『個別化』の特徴&活かし方【ストレングスファインダー®資質解説】|ALL BRANDING WORKS
ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)は、アメリカの世論調査会社Gallup社(ギャラップ社)が開発した「才能発見ツール」。Webテストで177個の質問に答えることで、自分の強みや才能を表わす「資質」を知ることができます。
この記事では、Gallup認定コーチが資質の特徴や活かし方を解説! 5,000人/100社以上のストレングスファインダー研修から得た経験と知識をお伝えします。
個人とチームのどちらにも活かせる内容ですので、ぜひ参考にしてみてください!
今回は34資質の中から、人のユニークさを活かそうとし、相手に応じて対応をカスタマイズすることが得意な『個別化』について解説します。
人のユニークさを生かしたい『個別化』の特徴
『個別化』とはこんな人!人のユニークなところを見つけ、個性を生かそうとします。 相手に合わせた対応が得意です。
個別化:Individualization <人間関係構築力> TOP5出現率ランク:[日本]5位 [世界]13位
- 人それぞれのユニークなところに興味を持つ
- 人間観察に優れ、人となりを理解できる
- 人の多様性を受け入れ、個性を生かそうとする
- ニーズの発見やヒアリングが得意
- 少人数での対応が得意
- 適材適所を考えることができる
- 異なるタイプの人をまとめ、生産性の高いチームをつくる
- 集団行動が苦手
- 画一的に扱われるのが嫌い
人となりを理解し、相手のユニークな部分を見つけることが得意です。 人と人との違いに興味があり、違いを面白さと捉えるので、人間観察が好きな方も多くいます。
“人はそれぞれ違っていて当たり前”という考えがあり、多様性を受け入れます。その人独自の考えを尊重し、いきいきとできることを望みますし、自分もそうありたいと考えています。
反対に、人が画一的に扱われたり、個性を生かせない環境を嫌います。
例えば、社会や学校などのルールに従うことが苦手です。集団統率のためのルールや、制服などのオリジナリティが出しにくくなるものに従うことが、人一倍窮屈に感じるのです。
人は違っていて当然なので、“自分は自分である”という、それぞれのアイデンティティを大切にしたいと思っているのです。
『個別化』は、人となりや能力を見つけることに長け、その人に合った役割を考えます。また、適材適所の人員配置で異なるタイプの人たちをまとめることができます。
ほかにも、相手のニーズを理解することや相手に合わせて対応をカスタマイズすることが得意です。相手が求めていることや、どういったものを好むか・好まないかをキャッチし、相手に合うものを提案することができます。
苦手なシチュエーションは、“大人数”や“集団行動”です。個人視点が強く、集団意識が弱い傾向にあるからです。そのため、大勢の人を相手にするよりも、少人数に居心地の良さを感じます。
集団号令を掛けるのも、掛けられるのも苦手。大勢の人に同じ言葉で発信することになるので、いまいち話が伝わった感覚が得られないのでストレスに感じやすいのです。また、自分に向けて話された言葉ではないことは、あまり耳に残りません。「相手に合わせた対応をしたい」、また「自分に合った対応をして欲しい」と考えているからです。
『個別化』は、“十人十色”を地で行く人なのです。
『個別化』の長所と短所
ストレングスファインダーの資質1つ1つに2面性があります。才能が開発されて、長所や自他に良い影響を与える「バルコニー」の状態。もう1つが、未開発で短所として使われている「ベースメント」の状態です。ここでは『個別化』のバルコニー/ベースメントの“あるあるネタ”をご紹介します。
●生産性の高いチームのまとめ役として活躍 個性が生かせない場や、「男だから、女だから」「普通はこう考えて当たり前」といったレッテルを貼られることを嫌います。また、画一的に扱われることも好きではありません。多様性を受け入れて尊重し合える職場や環境に身を置くことで、異なるタイプの人たちが集まる生産性の高いチームのまとめ役として活躍することができます。
●人それぞれの個性や魅力を発見できる 人の個性を発見し、生かせる役割や仕事と組み合わせることが得意です。相手も気づいていないような特技や良さを発見してあげることにも長けています。適材適所の人員配置を考える力があるため、人事・カウンセラー・教育的立場などのポジションに適しています。
●ニーズに合った対応ができる 相手のニーズをキャッチする力があります。また、相手のタイプや特性を理解するのが得意で、その人に合ったやり方で対応することができます。サービス開発やサポート役のほか、少人数の対応を得意としているため、営業や販売といった仕事にも能力を発揮します。
●集団意識が欠けてしまうことがある 個人にフォーカスしすぎて、チーム意識が欠けてしまうことがあります。1人のニーズを満たすことを優先してチームの生産性を低下させたり、集団としての公平感を損なってしまったりと、組織や他者を犠牲にするような考えや行動を取ってしまうことがあります。
●自分勝手な判断をしてしまう 一般的な常識やルールを重要視しない傾向にあります。個人としては「意味がない」と感じるものでも、社会や集団の安全や異なる人をまとめるためには、ルールやガイドラインを設ける必要もあります。個人の勝手で周囲に迷惑を掛けないよう、注意しましょう。
●調子の良い人だと勘違いされる 人によって対応をカスタマイズする力があることで、誰にでも良い顔をする人や、えこひいきをする人だと勘違いされやすい傾向があります。また、自分にも対応を合わせてもらうべきだと考えているので、周囲の対応が自分のニーズを満たさないときに非難する傾向にありますが、いつでも自分の思い通りになるわけではないということも、心に留めておきましょう。
『個別化』の活かし方&モチベーション
資質を強みとして使い、生産的・安定的にパフォーマンスを発揮するようになるには、資質の深い理解と経験と知識を重ねながら、シチュエーションや条件、ベースメントの抑え方をマスターするなど、再現性を高めていくことが大切です。
『個別化』のモチベーションスイッチが入りやすいポイントを理解すると、スムーズに本来の力を発揮できるようになります。
ここでは一例をご紹介します。 ご自身で挑戦してみるもよし、『個別化』が高い人に対して試してみるもよし。ぜひ活用して、自分なりのスイッチの押しポイントをつかみましょう。
□ いろいろな人と接点のあるポジションにつく □ 人の多様性を尊重する環境に身を置く □ ルールや規則が少なく、自由度や裁量を持てる環境を見つける □ 人員配置や役割を与えられるポジションにつく □ 接客や営業、教育や指導など人と接する機会のある仕事をする □ ニーズ発見・カスタマイズ力を生かした事業やサービス開発にあたる □ チームをまとめるポジションにつく □ 能力給など、努力や成果を認めてくれる環境に身を置く
これらは一例です。
『個別化』と併せ持つ上位資質によっても異なります。ぜひ、ご自身なりの得意技の繰り出し方を研究してみましょう。
『個別化』は、多様性やその人らしさが認められ、尊重し合える環境でいきいきと活動できます。上記のような工夫を、できるだけ取り入れてみましょう。
「人を見る力」に長けています。その能力を前向きに、また自身と他者のために活用していきましょう。
「“らしさ”を生かすこと」と「独りよがりな主張を通すこと」は違います。また、「人は人、自分は自分」といった考え方はありますが、違いがあるから組織やチームの意向に従わなくても良いという理由にはなりません。自身の考えと他者の考えを上手く尊重し合える感覚を持つ『個別化』だからこそ、どうすれば異なるタイプの人とうまくやっていけるかを前向きに考えて、実行者になっていけると良いでしょう。
『個別化』のマネジメント活用
『個別化』を上位にもつマネージャーが、リーダーシップや部下育成に資質を役立てていく際に、得意なスタイルがあります。①信頼関係構築 ②思いやりの示し方 ③安定感の生み出し方 ④希望の与え方と注意点 この4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
①信頼関係構築:レッテルを貼らない 人となりが分かるため、「あの人はこういう人だ」と決めつけないようにしましょう。また、相手の悪いところも見た上で、相手の良さを生かす方向で考えていきましょう。
②思いやりの示し方:対話をして相手を理解していく 人間観察が得意で、能力や個性を見抜くことができますが、レッテルを貼らずに、本人がどういう人かや考えをもっているかを相手と対話をしながら理解していきましょう。
③安定感の生み出し方:適材適所の人員配置で能力を生かす 相手の能力や個性が発揮できる役割や配置を考えることが得意です。個人個人の才能や考えを考慮しながら、最適な人員配置を考えてみましょう。
④希望の与え方 :隠れた才能を見つけ出す 本人がまだ自覚していない才能や能力を気づかせてあげることができます。メンバーができる限り自分らしいスタイルで働ける環境や、チームづくりを行ってみましょう。
①一部のメンバーだけを優先しない 『個別化』が高い場合、個人のニーズを叶えることに注力しすぎてしまうことがあります。他のメンバーやチーム、他の部署や会社全体の成長や状況に配慮することも忘れてはいけません。
また、『個別化』以外に併せ持つ資質によって、あなたが固執しがちな部分があるかもしれません。 粘り強く問題解決に努める『回復志向』であれば、できないメンバーを育てることに一生懸命になりすぎることも。また、より良い結果を求める『最上志向』であれば、優秀なメンバーに肩入れしがちになったりといった可能性もあります。
②思い込みに注意 「あの人はこういう人だ」「これが苦手だから任せるのはやめよう」など、自身が見抜いた相手の能力や傾向が、100%合っているとは限りません。『個別化』の“人を見抜く力”は素晴らしいですが、マネージャーとしてまだ経験が不足しているかもしれません。自分の見立てが正しいと思い込まずに、他者からの見方や本人とのコミュニケーションによって、深く相手を知るようにしましょう。
『個別化』のマネージャーは、その資質をうまく活用すると、個人の才能を見抜き、その才能を最大化し、高い生産性のチームをつくることができます。
『個別化』資質のまとめ
『個別化』とは... 人のユニークさを活かそうとし、相手に応じて対応をカスタマイズすることが得意な人。 意見を押し付けられたり、画一的な扱いをされることが苦手。
こんな風に能力を発揮! ● 多様性が尊重される環境を選ぶ ● 人に合った仕事や役割を配置できるポジションにつく ● ニーズに合ったアプローチやサービスを開発する
資質を活かすためには、多様性が容認されやすい環境で、人に関わる仕事や役割につくことが重要です。
ベースメントにはこう対処する! ● 個人のニーズに固執し過ぎず集団にも意識を向ける ● 自分勝手にならずに行動する ● えこひいきをする人と勘違いされない対応を心掛ける
また、『個別化』を活かしやすい場面や仕事は、次のようなものがあります。
✓ 人の多様性を尊重する環境に身を置く
✓ ルールや規則が少なく、自由度や裁量を持てる環境を見つける
✓ 人員配置や役割を与えられるポジションにつく
✓ 接客や営業、教育や指導など人と接する機会のある仕事をする
✓ ニーズ発見・対応のカスタマイズ力を生かした事業やサービス開発にあたる
✓ チームをまとめるポジションにつく
✓ 能力給など、その人の努力や成果を認めてくれる環境に身を置く
同じ資質を持っていても、他に持つ資質の組み合わせによって、一人ひとりの異なる使い方や、個性を生み出しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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