顧客との信頼関係は “個の力”の育成から【株式会社新潟フジカラー】
2つの事業部にストレングスファインダーの基礎講座を取り入れた、株式会社新潟フジカラー様。導入のきっかけと効果について、藤井 英之様にお話を伺いました。
インタビュアー:若林 美由紀(Gallup社認定ストレングスコーチ)
「高品質の製品とサービスの提供によりお客様に感動を与え、社会と文化に貢献する」を理念に掲げ、写真、通信、広告、ブライダルなど幅広い分野で事業を展開している。
●社員数:151〜200名
●ストレングスファインダー受講者:経営層、管理職、プレーヤー(導入はモバイル事業部、ブライダル事業部。)
目的と導入背景
●ブランディングによる顧客エンゲージメントの高め方を検討しており、社員の“個の力”の強化や育成にマッチするツールを探していた。
●業界の常識にとらわれないために、異業種団体主催の研修を希望。
実施内容
●ブランディングとストレングスファインダーを学べる公開講座にて考え方や効果を体験した後、メンバーにも受講してもらった。
●自社ブランドに欠かせない社員の“個の力”の向上に重点に置き、ポジティブなコミュニケーションやメンバー資質を活かし合う風土作りに着手。
効果 ●自己開示がしやすくなり、同僚の強みや弱みを理解し合える意識が芽生えた。 ●強みを自覚して上手く活かすことができた社員が、昨対比1.5倍の成約率を達成。
ブランディングの鍵は、社員の“個の力”
若林:体験セミナーをきっかけに、モバイル事業とブライダル事業の方々にストレングスファインダー講座にご参加いただきました。まずはじめに、導入に至った背景を教えてください。
藤井様:そうですね。ブランディングについて課題を感じていたときにストレングスファインダーの情報を目にして、ブランディングに欠かせない“個の力”を高めるためにピッタリのツールだと感じました。
私が統括しているモバイル事業部は、新潟県で3店舗のドコモショップを運営しています。Web受付やAI接客が当たり前になっていく中で、ショップは地域の方々とのエンゲージメントを高める役割を担います。お客様に選ばれるショップになり、さらにはファンになっていただく。そのためにはブランディングが必要ですし、社員一人ひとりの育成が欠かせないと考えています。
また、異業種主催のセミナーだったことも理由の1つです。業界内だけで仕事をしていると、常識や慣例にとらわれてしまったり、忙しさを理由にホスピタリティーが欠落してしまったりと視野が狭くなってしまいます。外部からの視点も取り入れて、認識を変えていきたいと考えました。
若林:社員一人ひとりが持つ力を高め、よりお客様に選ばれる店舗づくりを行っていきたいと考えていらっしゃったのですね。実際に参加してみて、今後どのようにストレングスファインダーを活用できると感じられましたか?
藤井様:ストレングスファインダーは34の資質名で才能を言語化し、一人ひとりの特徴を高い精度で言い表せますよね。だから、受けた人は自分の強みを意識できるようになり、自己成長のヒントにできます。
さらにチームで活用することで、強みを活かし合う雰囲気が生まれてポジティブなコミュニケーションがとれる。そこが魅力だなと感じています。
“その人らしさ”を知り、伸ばしていく
若林:今、インナーブランディングに力を入れる企業が増えています。御社でも様々な取り組みをされていると思いますが、ストレングスファインダーの研修はどのような効果がありましたか?
藤井様:まず認識が変わった点は、その人の強みや得意技を理解し、伸ばすことの重要性です。
私自身にも経験がありますが、仕事で部下の失敗を目にすると「なぜ、この人はできないんだろう?」と弱みに注目してしまいます。「誰もが、何でもできて当たり前」と思いがちですが、そもそも最初はできないことが当たり前なんですよね。そこに改めて気がつくことができました。
ストレングスファインダーは、その人らしい才能が言語化されるので、強みの伸ばし方を考えやすいですね。
それと同時に、よくやってしまいがちな失敗や不得意なことも明らかになるので、「できない理由はこういうことか!」と理解でき、相手に合わせた対処方法を考えられるようになります。できない事実を受け入れ、どうすればいいかを考えればいい。
頭ごなしにやり方を押し付けたり、相手の人間性を否定するような指導方法は、お互いにとってストレスです。現場では日々の業務で忙しい中、売上を強く意識するが故に指導が厳しくなることもあります。それをできるだけ減らし、スタッフ同士がお互いを理解し合い、肯定的で相手の成長を促す指導に活用してもらいたいと思っています。
若林:藤井さんがおっしゃるように、誰しも得意・不得意がありますから、その人なりに上手くできることを増やす方法を考えていきたいですよね。何より強みを活かせたほうが楽しく働けますし、結果も出しやすいと思います。
一人ひとりが自己成長に前のめりになる
藤井様:ストレングスファインダー研修は、受講者たちに腹落ち感があって、自分の成長に前向きになります。資質一つひとつの“あるあるネタ”のような傾向が、ハマったときに「ああ、こういうことだったのか!」と納得できます。
そうすると受講者同士でも盛り上がるんですよ。「分かる分かる!」と。一般的な研修は画一的な手法や考え方を学んで取り入れるスタイルですが、ストレングスファインダーは自分ごととして学べるので、みんなが前のめりになっている感じがしましたね。
また、チームのメンバーと一緒に研修に参加したことで、自己開示がしやすくなったと思います。なかなか普通の職場では「私は●●の資質だから、あの人の資質とは考え方が違うんだ」「●●の作業が苦手なんです。」なんて言えないですよね。
でも、資質を通して表現することで嫌味なく言えるようになります。これは奇跡に近い。それほど自己開示やコミュニケーションを円滑にしてくれるツールなんです。おかげでメンバー同士の理解も進み、互いを活かし合う関係性ができはじめています。
若林:相手との相性についてはデリケートですよね!でも、考え方の違いをストレングスファインダーが表してくれるので、お互い人間性を否定しあわずに、協同するにはどうするか?をポジティブに考えていけますね。
藤井様:そうですね。ブライダルチームの社員たちは、研修で使った資質名のシートを自分のデスクに貼っています。自分の強みを活かそうという意識ができているので、サービスの向上にもつながると思っています。
時々、社員同士で意見がぶつかって「どうしてあいつは、ああなんだろう(怒)」となってカッとしている時に、同僚の資質を見て、「ああ、こういう言うことか」なんて冷静になったりもしているそうで(笑)役立っていますよ。
また、研修を受けてからは、マネージャーとの会話の中で部下の特徴を表す言葉が増えました。
「彼女はこういうタイプだから、Aというやり方よりBの方がいいんじゃないか?」「彼の資質を考えるとこの作業は不得意そうだけど、どんな風にやってもらおうか」など、具体的な方法を話し合う機会が増えています。
強みを活かした働き方で、業績&定着率アップ!
若林:研修以降、日常の中でも資質を意識していただいて嬉しいです!他には、どのような成果がありましたか?
藤井様:まずは、結果が数字にあらわれてきました。具体的には、ブライダル事業で成約率が1.5倍に伸びました!
その社員は新規営業担当をしているのですが、ストレングスファインダーで知った自分の強みを強く意識できるようになったおかげで、より成果が出しやすくなったと言っています。
彼は資質で『責任感』『最上志向』を持っています。『責任感』は自分がやると決めたことをやりきる能力、『最上志向』はより高いレベルや品質を目指して努力する能力です。彼は、自分にこのような強みがあるならば、今よりもっと良いサービスや結果が出せるのではないか、「もっとベストを尽くそう!」と思ったんだそうです。
近年、ブライダルのお客様回遊率が高まっています。過去3件ほどだった式場見学は、最近では平均5件。また、式場見学に来られるお客様は「来店15秒で8割決める」と言われているほど、第一印象が成約に大きく影響します。彼は自分のやるべきことと強みを上手く結びつけて、コンスタントに成果を出せるようになりました。
若林:自分の才能が言語化されたことで、能力を意識できて、自分の強みを発揮しようと思われたのですね。
藤井様:成約率を1.5倍にした彼のように、私も『達成欲』や『着想』といった自分の資質を認識したら、自分を上手く正当化できた部分がありましたね。自分の中にあるものを益々高めよう!と思えるようになりました。また、自分の資質でチームに貢献できると思えたことも、プラスに働きましたね。
例えば私の『着想』という資質はアイデアを豊富に出すことができます。でも『着想』の資質を持っていない人にとっては苦手な作業。自分はこの役割でチームに貢献できるのなら、どんどんアイデアを出していこうと思いました。強みを認識して使えば、自分の武器が強化されていくんですよね。
ストレングスファインダーに出会ってから、部署改革として様々な取り組みを行ってきましたが、研修を受けた頃から今現在(※取材当時)までに退職した者はいません。働きがいや仕事の楽しさ、仲間と力を合わせることの大切さから、良い効果が生まれているのだと感じています。
若林:定着率に少しでもお役に立てていれば嬉しいです! 「自分にはこれができる!」と自信が持てるようになることで、さらなるチャレンジやチームへの貢献心が芽生えてきますね。これがチーム全員で行えるようになれば、良好な補完関係ができて、最高のチームになります。これがエンゲージメントの高いチームですね。
一人ひとりがやりがいを感じるチームへ
若林:今後は、どのようなチームづくりを考えていますか?
藤井様:もっと社内でストレングスファインダーを使いこなせるといいですね。受講から時間が経つと、自分の資質を忘れてしまう社員も出てくる。定着させるには、社内で上手く運用していく必要があります。
また、適材適所や生産性向上のために組織活用に興味があります。同じ部署にずっといるよりも、ある程度異動を上手く行っていくことが、社員の成長にもつながると考えています。
その際にストレングスファインダーをチーム分析に活用し、生産性の高い配置転換やマネージャー育成をしていければ、組織運営にもつなげていけると考えています。
それから、やはり社員たちの強みを伸ばしていきたいですね。仕事ですから、どうしても苦手な分野にも取り組まなければならないこともありますし、今のポジションで成果を出すには時間が必要な社員もいます。そして、花開くタイミングは人それぞれですから、忍耐強さも必要。
採用した側としては、人をとっかえひっかえするのではなく、しっかりと伴走していきたいです。社員一人ひとりにやりがいを感じて働いてもらいたいですね。
若林:御社のみなさんが自分の強みを発揮し、やりがいを感じながら働ける環境づくりを、これからもお手伝いできたらと思います。本日は、ありがとうございました!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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