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企業ブランディングの進め方&実践ステップ【基礎から学ぶブランディング Part.2】

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企業ブランディングは、企業の「らしさ」を明確にし、それを内外へ一貫して届ける取り組みです。

Part.1「企業ブランディングとは?」では、その基本となる考え方やブランディングが求められる背景について整理しました。では、実際にブランディングに取り組む際にはどのように進めれば良いのでしょうか。

本記事では、企業ブランディングに取り組む際の進め方と実践ステップを、注意点や具体例とともに解説します。



企業ブランディングを始める際、まず押さえておきたいのは 「ブランドの核を定義すること」 と 「長期戦で考えること」 の2点です。


◆ブランドの土台をつくる

ブランドの根幹となるのは、理念・価値観・世界観などの「企業の核」です。ここが曖昧だと、ロゴ・メッセージ・SNS・採用広報など、あらゆる表現がバラバラになってしまいます。

明確にすべき要素
・何を大切にする企業なのか(価値観)
・誰にどんな価値を届けるのか(ターゲット)
・他社と何が違うのか(差別化要素)
これらはブランドの「設計図」として、すべての判断基準になります。

◆長期的な視点をもつ

ブランディングは“育てる活動”であり、広告のように即時成果を期待するものではありません。理念の浸透やブランド体験の統一には時間が必要です。

短期的な反応に一喜一憂するのではなく、「長期で一貫した姿勢を保てるかどうか」がブランドの強さを決めます。



ブランディングは「設計 → 表現 → 発信 → 体験 → 改善」という流れで進みます。 ここでは、実務で特に重要となるステップを紹介します。


❶ ブランド設計(コンセプト・アイデンティティの定義)

最初のステップは、ブランドの核を明文化することです。 ・企業理念・ビジョン ・ブランドの価値 ・ターゲット設定 ・競合との差別化 ・ブランドパーソナリティ これらを明確にし、ブランドの世界観を言語化します。 この段階で定めた軸が、ロゴ・コピー・Webサイトなどの表現につながります。


❷ ブランド表現の開発(ロゴ・ネーミング・メッセージ)

ブランドの軸が定まったら、その姿勢を“外に見える形”へと落とし込んでいきます。

ブランド名やロゴ、企業メッセージなどの要素は、単なる装飾ではなく「企業がどんな存在でありたいのか」を象徴する重要な要素です。

理念や世界観に即しているか、一貫したストーリーとして伝わるかを基準に、視覚的・言語的な表現を整えていきます。


❸ ブランドの発信(コミュニケーション設計)

発信時に大切なのは 「どの接点でも一貫して伝えること」。 ・Webサイト ・SNS ・広告・プロモーション ・採用広報 ・店頭・営業・カスタマー対応 これらの接点において、世界観やメッセージが各所でズレると、ブランドが弱く見えてしまいます。


❹ 社員への浸透(インナーブランディング)

ブランドは、社員の行動によって初めて“現実の体験”として顧客に伝わります。

そのため、ブランドブックの共有や理念研修により、社員がブランドの背景にある価値観を理解し、自分の言葉で語り、日々の判断に活かせる状態をつくることが欠かせません。

組織全体が共通の価値観を持ち、一貫した行動が取れるようになると、外向けの発信とのギャップがなくなり、ブランドの信頼性が大きく高まります。


❺ ブランド体験の統一(顧客との全接点)

企業との接点はWebサイトや広告だけでなく、店舗の雰囲気、接客、問い合わせ対応、購入後のサポートなど、多岐にわたります。

どの接点でも「その企業らしさ」を感じられることが理想であり、そのためにデザインや対応スタイル、情報の見せ方などを揃えていくことが重要です。

体験がバラつく企業は“印象が一定しない”ことで評価を下げてしまうため、顧客視点で接点を点検し、ブランドの世界観に統一感を持たせることが求められます。


❻ ブランド評価と改善(運用・PDCA)

ブランドはつくって終わりではなく、育て続けるものです。

認知度やSNSでの反応、口コミ、顧客満足度、社員の理解度などを定期的に確認し、施策がどのような影響を与えているかを把握します。

そのうえで、発信内容や顧客体験、ブランド表現を微調整しながら、企業の成長や市場の変化に合わせてブランドを強化していくことが大切です。

この“育てる運用”こそが、長期的なブランド価値を生み出す源泉となります。

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ブランディングでは、次のような課題が起きやすいと言われています。

【課題1】メッセージの一貫性が保てない
【解決策】軸を1つに絞り、ガイドラインを整備する
メッセージがズレる原因の多くは、「ブランドの軸」が曖昧なまま表現だけ先行してしまうことにあります。まずはブランドの価値・世界観・ターゲットを明文化し、全ての発信物がここに沿っているか確認できるガイドラインを整備します。判断基準が明確になることで、担当者が変わってもブレないコミュニケーションが実現します。
【課題2】消費者のニーズとズレてしまう
【解決策】継続的な市場調査と仮説検証を行う
ブランドは固定された概念ではなく、社会や価値観の変化の影響を強く受けます。そのため、ターゲットのニーズや行動を定期的に調査し、施策前後で仮説検証することが欠かせません。ズレを早期に発見できれば、大きな軌道修正をせずともブランドの方向性を調整でき、常に「今の顧客に選ばれるブランド」でいられます。
【課題3】社内浸透が進まない
【解決策】理念研修や行動指針で「体現」しやすい状態をつくる
ブランド浸透がうまくいかない企業では、理念がポスターや資料の中だけに留まり、日々の行動に結びついていません。研修やワークショップで価値観を「自分ごと化」する機会をつくり、行動指針やフィードバックにブランドの視点を組み込むことで、社員が自然とブランドを体現できる環境になります。 社員が変わると、顧客体験も目に見えて変わり始めます。
【課題4】短期視点で成果を求めてしまう
【解決策】ブランディングは長期投資であることを経営層と共有する
ブランディングは広告のように即時成果を求めるものではなく、数ヶ月〜数年かけて価値を育てていく取り組みです。経営層にもその前提を理解してもらい、KPIは短期(発信量・浸透度)と中長期(認知・ファン化・口コミ)で分けて評価することが重要です。短期成果を過度に求めない土壌ができることで、ブランド戦略を腰を据えて実行でき、結果として大きな成果につながります。
【課題5】SNSなど新しいメディアに対応しきれない
【解決策】小さく始めて“検証しながら運用”に切り替える
SNSはスピードもトレンドも変化が早いため、最初から完璧を目指すと動きが止まってしまいます。 「まずやってみる → 反応を見て改善する」という軽やかな運用に切り替えることで、企業らしさを保ちながら無理なくSNS展開が可能になります。小さな成功体験が積み重なると、社内の発信文化も育ち、ブランド力強化に直結します。
ブランディングは、外向けだけでなく「社内との連動」が不可欠。 社内外をつなぐ活動として捉えることで、成果が出やすくなります。

企業ブランディングは、企業が長年積み重ねてきた価値を 「選ばれる理由」へと育てていくプロセスです。 理念、デザイン、働き方、商品体験、SNS発信——。 そのすべてがつながったとき、企業は初めて「何を大切にする存在なのか」が鮮明に伝わります。

もしも今、 「自社の魅力をもっとわかりやすく届けたい」「企業としての姿勢を再整理したい」と感じているなら、ブランディングを進める絶好のタイミングです。 小さな取り組みが、企業の未来を大きく変えていきます。本記事が、貴社が自社の“らしさ”を軸にしたブランドを育てていく、確かな一歩となれば幸いです。




アドハウスパブリックでは、インナーブランディングをはじめ、新たな商品・サービスや事業開発などブランディングに関するさまざまなサポートを行っています。

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