『調和性』の特徴&活かし方【ストレングスファインダー®資質解説】|ALL BRANDING WORKS
ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)は、アメリカの世論調査会社Gallup社(ギャラップ社)が開発した「才能発見ツール」。Webテストで177個の質問に答えることで、自分の強みや才能を表わす「資質」を知ることができます。
この記事では、Gallup認定コーチが資質の特徴や活かし方を解説! 5,000人/100社以上のストレングスファインダー研修から得た経験と知識をお伝えします。
個人とチームのどちらにも活かせる内容ですので、ぜひ参考にしてみてください!
今回は34資質の中から、意見の衝突を避け、異なる意見の一致点を探る人。場の空気や調和を重んじる『調和性』について解説します。
意見を一致させ、場の空気や調和を重んじる『調和性』の特徴
『調和性』とはこんな人!意見の衝突は感情の無駄遣いと感じるタイプ。 建設的で現実的な話し合いや、意見の調和を求める人。
調和性:Harmony <人間関係構築力> TOP5出現率ランク:[日本]7位 [世界]2位
- 意見の一致を求める
- 人と衝突したり、場の空気が悪くなることが嫌い
- 平和主義
- 中立的な立場を取ろうとする
- 場の感情や意見の食い違いを敏感に感じとる
- 主張や決断が苦手な傾向がある
- 日和見的な態度になる
『調和性』は英語でHarmony(ハーモニー)。その名の通り、調和を重んじる人です。
場の空気や人間関係で、調和やバランスを取ろうとします。
平和主義で、意見の衝突や感情の衝突を避けたがる傾向にあります。衝突やぶつかり合いは感情やエネルギーの無駄遣いだと感じ、生産的ではないと考えるからです。
建設的に話し合い、人の意見に耳を傾け、全員が納得するよう合意を取っていこうと働きかけます。異なる意見をもつ人がいても、意見を聞き、共通するものやメリットを探し出し、妥協点を見つけようとします。
考え方は現実主義派。実用的なアイデアや進め方を重視します。理想や空想ではなく、地に足のついた事柄を好みます。
助け合いの気持ちが強く、人や仲間・家族や組織など、他者との関係性の中に“協力”姿勢を築こうとします。
組織では摩擦を軽減し、具体的な議論や意見の集約、調整役として活躍します。例えば、ファシリテーターや交渉役、チームの連携を強化するサポート役に向いています。議論を引き出し、具体的解決策に導いていくことを得意としています。
異なる意見を合わせることを得意とする一方で、強く主張することが苦手です。自分の意見が周囲と合わなかった場合や、他者の感情を害するリスクなどを考えて、なかなか自分の意見を表明しようとしません。
ときどき、自分の意見に“合わせさせる”タイプの『調和性』の人もいますが、ほとんどは意見を最初に述べたり、周囲の意見を押し切って自分の意見を通すといった場面にストレスを感じやすい人です。
『調和性』の長所と短所
ストレングスファインダーの資質1つ1つに2面性があります。才能が開発されて、長所や自他に良い影響を与える「バルコニー」の状態。もう1つが、未開発で短所として使われている「ベースメント」の状態です。
ここでは『調和性』のバルコニー/ベースメントの“あるあるネタ”をご紹介します。
●まとめ役として活躍 意見を引き出し、それぞれの意見にしっかりと耳を傾けます。異なる意見でも共通項や一致点を探り、お互いにとって良い妥協点に着地させることができます。ファシリテーターや調整役として活躍できます。
●チームの連携や協調性を生み出す 協調性があり、チームの和を大切に行動します。場の空気や調和を図ろうとします。ギスギスした環境では、それぞれの力が発揮されにくく、生産的でないと考えるからです。誰もが安心して活動できる環境になるように働きかけることができます。
●交渉を優位に進められる 調整力を活かして、交渉を優位に進める力をもつ人です。相手の立場や意見の違いを理解しながら、落としどころを調整する力があるため、ネゴシエーターの素質があります。また、しっかりと話を聞く姿勢で相手の懐に入りやすく、信頼関係を築くことが得意です。
●自分の意見がなかなか言えない 周囲との調和を重んじることから、自分自身が“出る杭”となって打たれまいと、発言を避けたり行動が控えめになりがちです。ときには意見を述べたり主張することも大切です。議論に参加し、しっかりと自分の意見を述べるよう心掛けましょう。
●問題に向き合うことを避けてしまう 意見や感情の衝突を避けて、対処しない場合があります。衝突が予想されることに対処することは大変ですが、問題を長引かせてしまうことで、状況を悪化させてしまうかもしれません。衝突を最小限に抑えられるように、向き合うことも大切です。
『調和性』の活かし方&モチベーション
資質を強みとして使い、生産的・安定的にパフォーマンスを発揮するようになるには、資質の深い理解と経験と知識を重ねながら、シチュエーションや条件、ベースメントの抑え方をマスターするなど、再現性を高めていくことが大切です。
『調和性』のモチベーションスイッチが入りやすいポイントを理解すると、スムーズに本来の力を発揮できるようになります。
ここでは一例をご紹介します。 ご自身で挑戦してみるもよし、『調和性』が高い人に対して試してみるもよし。ぜひ活用して、自分なりのスイッチの押しポイントをつかみましょう。
□ 心理的安全性の高い環境にいる □ 意見を聞いてもらえる・発言しやすい環境にいる □ メンバーの納得感や理解が得られている状況をつくる □ チームの人間関係や雰囲気が良い場所を選ぶ □ チームのベクトルが一致している状況 □ 建設的で現実的な話し合いをする □ 感情的な言い争いが起きない
これらは一例です。
『調和性』と併せ持つ上位資質によっても異なります。ぜひ、ご自身なりの得意技の繰り出し方を研究してみましょう。
『調和性』は、集団の意識が同じベクトルに向き、力を合わせて活動できているときに力を発揮します。上記のような工夫を、できるだけ取り入れてみましょう。
また、『調和性』の他に、どのような資質を持ち合わせているかで、考え方や動き方が変わります。多くの場合は、持ち前の協調性を活かして、周囲と上手くバランスをとりながら活動できていると思いますが、“自分の意見に合わせさせる”ことにこだわる人や、“前に出ることを嫌う”人も見かけます。
どちらが悪いということはなく、ケースバイケースです。場面や立場・役割に合うように、バルコニーの活かし方とベースメントのコントロール方法を身につけましょう。
『調和性』のマネジメント活用
『調和性』を上位にもつマネージャーが、リーダーシップや部下育成に資質を役立てていく際に、得意なスタイルがあります。①信頼関係構築 ②思いやりの示し方 ③安定感の生み出し方 ④希望の与え方と注意点 この4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
①信頼関係構築:一人ひとりの意見を引き出す 一人ひとりの意見を大切にできる人です。発言しやすい雰囲気をつくったり、平等に意見を求めることが自然とできるでしょう。意見を引き出し、良い議論の場をつくりましょう。
②思いやりの示し方:共通点を見つける 一致点や共通点を見つけることが得意です。共通点を見つけることで、親しみを感じさせたり、仲間意識を感じやすくなります。共通点を見つけ、関係構築に役立てましょう。
③安定感の生み出し方:衝突を軽減し、場の空気を良くする 平和主義で、人との衝突や感情のもつれを起こさぬように配慮できる人です。誰もが安心して過ごせる環境や雰囲気をつくれるよう、働きかけましょう。
④希望の与え方 :チームの協力姿勢をつくり出す ファシリテーションスキルや知識、ヒアリング能力を磨き、チームのコミュニケーションをサポートしたり、課題解決に向けて協力し合うチームに育てていきましょう。
①その場しのぎに注意 衝突を避けることを優先し、その場しのぎの対応をしてしまうことがあります。その瞬間の衝突が避けられても、根本的に問題が解決されなければ、再び問題が起こります。また場当たり的な調整では、かえって信頼を失う可能性があるので注意が必要です。
②自分の意見を持たない 『調和性』のベースメントとして、主張ができない・決断することを回避したがるという面があります。リーダーとして指針を出すことを求められた際に、曖昧な回答や自分の意見をしっかり伝えられないことで、部下からの信用を損なうかもしれません。
「調和性」のマネージャーは、その資質をうまく活用すると、緩衝材や調整役になることができ、まとまりのあるチームをつくることができます。
『調和性』資質のまとめ
『調和性』とは... 意見の衝突を避け、異なる意見の一致点を探ることができる。 場の空気や調和を重んじる人。
こんな風に能力を発揮! ● 意見を引き出しまとめる ● チームの連携や協調性を生み出す ● 交渉を優位に進める
資質を活かすためには、集団の意識が同じベクトルに向き、力を合わせて活動できる環境を整えましょう。
ベースメントにはこう対処する! ● 自分の考えや言うべきことははっきりと表明する ● 解決すべき問題解決にきちんと向き合う
また、『調和性』を活かしやすい場面や仕事は、次のようなものがあります。
✓ 意見を聞いてもらえる・発言しやすい環境
✓ メンバーの納得感や理解が得られている状況
✓ チームの人間関係や雰囲気が良いこと
✓ チームのベクトルが一致しているとき
✓ 建設的で現実的な話し合いができているとき
✓ ファシリテーターや調整・交渉役
✓ チームのムードアップや協力姿勢をつくる役割
同じ資質を持っていても、他に持つ資質の組み合わせによって、一人ひとりの異なる使い方や、個性を生み出しています。 それぞれの資質について理解を深めながら、ご自身やチームのために強みを発揮できる機会を増やしていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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