組織を強くするOKR運用【Part3. 強みを活かして成果アップへ】
これまでの記事では、OKR(目標と主要な成果)を通じて経営理念の浸透と社員の自発性向上を実現する方法をお伝えしてきました。
Part1でご紹介したのは、組織全体での目標共有により理念が「自分ごと」として浸透する仕組みについて。Part2では、1on1ミーティングで従業員エンゲージメントを高める手法をご紹介しました。
そして今回は、OKR導入で多くの方が課題に感じる「1on1ミーティング」をより効果的に進める方法をお伝えします。「ストレングスファインダー®」を活用してお互いの強みを理解し合うことで、コミュニケーションの質を高め、成果向上につなげる具体的な手法を見ていきましょう。
OKRにおいて大切にしたいこと
OKRは、それ自体をうまく回すことが最大の目的ではありません。うまくいかなかった場合でも3ヶ月で仕切り直せると考え、最初の数回はトライアンドエラーの機会として取り組みましょう。
大切なのは、ブラッシュアップしながら自社に合った運用方法を見つけること。そのために毎週継続したいのが1on1ですが、慣れるまではメリットよりも難しさを感じることの方が多いようです。
特に上司側にはコーチングスキルが求められますが、そのスキルを学ぶ機会が少なく、自分が部下だった頃にそのようなサポートを受けたこともないという方がほとんどです。
また、どうにも気の合わない部下がいる場合もあるでしょう。回数を重ねて接触頻度が増える中で、少しずつお互いの理解が進むことは期待できますが、上司のコミュニケーションスキルや、上司と部下の組み合わせによって差が出てしまいます。
ただでさえ多忙で人手不足の現場では、1on1に取り組むなら、その効果をできるだけ早く実感できた方が継続するモチベーションになるのではないでしょうか。
1on1を効果的に進めるために
そこでおすすめしたいのが、「ストレングスファインダー®」の活用です。
ストレングスファインダー(※)とは、アメリカの世論調査会社Gallup社(ギャラップ社)が開発した才能発見ツール。 ※現在は「クリフトンストレングス®」という名称に変更されています。
オンラインテストで177問の質問に回答すると、いつも無意識のうちにとっている行動や考え方・感じ方の傾向が測定され、34個の「資質」に分類されます。34の資質はGallup社が約40年間・200万人以上に調査を行い、人が持つさまざまな能力を洗い出して分類したものです。
ストレングスファインダーの基本的な考え方は、“人は自分の弱みを改善しようとするよりも、強みに目を向けて活かすことで最大の能力を発揮できる”ということ。診断結果は自分の能力開発に役立つほか、職場などのチーム間で活用する場合は、お互いの違いや個性が明確に言語化されることで相互理解が進みます。
相手の資質を知るまでは、「どうしてこの人はそんなことを言うの?」「なぜそういうやり方をするんだろう?」と疑問や不満に感じていたことが、「この人にはあの資質がある。それならこうしよう!」と、建設的な考え方に切り替えることができるようになります。
ストレングスファインダーの活用については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ、参考にして取り入れてみてください。
▶︎ストレングスファインダー®︎の企業活用! 診断結果の効果的な活かし方とは?
ストレングスファインダー活用の効果
1on1ミーティングにストレングスファインダーを取り入れることで、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。実は、自分や相手の強みを理解して活用することの効果は、数値でも明確に示されています。Gallup社の調査によると、次のような結果が出ています。
自分の強みを理解して活用した場合
✔︎ QOL(人生の満足度)が高い人が(そうでない人よりも) 3倍多い✔︎ 仕事にやりがいを持って臨む人が(そうでない人よりも) 6倍多い
ストレングスコーチングを受けたチームの場合
✔︎ 毎日の一人あたりの生産性が 12.5%UP✔︎ 収益性が 8.9%UP
OKRと1on1に加えてストレングスファインダーを活用することで、理念浸透・自発性向上・成果アップという効果を効率的に得ることができるのです。
【まとめ】OKRで実現する「強い組織」
本シリーズでは、OKRという目標管理手法を軸に、組織を強くする3つのアプローチをご紹介してきました。これらを組み合わせることで、多くの経営者が求める理想の組織——「経営理念が浸透し、社員一人ひとりが自発的に考えて行動し、個人の成長と会社の成果が両立する組織」を築くことができます。
目標管理の枠を超えたOKRの活用により、「選ばれるブランド」として持続的な成長を実現できるのではないでしょうか。
組織づくりに正解はありませんが、OKRという共通の土台があることで、自社に最適な運用方法を見つけやすくなります。まずは小さく始めて、トライアンドエラーを繰り返しながら、自分たちらしい「強い組織」を育ててみてください。
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