『責任感』の特徴&活かし方【ストレングスファインダー®資質解説】|ALL BRANDING WORKS
ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)は、アメリカの世論調査会社Gallup社(ギャラップ社)が開発した「才能発見ツール」。Webテストで177個の質問に答えることで、自分の強みや才能を表わす「資質」を知ることができます。
この記事では、Gallup認定コーチが資質の特徴や活かし方を解説! 5,000人/100社以上のストレングスファインダー研修から得た経験と知識をお伝えします。
個人とチームのどちらにも活かせる内容ですので、ぜひ参考にしてみてください!
今回は34資質の中から、強いコミット力があり、やると決めたら最後までやり遂げようとする人『責任感』について解説します。
やると決めたら最後までやり遂げる!『責任感』の特徴
『責任感』とはこんな人 強いコミット力があり、やると決めたら最後までやり遂げようとする人。
責任感:Responsibility <実行力> TOP5出現率ランク:[日本]15位 [世界]2位
有言実行の精神で、一度やると決めたら何が何でもやり切れるように努力します。 期待や役割を担うことが好きな一方、プレッシャーを感じることもあります。
- やると決めたことは必ずやり遂げたい
- 正義感や忠誠心・義務感が強い
- 約束を大切にする。期待を裏切りたくない
- 強い当事者意識を持つ
- やり遂げられないことに罪悪感を感じやすい
- NOと言えない、断るのが苦手
- やりたくないことも無理して引き受けてしまいがち
- 他人に厳しくなりすぎたり、自分を追い込む傾向がある
- 無責任な人が嫌い
『責任感』は、“オーナーシップの能力”と言われています。
役割や約束を“果たす”ことを重要視し、強い当事者意識を持って取り組みます。何にでも責任を取ろうとするのではなく、自分がやると決めたものが対象です。やると決めたら、何が何でもやり切ろうとします。
“やるスイッチ”を押した時点で、物事の大小に関わらず契約が交わされている感覚です。やり遂げられるよう、あの手この手で約束を果たそうと努力します。また、やり切れないときには罪悪感や、強迫観念を感じることがあります。
役割意識が強い人でもあります。責任の範疇を明らかにし、自分がどこに集中してエネルギーを使うべきかや、何をクリアすべきかをハッキリさせたいからです。また、“期待に応えられる自分でありたい”という思いが強く、肩書や役割をもらえたり、「期待しているよ」と言われると自分の存在が認められた感覚になり、エネルギーが出やすくなります。
物事を正しく行いたいという意識が高く、ルールや決めたことを忠実に実行しようとします。誠実でありたいと思っているため、遅刻をしたり人に迷惑を掛けてしまったと思うときには、責任を感じて埋め合わせをしようとします。例えば、飲み会に遅刻してしまったから、会計のときにちょっと多めに払って許してもらおうなど、どこかで埋め合わせようとします。
役割を果たしたことで、人の役に立つことが喜びです。誠実な態度で接するので、周りからの信頼を得られやすい人です。
嫌いなことは、人を失望させること。納期やスケジュールを破るなど、決めたことが守れなかったり、依頼されたクオリティーに達しないものを納品してしまい相手の期待に応えられない、という状態に罪悪感やストレスを感じます。
また、いい加減な人や約束を守らない人が嫌いです。無責任な言動や、やるべきことに向き合わない態度にイライラしてしまいます。
主体性を持って取り組むことは良いことですが、行き過ぎると“自分にも他人にも厳しくなり過ぎる”傾向があるため、注意が必要です。
具体的には、言動が厳しくなりがちです。「〜するべきだ」「〜でなければならない」といった、義務感や強制的な考えに縛られてしまったり、自分の価値基準で正悪をジャッジしてしまうことがあります。
また、何かを断るのが苦手です。やりたくないことを引き受けてしまったり、人に迷惑を掛けてはいけないと思い、助けを求められないこともあります。無理をしすぎたり、自己犠牲的になりすぎてはいけません。引き受けることが双方にとって良いことかどうかを見極めたり、ときには断る勇気も必要です。
楽しくやりがいがあったことが、義務感や苦痛に変わってしまっては、もったいないですよね。『責任感』のもつ実行力を上手く活かしながら、自分も周りの人も気持ち良く過ごせるよう、資質を使いこなしていきましょう。
『責任感』の長所と短所
ストレングスファインダーの資質1つ1つに2面性があります。才能が開発されて、長所や自他に良い影響を与える「バルコニー」の状態。もう1つが、未開発で短所として使われている「ベースメント」の状態です。
ここでは『責任感』のバルコニー/ベースメントの“あるあるネタ”をご紹介します。
●仕事を任せられる安心感や信頼を得る 途中で投げ出したり、いい加減な対応をしません。また、成果を出せるよう主体的に関わり、困難があっても最後までやり切るよう努力を惜しみません。実績や姿勢から、周囲からの信頼も厚く、あなたの頼みなら協力を惜しまない!という人も多いでしょう。
●質問上手、交渉上手になって役割をしっかり果たす 依頼内容をしっかりと把握するようにしましょう。目的や役割、作業内容が明確になることで、優先順位を決められたり、他者にも協力を依頼しやすくなります。また、断るべき案件や実力が不足している案件の場合、話し合いを行い、双方にとって良い体制を組めるようにしましょう。
●主体性を発揮して、どんどん成長する 役割や肩書に見合う実力をつけるよう、努力をする人です。少し背伸びをするくらいの実力アップを求められる仕事は、目標を設定したり役割や肩書をもらうことでモチベーションアップにつながります。主体的に取り組めるタイプなので、言われたことをこなすよりも、自ら考えて行動できる環境が合っています。
●無理なものまで引き受けない 断ることが苦手です。相手に迷惑をかけたり、がっかりさせたくないと考えてしまいます。しかし、引き受けることでスケジュールに無理が生じたり、精度が低くなってしまう恐れもあります。「自分さえ我慢すればいい」といった自己犠牲的な考えは危険ですし、チームに関わることであれば、なおさらです。断る勇気をもったり、交渉するようにしましょう。
●「〜べき論」にとらわれず、物事を広く捉える 1度口にしたことを変えることに抵抗感を感じたり、ルールに従わなければと融通を利かせられないときがあります。また「〜すべき」「絶対〜でなければいけない」など、ルールや基準、常識にとらわれ過ぎることがあります。柔軟に考える視点や視野を持ちましょう。
●ストイック、完璧主義になりすぎない 自分にも他人にも厳しくなりがちです。必要以上の責任を背負ったり、心身を追い詰めないよう注意しましょう。言動や仕事量を振り返るのもオススメです。また、無責任な人やいい加減な人にストレスを感じます。批判するよりも、適度に距離を置くようにしましょう。
『責任感』の活かし方&モチベーション
資質を強みとして使い、生産的・安定的にパフォーマンスを発揮するようになるには、資質の深い理解と経験と知識を重ねながら、シチュエーションや条件、ベースメントの抑え方をマスターするなど、再現性を高めていくことが大切です。
『責任感』のモチベーションスイッチが入りやすいポイントを理解すると、スムーズに本来の力を発揮できるようになります。
ここでは一例をご紹介します。 ご自身で挑戦してみるもよし、『責任感』が高い人に対して試してみるもよし。ぜひ活用して、自分なりのスイッチの押しポイントをつかみましょう。
□ 粘り強さや実行力が求められる仕事 □ ルールの徹底や正しさ・誠実さが求められる仕事や環境(警察官、弁護士など) □ 期待されたり、役割が与えられたとき □ 決められた仕事でなく、考える自由度や交渉の余地があること □ チームに推進力・実行力を与える役割 □ 信頼できる協力者がいて、仕事を頼みやすい環境 □ 相手や取引先から信頼を得たいとき □ 「あなたに任せて良かった」など、具体的に褒められると嬉しい
これらは一例です。
『責任感』と併せ持つ上位資質によっても異なります。ぜひ、ご自身なりの得意技の繰り出し方を研究してみましょう。
『責任感』は、役割や責任の所在が明確で、周りの理解が得られたり協力し合いながら取り組める環境で力を発揮します。
『責任感』のマネジメント活用
『責任感』を上位にもつマネージャーが、リーダーシップや部下育成に資質を役立てていく際に、得意なスタイルがあります。
①信頼関係構築 ②思いやりの示し方 ③安定感の生み出し方 ④希望の与え方と注意点 こちらの4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
①信頼関係構築:正しい方向性や方針を示す 誠実なチームを育てることができます。物事を正しく行うことの重要性を伝え、不正があったときには認め、改善に努めます。自分自身も誠実に対応することで、信頼を得られます。
②思いやりの示し方:誠実な付き合い方をする メンバーがミスをしても見捨てず、可能な限りのフォローに努めましょう。また、連絡を取ったり、気遣いや思いやりを示すことで誠意を伝えましょう。
③安定感の生み出し方:約束を守る 仕事を確実にやり遂げるためのノウハウを共有しましょう。例えば、納期を守るための進行管理方法や、誠実さが伝わる顧客対応などをメンバーに伝え、参考にしてもらいましょう。
希望の与え方:④責任を持たせながら育てる メンバーに責任をもつ経験を積ませ、成長の機会を作りましょう。自分で考え・判断する機会を与えたり、その影響力を自覚させることで、重要性や難しさを学ぶことができます。
①チームのキャパシティーを超えないようにする 義務感から、安易に仕事を引き受けないように注意しましょう。チーム状況を把握し、キャパシティーや実力を大幅に上回る依頼は、見極めが大切です。また、交渉することで、チームが稼働しやすい状況を作れるように取り組みましょう。
②相手をコントロールしようとしない 相手に干渉しすぎないようにしましょう。細かく口や手を出しすぎては、考える力が育ちません。また、信用されていないのかもとモチベーションを下げてしまうこともあります。悪い結果にならなければ、相手のやり方を尊重してあげましょう。教育するのであれば、任せて見守ることや、失敗から学ばせることも大切です。
『責任感』のマネージャーは、チームメンバーやクライアントなどの関係先と信頼関係を結びながら、結果を出すために着実に努力することができます。
『責任感』資質のまとめ
『責任感』とは... 強いコミット力があり、やると決めたら最後までやり遂げようとする資質です。
こんな風に能力を発揮! ● 仕事を任せられる安心感や、信頼を得る ● 質問上手・交渉上手になって役割をしっかり果たす ● 主体性を発揮して、どんどん成長する
資質を活かすためには、役割や責任の所在を明確にし、周りの理解を得て、協力し合いながら取り組める環境をつくりましょう。
ベースメントにはこう対処する! ●無理なものまで引き受けない ●「〜べき論」にとらわれず、物事を広く捉える ●ストイック・完璧主義になりすぎない
『責任感』の資質を活かしやすい場面や仕事は、次のようなものがあります。
✓ 責任の範囲や所在が明確な仕事
✓ 粘り強さや実行力が求められる仕事
✓ ルールの徹底や正しさ・誠実さが求められる仕事や環境(警察官、弁護士など)
✓ 期待をかけられたり、役割が与えられたとき
✓ 決められた仕事でなく、考える自由度や交渉の余地があること
✓ チームに推進力や実行力を与える役割
✓ 信頼できる協力者がいて、仕事を頼みやすい環境
✓ 相手や取引先から信頼を得たいとき
参考にし、ご自身やチームのために強みを発揮できる機会を増やしていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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