これからの採用と人材育成【Part.1】採用も「マーケティング」

売り手市場が続く現在、企業は限られたマンパワーの中で採用活動を進めなければなりません。かつてのように「できるだけ多くの応募者を集め、その中から優秀な人材を選ぶ」という採用スタイルは、年々難しくなっています。
現在は、企業の規模を問わず、多くの企業が「自社に合う人材を採用すること」そして「できるだけ早く活躍してもらうこと」を重視しています。そのため、「多くの人を集める採用」ではなく、「必要な人材に的確に出会う採用」が求められるようになりました。
こうした背景から、近年の採用活動では、マーケティングの考え方を取り入れる企業が増えているのです。
本シリーズでは、採用から入社後の活躍までを見据えた人材育成の考え方を、全3回にわたって解説します。第1回となる今回は、採用活動をマーケティングの視点で考える理由について整理していきます。
採用活動を「マーケティング」として考える
マーケティングでは、まずターゲットを明確にし、その人たちに対して適切なタイミングで情報を届け、理解を深めてもらうプロセスを設計します。
例えば ✔︎ ペルソナ設定 ✔︎ リードジェネレーション(見込み顧客の獲得) ✔︎ リードナーチャリング(見込み顧客の育成) といった考え方です。
採用活動でも同じです。企業が求める人物像を明確にし、その人たちが【 企業を知る → 興味を持つ → 理解を深める → 応募する 】というプロセスを設計していく必要があります。
現在はナビサイトだけでなく、SNS・オウンドメディア・社員の発信など、さまざまな接点を通して企業を知る学生も増えています。
つまり採用活動は、単なる求人ではなく、企業の価値観や魅力を伝える「採用マーケティング」として考えることが重要になっています。
学生は企業の何を見ているのか
では、採用マーケティングにおける「見込み顧客」である学生たちは、どのような視点で企業を選んでいるのでしょうか。近年の調査では、企業選びの決め手として「自分が成長できる環境であるか」を重視する学生が多いことがわかっています。
現在の学生は、将来の不確実性をよく理解しています。終身雇用が当たり前ではない時代において、頼りにできるのは「会社」よりも「自分の力」なのです。
そのため学生たちは、以下のような点を重視する傾向があります。 ✔︎ どんな経験ができるのか ✔︎ どんなスキルが身につくのか ✔︎ どんな成長機会があるのか
特に知りたいのは、20年後の将来よりも、入社後数年間のキャリアです。
どのタイミングでどんな経験をし、どんな力を身につけていくのか。そのイメージを具体的に示してくれる企業ほど、学生にとって魅力的に映ります。
成長への期待が企業選びの決め手になる
採用マーケティングのプロセスを経て内定に至った人材も、入社が決まったわけではありません。近年は複数の内定を持つ学生も珍しくなく、内定辞退は多くの企業にとって大きな課題になっています。そのため多くの企業が、入社までの期間にさまざまな取り組みを行っています。例えば、以下のような取り組みです。 ✔︎ 社内報や内定者向けニュースの送付 ✔︎ SNSやオンラインコミュニティの運営 ✔︎ 懇親会や社員との交流 ✔︎ 入社前研修
しかし、こうした取り組みを形式的に行うだけでは、内定辞退を防ぐことはできません。なぜなら、他の企業でも同じような取り組みを行っているからです。
重要なのは、「この会社で成長できそうだ」という期待を高めることです。この会社に入れば、自分の強みを活かせる・新しい経験ができる・成長できるというイメージを具体的に持てることが、企業選びの大きな決め手になります。
一人ひとりに合わせた関係づくり
そのためには、画一的なコミュニケーションではなく、一人ひとりに合わせた関わり方が重要になります。例えば、その人の強みや得意なこと・価値観・成長の方向性などを理解した上で、「この会社でどのように成長していけるのか」を個別に示していくことが必要です。こうした納得感が生まれることで、学生の期待は高まり、入社への意欲も高まります。
個別にフォローを行うためには、まずその人の能力や特性を理解することが欠かせません。限られた接点の中でそれを把握するためには、担当者の経験や感覚だけでなく、客観的な指標を活用することも有効です。
アドハウスパブリックでは、その方法の一つとしてストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)の活用をおすすめしています。
強みの特性を理解することで、その人がどんな環境で力を発揮するのか・どんな役割で活躍できるのか、といったことが見えてきます。それをもとに、入社後の成長イメージを具体的に示すことができるようになるのです。
採用から活躍までをつなぐ
採用活動は、内定を出すことがゴールではありません。本当に重要なのは、入社後にその人が活躍できることです。そのためには、採用・入社前の関係づくり・入社後の育成を別々に考えるのではなく、一つの流れとして設計することが重要です。
採用をマーケティングとして捉え、一人ひとりの特性を理解し、その人が活躍できる環境をつくっていく。これからの採用には、こうした人と組織の関係づくりの視点が求められています。
次回の記事では、入社前の関係づくりにおいて重要な「就業レディネス」について解説します。 就業レディネスとは、学生が入社前の段階で 「自分がこの会社で働くイメージを持てている状態」のこと。入社後の早期活躍にも大きく関わるこの考え方について、具体的なポイントを紹介します。
第2回:「就業レディネス」を高める
第3回:ストレングスファインダーで強みを活かす
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