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デザイナーの仕事を深掘り!学生×AD 特別トークセッション開催

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こんにちは!広報担当のきらです。

今年10月、新潟ビジネス専門学校から、デザインを学ぶ4名の生徒さん(+先生)が会社見学に来てくれました!

デザインの現場でプロとして活躍する先輩たちの仕事を間近で見たり、直接話を聞いたり。 和気あいあいとした雰囲気で楽しみながらも、真剣な眼差しでデザインの仕事について学んでくれました。

今回は、そんな会社見学プログラムの中から、アートディレクター2名が参加した「トークセッション」の様子をお届け!

デザイナーを目指す学生さんたちが、プロのデザイナーの声を直接聞ける貴重な機会。 とっても充実した内容になりましたので、ぜひ最後までお読みいただけると嬉しいです。



今回トークセッションに参加したのは、アートディレクターの白井 豊子さん & 五十嵐 祐太さん。インタビュアーは広報担当の吉楽が担当いたしました!

まず第一部では、デザイナーに聞いてみたい基本的な3つの質問に答えていただきました。


吉楽 まずは、おふたりが「デザイナーになろう」と思ったきっかけを教えてください!

白井 私は小さい頃から絵が好きで、もともと絵描きになりたかったんです。実際に就職するときは絵描きにはならず、でもどうせなら興味のあることを仕事にしたい気持ちもあって、高校を卒業して印刷会社に就職しました。

その会社で私は制作っていう部署に入ったんですけど、その他にデザインっていう部署があって。「そんな仕事あるんだ!いいなぁ」って、実はそこで初めてデザイナーという仕事を知ったんです。

その会社でデザイナーの仕事を見ているうちに、だんだん「なりたい!」って気持ちが募っていって、そのあともう一度学生になってから、デザイナーになりました。

吉楽 就職した後に、もう一度学生を経てからデザイナーになったんですね!

白井 そう。ちょっと遠回りしたんだけど「本気でやりたい!」って思えることが見つかったのは、ラッキーだったなって思います。

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吉楽 五十嵐さんは、どんなきっかけでしたか?

五十嵐 僕もこう見えて、小さい頃から絵を描くことが好きで、それがベースにあるんですけど。デザイナーを目指した大きなきっかけは、小学生の頃バスケットボールを始めたときに、バッシュとかを見て「この靴かっこいい!どうやってデザインしてるんだろう?」ってところから、デザインが気になり始めました。

そのあと中学・高校で洋服に興味が出てきて、ファッション誌に載っているハイブランドの広告を見たときに「写真にロゴだけで、何でこんなにかっこいいんだろう?」って思ったりもして。そういう、ファッション関係のデザインから興味を持ち始めて、長岡造形大学でデザインを学んで、今に至る感じです。

吉楽 大学では、どんなことを勉強していたんですか?

五十嵐 大学1年生のときは、デッサンとか一通りやるんですけど。自分は絵が上手いと思って入ったのに、もっと上手いやつが周りにいっぱい居て「これは無理だ」と思いまして...笑 僕はロゴとか文字も好きだったので、グラフィックデザインを専門に勉強してきました。

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吉楽 デザインのお仕事をしていて、楽しい!って思うのはどんなときですか? 例えば作っている瞬間や、完成したものをお店で見た瞬間など、楽しい・嬉しいと感じる瞬間はいろいろあるかと思いますが、とよこさんはいかがですか?

白井 一番わくわくするのは、そのお仕事がスタートするときかな。案件のお話をいただいたときはすごく高揚するというか、「今度は何ができるんだろう」って気持ちが高まるんです。そのわくわく感みたいなものは常に持っていなきゃいけないなって。その瞬間の熱をどう維持するかを大事にしてますね。

携わったものが商品になって実際に使われるときは、これからどうやってもっと育てていこうかっていう、また別のスタートが生まれるんですよ。なので、だいたい楽しいです。

吉楽 スタートするときに、「どうしようかな」「どうやって形にしよう」って悩むことはありませんか?

白井 もちろんあるけど、それも含めて楽しい。悩むことイコール初めてのことでもあるじゃないですか。次の自分のチャレンジはここだなっていう、未知だからこその楽しさがありますね。

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吉楽 五十嵐さんは、どんな瞬間が楽しいですか?

五十嵐 とよこさんが言っていたスタートに近いかもしれないんですけど。「これだ」っていうアイデアが降りてきたときかな。これで進めていくぞっていうとき。

吉楽 ちなみに五十嵐さんは、どんなタイミングでアイデアが降りてくるんですか?

五十嵐 いろんなところですけど、ちょっとした日常生活の中で浮かぶことが多いですね。当然、いろいろ調べていく中でヒントとなるものを見つけて、そこからアイデアが湧くこともありますけど...。基本的には、生活しながら常に頭の片隅において考えてますね。

白井 私、お風呂で曇ってる鏡にアイデアを描いてみたりします。

五十嵐 やるやる!僕もラフとか描いたりします。そうしないと、せっかく思いついても忘れちゃうから。ひとまず描いて検証してみるっていう。

吉楽 それって、お風呂から上がって、どこかにまたメモし直すんですか...?

五十嵐 いや、そのままです。一度でも描くと覚えるんですよ。形にしてみると、なんとなく頭の中に残るので。

吉楽 すごい!インプットされるんですね。

五十嵐 そうそう。やっぱり、頭の中でぐるぐる考えたり参考になりそうな画像を検索したりするだけだと、全然残らないんですよね。それを一度なぞってみるとか、自分で手を動かしてみるとインプットされるんですよ。

白井 私、以前はよく枕元にメモを置いていて、寝る前に思いついたものとか、文字でも形でもいつでも書けるようにしてましたね。朝になってみると読めないってこともあるけど...笑 本当にいつアイデアが降りてくるか分からないから、来た!っていうチャンスを逃さないようにしたいなって思ってますね。

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吉楽 まず、デザインに自分らしさは必要か?ってところから聞かせてください。自分らしさをメインにしてデザインするのか、それとも程よいスパイスにするのかなど、いろんな考え方があると思います。おふたりはどう思いますか?

白井 自分らしさは必要だと思います。あくまでもその案件とかお客さんが主体ではあるんだけど、せっかく自分がデザインするからには、自分らしさが入ってないと意味がないというか。自分らしさを100%活かすことが、お客さんに100%応えることなのかなと思いますね。

どんな自分らしさを取り入れるかは選んだりもするし、やってみて新しい自分らしさが生まれることもあるんですよ。そこで初めて「自分って意外とこれできるんだ」とか「この方法も行けたんだな」って学んで、自分らしさが増えていくこともあります。

あとは、「これは自分らしくないな」ってものもよく分かってるから、お仕事の内容によっては他のメンバーに力を借りたりすることもありますね。

五十嵐 そうだね。僕は、美術館の仕事を時々やらせてもらうんですけど。作家さんの絵柄がちゃんと見えていないといけないとか、いろんな制約があるんですね。そういう基本的な部分は守りつつ、ちょっと “遊び” を入れるようには心がけてますね。あくまでもお客さんや作品っていう主役がいて、その上でちょっとだけ抗う。でも、主張はしすぎない。その絶妙なバランスが大事だと思います。

白井 基本はやっぱり、今回作る目的やコンセプトが一番の軸になるものなので。そこをずらさずに、自分らしさを上手く取りれていくことが大事なのかなと思います。お客さんが伝えたいことに対して、自分だったらこう表現する、っていう考え方をしてます。

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吉楽 そんなおふたりが、今まで「自分らしさが出せたな」と思うお仕事を教えてください!

白井 自分らしさって大事だなって思うきっかけになったのが、wofaさんの丸干し芋のパッケージ。これ、試作を何十個も作ったんです。一日中この箱を作り続けた日もあって。完成にたどり着いたときは、すごく嬉しかった。

それまでは、どちらかと言うと一つのデザインにいろんな要素を詰め込むタイプだったんです。でもこれはまっさらなイメージにしつつ、足跡をつけたり自分らしい柔らかさと遊びを取り入れたのが、良いバランスになったなって思います。

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白井 あと、ロゴも本当に難航しました。はじめにお客さまが希望されたものが、すごくかっこいいイメージのロゴだったんです。「これは私じゃなくて五十嵐くんだな」と思って五十嵐くんにお願いしたりとか、自分でも五十嵐くんっぽいものを目指して作ったりしたんだけど、なかなかOKにならなくて。

3回くらい出し直しをさせてもらって、最後に「言われたものとは違うけど、とにかく自分らしいもので戦おう!」って思ったら、それがすぐにOKになったんですよ。

結局、自分らしくないものって力を発揮できないんだなって気づかせてもらったお仕事でした。そういう、いろんな思い出がある作品かな。

五十嵐 僕は文字が好きなので、文字遊びみたいなものは自分らしさが出てるかなと思います。例えば、新潟県立近代美術館さんの『没後90年 萬鐵五郎展』のチラシなんですけど。文字にさりげなく90の数字を入れてるんですね。

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五十嵐 あとは、新潟県立万代島美術館さんの『福富太郎展』のビジュアルにも、福富太郎さんの頭文字 “F” を「眼」の字に取り入れたりとか。そういうちょっとした文字遊びみたいなのは、自分が得意でもあるので。そういう遊び心を入れるようにしてます。

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ここからは、学生さんからの質問タイム! たくさんの質問が飛び交いましたが、その中でもとくに素敵な回答があった2つの質問をピックアップしました。


学生さん ここまで話を聞いてきて、自分にもできるようになるのかなって不安があるんですが...。みなさんはデザイナーを目指していて、いつから自信を持てるようになりましたか?

白井 目指してる段階では、とくに不安には感じてなかったかな。なれるかな?っていうより「なりたい」「なるしかない」って気持ちが強かったんだと思う。

デザイナーって、なって終わりじゃなくてスタートだと思うんですよね。ここが着地ポイントみたいなものがあるわけじゃなくて、常にその先がある。誰かになろうとする必要なんてないし、自分がなりたいデザイナーを目指せばいいんじゃないかな。

吉楽 「これができたからデザイナーになれた!」っていうものじゃなくて、デザイナーになってからいろんなことができるようになっていくものなんですかね。

白井 ほとんど、デザイナーになってからできるようになったと思います。できるかどうか分からなくても、やらなきゃいけないし、やるしかない。目的を果たすっていうところに向かっていくだけ。

何でも「自分の力だけでやらなきゃ」って思うと不安かもしれないけど、いろんな人の支えがあって、たくさん教えてもらってできることなので。1人でやるんじゃなくて、たくさんいろんな人から吸収して、自分を広げていく。そうすれば、できないことは無いのかなって思います。

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学生さん デザイナーとしてのスキルを伸ばすには、どんなことが大事ですか?

白井 伸ばそうと思ってる時点で、吸収しようっていうアンテナは張れているはずなので。大事なのは、そこからいかに行動を起こしていくかだと思います。

例えば、良いデザインを見て「いいな」で終わりにするんじゃなくて「何がいいのか」ってところまでちゃんと考えて吸収しようとする。具体的に言うと、自分でも作れるようにイメージして真似してみるとかね。

真似してみると、技術的なスキルは早く身につくと思う。感覚的なスキルは、とにかくいろんなものをいっぱい見ることにつきるのかな。

五十嵐 そうだね。いろんなものを見るっていうのは、僕もデザイナーになりたてのときに社長からよく言われてました。食わず嫌いみたいなものって誰しもあると思うんだけど、そういうのをなくして、いろんなものを見たりやってみたりすることが大事だなって思いますね。

白井 まずは経験だよね。みなさんまだ若いので、自分で「苦手かも」って思うことも、やってみたら実は苦手じゃない可能性もあるから、いろいろやってみるといいと思う。意外なものが実は楽しかったりもするからね。

五十嵐 あとは観察力かな。絵もそうだし、文字組とかも観察してみる。かっこいいポスターとかおしゃれだなってものは、よく見てみるとやっぱり文字組みの綺麗さも全然違う。そういうものを見つけたら、フォント探しから、どういうふうに空きを作ってるかとか、全部なぞってみると楽しいと思いますよ。

白井 今って、スマホひとつで何でも探せるし、世界中のデザインを簡単に見られるじゃないですか。もちろんそれは良いことなんだけど、みんなが見れるものでもあるわけで。だからその中で、できるだけ本物を見てみるっていう経験も増やして欲しいなって思います。

例えば、パッケージだったら触り心地とか、紙の裏側の構造とか。そういうところまで見て知っているかどうか、その違いはどこかで絶対に出てくると思う。デザイナーを目指すなら、いいなって思ったものは画面の上だけじゃなくて、実際に触れて観察してみて欲しいですね。

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デザインに対する興味やワクワクをさらに深め、今後の学びの目標になるような芯を見つけて欲しい。そして、デザインの仕事にグッと来てもらいたい。

そんな想いで、弊社の若手メンバーまゆ&りゅうしんが企画・進行を務めた、会社見学プログラム。今回の体験の中から何か一つでも、みなさんの今後に役立つことがあれば嬉しく思います。

学生のみなさんのエネルギーと可能性が、これからの活動の中でどのように花開いていくのか、とっても楽しみです!

ご参加いただいた先生と4名の学生のみなさん、ありがとうございました!

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