AI時代だからこそ考えたい、「人」を起点とした組織づくり

生成AIの導入や、社員向けのAI研修に取り組む企業が増えています。
しかし、AIツールを導入したものの、思うように業務改善が進まなかったり、一部の社員だけが使っていたり。そんな課題を感じている企業もあるのではないでしょうか。
AIの活用が広がる今、企業に求められているのは、単に新しい技術を取り入れることだけではありません。大切なのは、AIを活用しながら、一人ひとりの強みや個性を最大限に引き出し、組織全体の力につなげていくことです。
そして、その力を事業の成長やブランドの価値向上につなげることが、これからの企業づくりではますます重要になります。
この記事では、AI時代に求められる組織づくりの考え方と、社員の強みを活かしながら、組織・事業・ブランドを一体で成長させるためのポイントをご紹介します。
AI時代に重要な「人」起点の組織づくり
AIが変えるのは、業務だけではない
生成AIの進化によって、これまで人が時間をかけて行っていた情報収集や資料作成、データ整理など、さまざまな業務を効率化できるようになりました。さらに、専門的なプログラミング経験がなくても、AIを活用して業務改善のためのツールやアプリを開発することも身近になっています。これにより、仕事の進め方だけでなく、社員に求められる役割も変わりはじめているのです。
例えば、これまで資料作成に多くの時間を使っていた社員が、AIを活用することで、企画やアイデアを考える時間を増やせるかもしれません。
営業担当者であれば、情報整理や事務作業の負担を減らし、お客様との対話や課題解決に、より多くの時間を使えるようになるでしょう。
つまり、AIによって生まれた時間や可能性を、人がどのように活かすか。 そこに、これからの企業成長を考える大きなヒントがあります。
AI時代だからこそ、人の強みが活きてくる
世界経済フォーラムの「未来の仕事レポート2025」でも、AIやビッグデータなどの技術的なスキルに加え、創造的思考や柔軟性、好奇心、継続的な学習などの重要性が指摘されています。AIを使いこなす技術はもちろん必要です。しかし、その技術を何のために使い、どんな価値を生み出すかを考えるのは、人の役割です。
そして、人にはそれぞれ異なる強みがあります。新しいアイデアを考えるのが得意な人。情報を整理し、物事を着実に進めるのが得意な人。相手の気持ちをくみ取り、信頼関係を築くのが得意な人。誰もが同じ能力を身につけ、同じ方法で働く必要はありません。
一人ひとりの違いを理解し、それぞれが力を発揮できる役割や環境をつくること。それが、AI時代の組織づくりにおいて重要な考え方です。
「人に仕事を合わせる」という組織設計
従来の組織づくりでは、まず部署や役職、業務内容が決まり、そこに人を配置するという考え方が一般的でした。もちろん、組織を運営するうえでは、必要な役割や責任を明確にすることが欠かせません。しかし、社員の強みや特性を十分に把握しないまま仕事を割り振ってしまうと、本来持っている力を活かしきれないことがあります。
例えば、じっくり考えてから行動することが得意な人に、常に即断即決を求める仕事ばかりを任せていたらどうでしょうか。反対に、人と話すことでアイデアが広がる人が、一人で黙々と作業する環境に置かれていたら、その人らしい力を発揮しにくいかもしれません。
そこで大切になるのが、「この仕事には誰を当てはめるか」だけでなく、「この人の強みを、どんな仕事で活かせるか」 という視点です。
もちろん、得意なことだけを任せればよいわけではありません。本人が挑戦したいことや、これから伸ばしたい能力にも目を向けることが重要です。
一人ひとりの強みを理解し、役割や仕事の進め方を柔軟に考える。さらに、苦手な業務や負担の大きい作業をAIで補うことができれば、社員が自分の力を発揮できる機会も広がっていきます。
個人の強みを組織の力に変える3ステップ
では、一人ひとりの強みを活かした組織づくりには、どのように取り組めばよいのでしょうか。STEP1|一人ひとりの強みや特性を知る
まずは、社員がどのような強みや特性を持っているのかを知ることから始めます。自分では当たり前だと思っていることが、実は他の人にはない強みである場合もあります。反対に、周囲からは得意そうに見えていても、本人にとっては大きな負担になっていることもあるでしょう。
こうした違いを理解するためには、日頃の対話に加え、特性分析などのツールを活用することも有効です。ただし、診断結果によって人の能力を評価したり、向いている仕事を決めつけたりすることが目的ではありません。
大切なのは、「どんな環境や条件で、この人は力を発揮しやすいのか」を理解すること。本人の考えや希望も確認しながら、強みを活かす方法を一緒に考えていきます。
STEP2|人の強みとAIを組み合わせ、仕事を再設計する
次に、現在の業務を見直し、人が力を発揮する仕事と、AIで効率化できる仕事を整理します。例えば、顧客とのコミュニケーションが得意な営業担当者なら、提案資料の下準備や情報整理をAIで効率化し、お客様との対話に集中できる環境をつくる。情報を整理するのが得意な社員なら、AIを使ったデータ分析や業務改善の仕組みづくりに挑戦してもらう。
このように、AIを全員に同じように使わせるのではなく、一人ひとりの強みを伸ばすために活用することがポイントです。
また、AIを使うこと自体を目的にせず、どの業務を改善すれば、お客様への提供価値や社員の働きやすさが高まるのかを考えることも重要です。
STEP3|個人の成果を、チーム全体の力にする
社員一人ひとりがAIを活用して業務を改善できるようになっても、その取り組みが個人の中だけで完結していては、組織全体の変化につながりにくくなります。例えば、ある社員が便利な業務改善ツールをつくった場合、その使い方や工夫をチームで共有することで、他の社員の業務にも活用できるかもしれません。さらに、お互いの強みを理解していれば、アイデアを出す人、実行する人、改善を進める人など、それぞれの得意分野を活かしながら協力することもできます。
個人の力を引き出すことと、チームの力を高めること。この両方に取り組むことで、特定の社員だけに頼るのではなく、組織として継続的に改善や挑戦を生み出せる状態に近づいていきます。
組織の変化を、事業とブランドの成長につなげる
ここで、もうひとつ大切な視点があります。 それは、組織づくりを、組織の中だけで完結させないことです。社員が働きやすくなり、業務の効率が上がることは重要です。しかし、それだけでは企業としての成長につながるとは限りません。
業務改善によって生まれた時間や社員の強みを、どのように商品・サービスの品質向上や、新しい価値の創出につなげていくのか。そして、その価値をお客様にどう伝え、企業への信頼や共感につなげていくのか。ここまで一体で考えることが重要です。
業務改善が、お客様への提供価値を変える
例えば、私たちが支援するAI研修では、電気設備・制御盤関連の企業の営業担当者が、価格を調べるための検索ツールを作成しました。それまでは5〜10分ほどかかっていた価格調査が、型式を入力することで実績の単価をすぐに確認できるようになり、お客様からの電話にその場で回答できるようになりました。
これは、単に業務時間を短縮しただけではありません。回答までの時間が短くなることは、お客様の利便性を高め、対応への信頼につながる可能性もあります。
さらに、こうした改善を積み重ねていくことで、企業が持つ「対応の早さ」や「提案力」といった強みを、より具体的な価値として育てていくことができます。つまり、社員の工夫や業務改善が、事業の競争力を高め、ブランドの価値を支えることにもつながっていくのです。
ブランドは、社員一人ひとりの行動からつくられる
ブランディングというと、ロゴやWebサイト、広告など、社外に向けたデザインや情報発信をイメージする方も多いかもしれません。もちろん、それらも重要な要素です。しかし、企業のブランドは、見た目やメッセージだけでつくられるものではありません。お客様への対応、商品・サービスの品質、社員の姿勢など、企業とのさまざまな接点を通じて、少しずつ信頼や評価が積み重なっていきます。
例えば、「お客様に寄り添う会社」というブランドを目指すのであれば、その想いが実際のサービスや社員の行動に表れている必要があります。だからこそ、組織づくり、事業づくり、ブランドづくりは、本来ひとつながりのものなのです。
人の強みを活かす組織が、事業の価値を生み出す。その価値がお客様に伝わり、ブランドへの信頼につながる。このつながりを意識することが、これからのブランディングではますます重要になると考えています。
YeLLOWSが取り組む、AI時代の人と組織づくり
私たちアドハウスパブリックでは、長年のブランディングや組織開発の経験をもとに、組織変革事業「YeLLOWS(イエローズ)」を展開しています。YeLLOWSが大切にしているのは、一人ひとりの可能性を引き出し、その力をチームや事業の成長につなげていくことです。
近年は、AIを活用した特性分析や業務改善にも取り組んでいます。
【Ufy】社員の特性を理解し、強みを活かす
AIを活用した特性分析ツール「Ufy(ユーファイ)」では、80問・約15分の回答から、一人ひとりの仕事における特性を言語化します。
考え方の傾向や力を発揮しやすい条件、チームの相性、業務の適性などを把握し、社員の育成や配置、チーム編成を考えるための材料として活用できます。
大切にしているのは、能力の優劣を判断することではなく、一人ひとりがどのような条件で力を発揮しやすいのかを知ることです。
【YeLLOWS DX】自分の仕事を、自分の手で変えていく
「YeLLOWS DX」では、AIの知識を学ぶだけでなく、社員自身が日々の仕事を改善する実践型のAI研修を提供しています。
受講前に一人ひとりの特性を把握し、それぞれの強みに合ったAI活用を考えるところからスタート。実際の業務を題材に、AIを活用したツールや仕組みの開発にも取り組みます。
目指しているのは、AIを使える社員を増やすことだけではありません。社員自身が「自分にもできる」と実感し、仕事をより良くするために、自ら考え、行動できるようになること。その小さな変化をチームへ、そして組織全体へと広げていくことを目指しています。
AI時代こそ、一人ひとりの可能性を組織の力に
AIの進化によって、企業の仕事の進め方や、社員に求められる役割は大きく変わろうとしています。しかし、どれだけ技術が進歩しても、企業が何を大切にし、誰にどのような価値を届けたいのかという問いがなくなるわけではありません。むしろ、新しい技術によってできることが増えた今だからこそ、企業としての目的や、自分たちらしい強みを明確にすることが重要になります。
一人ひとりの個性や強みを理解し、それぞれが力を発揮できる環境をつくる。AIを活用して仕事の可能性を広げ、チームで協力しながら、新しい価値を生み出していく。そして、その価値を事業やブランドの成長につなげていく。
AI時代に必要なのは、人をAIに合わせることではなく、AIを活かして、人の可能性をもっと広げていくことではないでしょうか。
私たちアドハウスパブリックでは、組織開発、事業開発、ブランディングを一体で捉え、企業が持つ強みや価値を引き出すためのご提案をしています。
社員の強みを活かした組織づくりや、AIを活用した業務改善に取り組みたい方は、ぜひお気軽にご相談ください!
関連ページ:YeLLOWS 公式サイト「AI活用・業務改善」


