『適応性』の特徴&活かし方【ストレングスファインダー®資質解説】|ALL BRANDING WORKS
『適応性』をGallup認定コーチが解説。強みの伸ばし方、注意点に加え、『適応性』をもつ人や上司・部下間のコミュニケーションの“コツ”をお伝えします。
『適応性』は「今」を大切に何をするべきか考える。変化に強く、臨機応変に対応できる人。その詳細を、5,000人以上、100社以上のストレングスファインダー研修から得た経験と知識、個人・チームどちらにも活かせる内容を交えてお届けします。
1.『適応性』はこんな人!
『適応性』の特徴
バルコニー(長所)・ベースメント(短所)
2.『適応性』の活かし方・モチベーションのありか
3.『適応性』的リーダシップのとり方(マネジメント活用)
4.『適応性』資質のまとめ
『適応性』はこんな人!
『適応性』とは「今」を大切に何をするべきか考える。変化に強く、臨機応変に対応できる人。
適応性:Adaptability <人間関係構築力> TOP5出現率ランク:[日本]10位 [世界]10位
状況理解と判断力に長けています。柔軟性が高く、変化に強い人です。 今この瞬間の行動を積み上げて、未来をつくっている感覚をもっています。
資質の特徴とは?
- 過去でも未来でもなく、「今」のことを考えている
- 変化に強く、適応能力に優れている
- 変化や刺激がある環境が好き
- ルーティン作業や予測が好きではない
- 柔軟性があり、臨機応変
- いろんなタイプの人を相手にできる
- 状況判断に優れ、ピンチな状況でもやるべきことを見極める
- 未来はその時になってみないと分からないと考えている
- 鐘を打たれないと動かない“受け身体質”の人もいる
『適応性』の人は、過去でも未来でもなく「今ここ」を大事にし、その場の状況や流れに沿って行動します。
変化のある環境が好きで、流れに自分を適応させていきます。
状況理解や判断力に優れ、今この瞬間をどう動けば良いのか、今何をするのが最善なのかを考えることが得意です。
むしろ、変化のない環境に飽きやすく、ルーティンや、考える余地がない作業、見通しが良く何が起きるか予測がついてしまう場が好きではありません。
また、臨機応変に柔軟な対応をします。 忙しければ忙しさに合わせてスピーディーに、案件が立て込めばうまく段取りをして、緊急事態であれば即座に対応します。逆に、納期が決められていないならのんびりと… そんな風に、投げられたボールを瞬時に判断し、的確な行動をとります。
感覚として、予測がつきにくい「ジェットコースター」に乗りたいタイプで、“予定調和”が好きで、何が起こるか常に把握しておきたい「規律性」とは反対の資質に当たります。
『適応性』は、よく“サーファー”に例えられます。
常に形が変わり、二度と同じものがない波を乗りこなし、その瞬間を楽しみます。波だけではなく、天候やボードの状態によってもコンディションが変わる中でも、うまく乗りこなします。
また波が穏やかなときは、プカプカと浮くだけ。自ら波を起こそうとするのではなく、状況を受け入れ、その日・その場を楽しむことに集中するのです。
“変化”というと、『アレンジ』と似ていると思う方もいるかもしれませんが、違います。『アレンジ』は自ら環境を変えようとしますが、『適応性』は環境に対して自分を変えることで順応する、という違いがあります。
「今この瞬間の行動や選択の積み上げが、未来をつくっている」という感覚をもっています。
過ぎ去った過去を考えても仕方ない。未来を予測しても意味がないと考えています。 なぜなら、“その時になったらどうせ変わってしまう”からです。
そのため、長期計画や目標を立てることがあまり得意ではありません。計画性がないわけではなく、意義を感じにくいのです。
しかし、今を大切にするため、あらゆる変化にうまく順応していこうとします。 予定通りに行かないことを、むしろ楽しめる人でもあります。
周りの人がピンチだと慌てるところでも、『適応性』の人は冷静に、“何とかなる(何とするしかない)”精神で切り抜けます。また、計画通りに行かない心構えをもっているため、柔軟にやり方を変えられます。
むしろ、柔軟性がなく1つのやり方に固執している人や、緊急事態に必要以上に騒いでいる人を見ると、引いてしまうことがあるかもしれません。
『適応性』のバルコニー・ベースメント
ストレングスファインダーの資質1つ1つに2面性があります。才能が開発されて、長所や自他に良い影響を与える「バルコニー」の状態。もう1つが、未開発で短所として使われている「ベースメント」の状態です。
ここでは『適応性』のバルコニー/ベースメントの“あるあるネタ”をご紹介します。
●臨機応変さが活かされるポジションにつく その場に応じて判断や対応を求められるポジションで、臨機応変さが活かされます。例えば、接客業や営業・販売職など、相手にする人や扱う商品が変わるなど、毎回シチュエーションが変わる仕事や環境が向いています。
●チームの不足を補う役割 状況判断に優れています。初めての仕事で経験がなくても「こうすればできるのではないか」と考え、形にすることができます。この“なんとかできる”力はとても貴重です。チームの不足部分を補い、全体をうまく稼働させることができるでしょう。
●トラブルを冷静に対処する 少々のことでは動じません。それは「大概のことはどうにかなる(するしかない)」という考えをもっているから。トラブルで慌てているメンバーを落ち着かせたり、やるべきことを見極めたり、冷静さと行動力を活かしましょう。
●指示待ち人間になってしまう 『適応性』の人は環境に合わせて自分を変化させるのが得意ですが、自分から環境自体を変えて変化を起こす人は多くはありません。そのため、指示や仕事の依頼がないと何もせず過ごしてしまうことも。周りからは「手が空いているなら教えてほしかった!」なんて言われることもあるでしょう。今チームに何が必要か考え、自ら動くことも必要です。また、自動で仕事が依頼され続けるような仕組みをつくるのも、おすすめです。
●長期的な視点、目標設定が苦手 短期的視野で考えているため、長期目標を立てることが苦手です。計画性がないわけではなく、先々のことを計画することに、あまり意義を感じられないためです。ですが、仕事においては必要とされる場面もあります。『未来志向』『目標志向』『戦略性』のある人は長期目標の設定が得意ですので、協力してもらうと良いでしょう。
『適応性』の活かし方・モチベーションのありか
資質を強みとして使い、生産的・安定的にパフォーマンスを発揮するようになるには、資質の深い理解と経験・知識を重ねながら、シチュエーションや条件、ベースメントの抑え方をマスターするなど、再現性を高めていくことが大切です。
『適応性』のモチベーションスイッチが入りやすいポイントを理解すると、スムーズに本来の力を発揮できるようになります。
ここでは一例をご紹介します。 ご自身で挑戦してみるもよし、『適応性』が高い人に対して試してみるもよし。ぜひ活用して、自分なりのスイッチの押しポイントをつかみましょう。
□ やり方やスケジュールを固めすぎない(ゆとり・自由度がある状態) □ 毎日、適度な変化がある環境。ルーティンワークを避ける □ やり方を自分で創意工夫できる環境 □ 作業や仕事をゲーム感覚で楽しむ □ 即時対応が必要で、瞬発力・状況判断力が活かせる仕事 □ 仕事やタスクが自動的に依頼されるポジションや仕組みづくり □ 接客や販売・営業など人を相手にする仕事 □ チームにノウハウがない仕事やトラブル対応を担当する □ 納期や締切を設定して、自分にプレッシャーをかける
これらは一例です。
『適応性』と併せ持つ上位資質によっても異なります。ぜひ、ご自身なりの得意技の繰り出し方を研究してみましょう。
『適応性』は、変化のある環境で、自分が創意工夫して対応できる状況で力を発揮します。上記のような工夫を、できるだけ取り入れてみましょう。
『適応性』は、「なぜ【人間関係構築力】のカテゴリーに入っているんですか?」と質問をいただくことがあります。
その理由は、対応力の高さから、さまざまなタイプの人に卒なく接することができるからです。
環境にも対人にも適応力が高いということは、変化が激しい今の時代にピッタリの資質ではないでしょうか。仕事・生活・いつでもどこでも、活躍できる資質だと思います。
3、『適応性』的リーダーシップのとり方(マネジメント活用)
『適応性』を上位にもつマネージャーが、リーダーシップや部下育成に資質を役立てていく際に、得意なスタイルがあります。①信頼関係構築 ②思いやりの示し方 ③安定感の生み出し方 ④希望の与え方と注意点 こちらの4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
①信頼関係構築:状況を好転させるやり方を示す 今起きていることに対して、何をするべきかを考える力に長けています。また、冷静さもあるため、悪い状況の中でも的確に指示やアドバイスを出すことができます。
②思いやりの示し方:流れに身を任せることも必要と教える 状況をコントロールしようと躍起になっている部下や、視野が狭くなっているメンバーに対して、流れに身を任せることや、心の余裕を保つ大切さを伝えることができます。
③安定感の生み出し方:臨機応変に対応する 計画通りに進まないと焦ったり、やる気を失ってしまう人がいます。しかし、100%思い通りには進みません。あなたのような「臨機応変に考え行動する視点」を与えてあげましょう。
④希望の与え方:良きアドバイザーになる 変化を受け入れる心構えをメンバーに共有しましょう。例えば、自分の体験談や過去に乗り越えたエピソードを交えて、変化に対応するメリットや考え方を伝えてみましょう。
①変化についていけない人を見捨てない あなたは変化に対応するのが得意ですが、メンバーがそうとは限りません。チームが変化に適応できるよう、メンバーの個性やタイプを見極めてサポートしましょう。また、変化がストレスに感じるメンバーもいます。メンバーの感情に寄り添うことも必要です。
②納期やスケジュールを明確にする 場当たり的な進行で、明確な期日や目標を設定しないまま業務を進めてしまう人がいます。意識して納期やスケジュールを決めて、時間を有効に使えるようにしましょう。
『適応性』のマネージャーは、いつどんな場面でも物事を前進させることができます。危機的な状況でも、チーム全体に平常心をもたらし、然るべき対応ができます。
4、『適応性』資質のまとめ
『適応性』とは... 『適応性』は「今」を大切に何をするべきか考える。変化に強く、臨機応変に対応できる人です。
こんな風に能力を発揮! ● 臨機応変さが活かされるポジションにつく ● チームの不足を補う役割 ● 冷静にトラブルを対処する
資質を活かすためには、変化のある環境で、自分が創意工夫して対応できる状況をつくりましょう。
ベースメントにはこう対処する! ●指示待ち人間にならないように注意 ●長期目標の設定が苦手なので得意な人にサポートしてもらう
『適応性』の資質を活かしやすい場面や仕事は、次のようなものがあります。
✓ 毎日適度な変化がある環境。ルーティンワークを避ける
✓ 簡単に予測できないことに取り組む
✓ 作業や仕事をゲーム感覚で楽しむ
✓ 即時対応が必要で、瞬発力・状況判断力・対応力が活かせる仕事
✓ やっていて楽しい・経験しておもしろいと思える業界や職場を選ぶ
✓ 接客や販売・営業など人を相手にする仕事
✓ 相談役となり、メンバーの視野を広げたり変化をサポートする
✓ チームにノウハウがない仕事やトラブル対応を担当する
参考にし、ご自身やチームのために強みを発揮できる機会を増やしていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
同じ資質を持っていても、他に持つ資質の組み合わせによって、一人ひとりの異なる使い方や、個性を生み出しています。他の資質についても、深く学んでいきましょう。
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