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雪国新潟の美味しさを全国へ。越後雪室屋ブランドの歩みと、これからのこと

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こんにちは!広報担当のきらです。

この春、新潟駅の駅ビルCoCoLo新潟に、アドハウスパブリックが立ち上げたブランド『越後雪室屋』の新店舗【越後雪室屋 STATION Labo】(運営:新潟交通商事)がオープンします!

そこで今回は、越後雪室屋を運営する『にいがた雪室ブランド事業協同組合』事務局長の山﨑 宝雄さんと、ブランド立ち上げ当初からパッケージのデザインなどを務めるアートディレクターの柳橋 航さんにインタビュー!

新店舗のオープンを機に、改めて『越後雪室屋』のブランドやデザインのこと、そしてどんなお店ができるのかを詳しく聞いてみました。



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ーそもそも『越後雪室屋』ってどんなブランドですか?

山﨑:越後雪室屋は、雪を使った食品保存庫「雪室」で熟成した食品を取り扱っているブランドですね。味と品質にこだわりを持って、「雪国新潟の美味しさを全国に広めたい!」という思いを共有する新潟の食のプロたちが集結して活動しています。

この『越後雪室屋』ブランドの立ち上げ、あとはパッケージのデザインなんかをアドハウスパブリックがやっている、というような感じですね。

ーブランドはどんな経緯でスタートしたんですか?

山﨑:もともとは2007年ごろ、新潟県上越市に雪室を使った⾷品の熟成プロジェクトがあったんですね。当初1年計画のプロジェクトだったんですが、そこで商品化された雪室コーヒーが美味しいということで鈴木コーヒーさんが注目して、アドハウスパブリックに「ブランド化しないか」って話が持ち込まれたんです。

そもそも「雪室」とか「雪中貯蔵」を謳った商品って、県内各地にたくさんあったんですよ。いろんなメーカーさんがそれぞれにやっている感じで。だから、鈴木コーヒーさんからの話のほかにも、雪室を使った商品開発の相談が同時期にいくつかあったみたいなんですよね。

そこで、アドハウスパブリックの関本社長が「これは間違いなく⼀緒にやったほうがいい。雪室で熟成させた商品を総合した新潟県随⼀のブランドが作れる!」と言って、ブランド化がスタートしたんです。

柳橋:それまでは各メーカーがバラバラにやっていたけど、一緒にやった方が営業力もコンセプトも強化されるんじゃないかっていうことで、ブランド化する流れになりました。雪って、やっぱり雪国の人にとっては“やっかいもの”って感覚があって。だけど、その嫌われ者の雪をエネルギーとして活用することが、これからの世の中にも合ってるんじゃないかと。昔からやってきたことをブランドという形にすることで、新しい価値を打ち出そうってことですね。

山﨑:それで、上越で雪室をやっていた雪だるま財団の⽅々ともタッグを組み、⺟体となる『にいがた雪室ブランド事業協同組合』を作って、2012年の1月に雪室を使った⾷の総合ブランド『越後雪室屋』がスタートしました。私はその3年後に、雪室屋の営業マンとして入社した感じですね。

柳橋:あれ、2012年1月って僕が入社したタイミングと一緒ですね!同期だ。笑

山﨑:お、いいじゃない。雪室と共に歩んできたデザイナーだね。

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ー「雪室」を使った食品には、どんな特徴がありますか?

山﨑:そもそも雪室って、新潟をはじめとした雪国では昔から使われてきた貯蔵方法なんですよ。今みたいな冷蔵庫がなかった時代に、雪の冷気で食品を保存するっていう。

柳橋:ちなみに、昔は本当に雪の中に食べ物を入れて保存していたみたいなんですけど、今の雪室って結構システム化されていて。雪を入れるための倉庫みたいなところに雪が詰められていて、それとは別に作られた食品の保存庫に雪の冷気を送るようになってるみたいです。

保存庫の中はもちろん寒いんですけど、やっぱり冷蔵庫の冷気とはちょっと違う感じがします。優しい寒さというか。やんわりずっと冷えてる感じで、波がないのが食品に優しいんですって。冷蔵庫みたいに冷気が出たり止まったりすると、その度に食品にストレスがかかる。でも雪室は温度0度・湿度90%以上の一定した環境で保存できるので、熟成に適しているんですよね。

山﨑:そう。この昔からの保存方法が、食べ物を腐らせないだけじゃなくて味も美味しくなるよねっていうのが、今までもある程度は認識されていたんです。でも、どういうメカニズムなのかっていうところまでは解明されてなかったんですよ。それを上越の雪だるま財団さんが研究をしていたんです。雪室保存による熟成の研究。

そこで分かったのは、たとえばジャガイモは雪室に約8ヶ⽉貯蔵することで、糖度は2倍になること。お酒やコーヒーは、熟成時に発生する不快臭(アルデヒド類)が抑えられて雑味やえぐみのない素直な味が楽しめるようになること。そんなことが研究から明らかになったんです。

展示会のときなんかは、よくお客さまにアイスコーヒーを飲んでもらいますね。味が濃厚だけどまろやかで飲みやすくて、美味しいんですよ。最初のころは「インカのめざめ」っていうジャガイモを食べてもらってましたけど、びっくりするくらい甘くなるんですよ。実際に食べてもらうと「栗みたい」「サツマイモみたい」なんて声もありましたね。

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ー今、雪室屋はどのくらいの商品数があるんですか?

山﨑:2012年のスタート時は12品目でしたが、現在は約150品目です。1品目1企業のルールで、⾁や⽶、⽇本酒やお茶、ジェラートや調味料など色々ありますね。新潟県内だと新潟伊勢丹や、スーパー、ホテルや道の駅。県外でも、老舗百貨店、髙島屋、過去には阪急百貨店や京王百貨店、あとは海外のレストランなどでも取り扱っていただいていますね。

商品の質・味っていうところにこだわってるので、越後雪室屋を運営する組合に入会するのにも審査を設けてるんです。実績とか、正しく美味しい食品を生産できる会社かどうかをしっかり見させていただきます。

あとは新商品を出すときも、組合の中で意見を言い合いながら本当に美味しいものをお客様に提供できるようにしていますね。ありきたりなものじゃだめなので、例えばお菓子としてただ美味しいだけじゃなくて、雪室屋の商品として特徴的なところがあるかどうかは大切にしています。

そういったところが、ブランドの価値というか信頼に繋がってるのかなと思います。



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ーアドハウスパブリックは、雪室屋ブランドの立ち上げとかデザイン周りを担当してきたんですよね。

柳橋:そうですね。ブランド化して『越後雪室屋』っていう屋号を立てたり、ブランドのルールを作ったり、あとはロゴを作ったりとか。そういうのをパブリックが中心で考えてきました。あとは人を集めたり、展示会に参加するようにしたりとか、ブランディング会社としてやれることは色々と、僕が入る前からやってきたんだと思います。

ー雪室屋に関するものは、全部アドハウスパブリックでデザインしているんですか?

柳橋:パッケージに関しては、ほぼパブリックが監修していますね。0からデザインしているものも多いですし、うちがデザインしていなくても1回見せてもらうとか、必ずこちらを通してもらうようにしてます。越後雪室屋のロゴが入るものは、全てですね。

ーブランドのデザインコンセプトは決まっていますか?

柳橋:ベースカラーは紺と白。これは最初から決まってましたね。あとは、質の高い商品として高級感があるものに見せたいけど、すごくハードルの高い高級感じゃなくて、親しみが持てるデザインにすることですかね。老舗感というか、田舎ならではの良さ、“母ちゃん”っぽさというか。高級感はありつつも、いい意味で田舎っぽさや温かみがある感じ。そんなイメージにしたいっていうのがあります。

ロゴはうちのAD中野さんがデザインしたものなんですけど、いろんな人や会社が連携して運営しているブランドなので、その「繋がり」みたいなものをロゴでも表現していて。そこも全体のコンセプトとしては大事にしてますね。

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ー商品パッケージをデザインするときは、どんなふうに進めていますか?

山﨑:やっぱり柳橋さんは、鬼のヒアリングをしますよね。

柳橋:そんな、鬼とかじゃないですけどね。笑 とくに最初は、しっかりヒアリングしますね。この商品は他と何が違うのかとか、どこで売られるのかとか。お土産売り場で売られるか、スーパーで売られるか百貨店で売られるかで、買ってくれるお客さんも変わってくるから。そこはデザインの見せ方にも大きく影響しますよね。

ーいろいろなメーカーさんの商品がありますが、各メーカーさんの色を残しつつ雪室屋ブランドとしての統一感も必要になりますよね。その辺のバランスは難しいですか?

柳橋:難しいですねえ。もう何度もやり取りしているメーカーさんもほとんどなので、そういうところは大丈夫なんですけど。初めてご一緒するメーカーさんとは、特にヒアリングと提案を多めにしますね。

山﨑:雪室屋としてイメージした色が、メーカーさんの希望の色と全く合わないってこともありましたけど、商品を売るノウハウはやっぱりメーカーさん側にあるので、そこはすり合わせながらですよね。

デザインって好みとかそれぞれの思い込みとか、偏りもあるとは思うんですね。でも、どうやったら商品がより魅力的に見えるかとか、そのあたりはパブリックにノウハウがあるので。メーカーさんが「どうしてもこれで」ってこともありますけど、基本的には柳橋さんが商品のコンセプトを聞いた上でより良い見せ方を大事に考えてくれているので、素晴らしいデザインになってると思います。



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ーこの春に、越後雪室屋の新店舗ができるんですよね。

山﨑:そうですね。3月27日(水)にリニューアルオープンする新潟駅のCoCoLo新潟内に【越後雪室屋 STATION Labo】がオープンします!雪室屋の商品をメインにしたお土産屋さんですね。

冷蔵・冷凍商品も含めた多数の商品が並びます。全商品とまではいかないまでも、それに近い商品数になると思います。あとは、アソートですね。お米とお酒のセットとか、セット販売も考えているので、お土産やギフト選びにぜひ使って欲しいです。この店舗限定の商品も考えてますよ。

ーどんな方に来ていただきたいですか?

山﨑:観光や出張で来られた方に、新潟のお土産として越後雪室屋の商品を手に取っていただけると嬉しいですね。あとは、普段から新潟駅を使う地元の方にも。雪室屋の商品って、メーカーによっていろんなところで売られているので「どこで買えるの?」っていうのが分かりにくい部分もあったと思うんです。だから新潟駅に店舗ができると、ここで雪室屋の商品をまとめて見たり買ったりできるので、ぜひ地元の方にも足を運んで欲しいなと思います。手土産なんかにおすすめの商品もありますのでね。

ー最後に、今後の展望を教えてください!

山﨑:そうですね。越後雪室屋としては、さらに美味しい商品の開発や海外展開なども進めていきたいと思っています。

あと私、入社当初の研修の中で「店舗を作りたい」っていう目標を掲げていたんですよ。それが今回、予定していたよりも少し時間はかかってしまったけれども、新潟駅で実現するということで、すごく嬉しく思ってます。

そして次なる目標としては、個人的には東京にお店が欲しいなと。雪室のコーヒーショップを駅につくりたいですねえ。

いろんな商品を知ってもらいたいというのはもちろんありますが、その入り口として、雪室コーヒーだけに絞ったコンセプトショップみたいなものができたら楽しそうじゃないかと。今までにも、東京駅で期間限定ショップみたいなものはやったことがあるんですよ。

そんなふうに、人がたくさん行き交うところでブランドを知ってもらう活動ができたらいいなと。新潟駅の新店舗が、そのきっかけになったらいいなと思ってますね。

吉楽 香菜子(取材・執筆) / 山﨑 宝雄(にいがた雪室ブランド事業協同組合 事務局長) / 柳橋 航(AD)

▶︎『越後雪室屋』ブランドサイト

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