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RECRUITING

地域にない自社だけの魅力を追求し、発信する。高級路線に絞った差別化で価格競争から脱却。

山形県の置賜地域において、エリアの気候風土を踏まえた高性能・高品質な住まいを提案するハウスビルダー、株式会社ホリエ。以前、家具事業として、デザイナーズ家具通販サイト「Gino(ジーノ)」のブランディングのご依頼を受けたつながりがあり、その後、2011年に立ち上げた「シエルホームデザイン」のリブランディングのご相談をいただきました。

1.課題

立ち上げから2〜3年経った「シエル」は、高い住宅性能、提案力、トータルコーディネート力の高さがあるという明確な強みがあり、業績面は好調でした。 しかし、ブランドが成長するにつれて社内間・部門間の認識のズレなどが見え始め、方向性の整理が必要になってきます。併せて、本社を構える飯豊町を越え、山形全域への商圏拡大を目指す段階に入っていました。 よりブラッシュアップされたブランドとして発信するため、リブランディング計画が始動。「シエル」を再構築し、ブランドを新しい見せ方でPRするツールとして、ロゴマーク、タグライン、ウェブサイト、パンフレット、リーフレットなどの制作を行うことにしました。

2.解決の方向性

まずは、ブランド再構築にあたり、SWOT分析やブランディング調査、ペルソナ設定・社内ワークショップなどを行い、明確な強みやブランドコンセプトを洗い出しました。ここで「リゾートに、住まう。」というコンセプトが決定し、会社の目指すべき方向性が定まりました。 自社のブランドの在り方や考え方に関しては、セミナーやワークショップを通じて構築していきました。当時はリブランディングについて社内の温度差があったそうですが、そのために全体会議を何度も実施。会社としての一体感が生まれ、社内での共通言語など、わかりやすい形で落とし込むことが出来ました。

行った活動

  • ネーミング
  • 団体構築
  • 商品開発・販売営業体制の構築
  • SWOT分析・ブランド調査
  • 人材・チーム研修
  • 強み発見プログラム
  • 社内ワークショップ(ストレングスファインダー、ペルソナ)
  • ブランドロゴ
  • タグライン
  • 販促ツール(カタログ・リーフレット)
  • ホームページ
  • アプリケーションツール(スタッフ名刺)
  • 広報、営業計画構築
  • 映像

BEFORE

  1. 置賜地域で限られた顧客を競合工務店と奪い合っていた。
  2. 自社内でブランドツールを作っていたが、方向性に迷っていた。
  3. ブランドに対する社内認識や温度感がバラバラ。

AFTER

  1. 魅力が明確化したことで、口コミ効果が上がり他地域にも認知が拡大。
  2. 一貫したコンセプトのデザイン展開で、品質への期待値がアップ。
  3. 強み発見プログラムを通じて、ブランドの在り方について社内で再認識。さらにブランドコンセプト会議を行い、大手メーカーと並び立つブランドへと進化。

自社の強みや立ち位置を理解し、エンゲージメントを高める取り組み

はじめに行ったのが、自社の強み・ブランドコンセプトになるキーワードを発見する、強み発見プログラムやSWOT分析でした。 より強い魅力を打ち出すため、経営陣、営業、設計、施工などを各部署のキーマンを集めて会議を行いました。会議や分析を行う中で見えてきたのが、「山形の土地を生かし、リゾートに住んでいるような空間を提案している」「高いデザイン性と住宅性能を兼ね備えた住宅を提案している」という強みです。そして、「高級感」や「くつろぎ」を表すような「リゾートに、住まう。」というブランドコンセプトに辿り着きました。

ブランディングにあたっては、ターゲット設定を綿密に行うことも重要ですが、まずは今後の展開も視野に入れ、ブランドの格を上げる意識付けを行いました。 山形エリア全体で大手の競合を意識することで、ブランドとしての見え方や、将来を見据えたブランドの指針などを洗い出すことができます。そして、社として一体となり、ブランドの在り方について、共通認識を見直すことができました。

同時に、ブランドの再構築を進めて行くにあたって、今一度、社員一人ひとりに焦点をあて、エンゲージメントを高める必要がありました。ストレングス・ファインダーなどのセミナーを通じて社内の団結力を強め、「シエル」のブランドを築いていく意義を確認することで、より強いブランド構築に向けてスタートすることができました。

上質な癒やしの時間にふさわしい、優美なロゴマーク

ロゴの制作にあたっては、「癒やしの時間」「リゾートに、住まう。」をキーワードに、カラーやモチーフの選択を綿密に行いました。羽がふわっと舞い上がるマークで、天空に舞い上がるような心地良さや、上質な癒やしの時間をイメージ。「シエル」のブランドのランク感やメッセージなどを表したマークとなりました。
「シエル」のCとフェザーをモチーフに、スカイブルーをキーカラーとして作成した。

イメージ訴求と説得力を兼ね備えたパンフレット

パンフレットは、前半と後半で作りに変化をつけました。前半は写真を多く使い、ブランドコンセプトである「リゾートに、住まう。」の世界観を表現しています。後半にはシエルの家づくりや性能に関する強みを明確に提示し、イメージ訴求と説得力の両方を兼ね備えた効果的な営業ツールとなりました。
表紙デザイン。用紙の選択、写真のトリミングや、ロゴマークの心地良い配置まで気を配った。
ゆっくりと流れる時間を描写した写真で、山形での上質な暮らしをイメージさせる。
後半は、インテリアを配置した写真も多く掲載した。機能的な箇所はピックアップして解説し、読み手の創造力を働かせる仕様になっている。

上質感を伝えるツールで、ブランドランクを高める

封筒や名刺、ピンバッジなど、ハウスメーカーとしての「シエル」のブランドランクがひと目で伝わるツールを統一して揃えました。細かいところまで気配りが行き届いたデザインのツールで、顧客に対するブランドの見え方がより良いものへと変わると同時に、家づくりの丁寧さなどの評価へと繋がっていきます。
エレガントさやシックなイメージをまとったネイビーの封筒。銀の箔押しのロゴマークが印象的。
大手ハウスメーカーとも張り合えるブランドとしてピンバッジを制作。普段からこのピンバッジを見ることで、「シエル」のブランドや品格、誇りを胸に業務にあたってほしいという社員への想いも込められている

得られた成果

「リゾートに、住まう。」をコンセプトに、高いデザイン性と住宅性能を兼ね備えた住宅を提案するブランドへと生まれ変わった「シエルホームデザイン」。以前は、年間10棟ほどであったのが、ブランディング後は40棟まで一気に上がり、現在では50棟に売上を伸ばすことができました。そして、商圏エリアも置賜地域を飛び出し、山形県内全域へと拡がっています。 また、高気密・高断熱に特化した住宅性能が、ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2014〜2016年まで連続優秀賞、2017年には特別優秀賞を受賞するなど、イメージの向上だけでなく性能の高さも認知され、信頼を得ていることが実績として現れました。 「シエル」の世界観をさらに広く一般の人々へ届けるため、ホテルやモデルハウス、レストランなど、次の展開も始動しています。
お客様の声
リブランディングに対して社員の温度差がありましたが、進めていく上で社内がひとつになり、事業拡大を目指す今後の方向性をスタッフ同士で共通認識として持つことができました。今後の展開も明確になっていったので、本当に決断してよかったです。
以前は地元の工務店さんが競合でしたが、今ではおかげさまで大手ハウスメーカーさんがほとんどですね。お客様からお褒めの言葉もたくさんいただきます。
将来的には「山形県内No.1」を目指していきたい。いよいよ次のステップに来た!という想いです。当初は「置賜地域NO.1」でさえ、夢のような話でしたから。地域に貢献できる武器をたくさん与えていただき、磨きをかけていただいたことに心から感謝しています。
株式会社ホリエ 専務取締役 堀江 龍弘 様
<企業情報>
株式会社ホリエ[シエルホームデザイン]
〒999-0604 山形県西置賜郡飯豊町椿2529
http://www.cielhome.jp/

※記事内容は取材当時のものです
# リブランディング
2019 / 8.29
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