎない ● アドバイスを求めていることを周囲に伝える ● ハードワークを押し付けない
「自己確信」の資質を活かしやすい場面や仕事は、次のようなものがあります。
✓ 自立心・独立心を尊重してくれる環境に身を置く
✓ さまざまな経験を積んで判断力に磨きをかける環境を選ぶ
✓ 自分のエネルギーや情熱が湧く職場や仕事につく
✓ 乗り越えたいリスクや挑戦を必要とする仕事をする
✓ 考えを周囲に伝達・翻訳してくれる協力者を得る
✓ リーダーのポジションを務める
参考にし、ご自身やチームのために強みを発揮できる機会を増やしていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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