『自我』の特徴&活かし方【ストレングスファインダー®資質解説】|ALL BRANDING WORKS
ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)は、アメリカの世論調査会社Gallup社(ギャラップ社)が開発した「才能発見ツール」。Webテストで177個の質問に答えることで、自分の強みや才能を表わす「資質」を知ることができます。
この記事では、Gallup認定コーチが資質の特徴や活かし方を解説! 5,000人/100社以上のストレングスファインダー研修から得た経験と知識をお伝えします。
個人とチームのどちらにも活かせる内容ですので、ぜひ参考にしてみてください!
今回は34資質の中から、第三者からの期待や称賛がエネルギーとなる人。意義深く、偉大なことを成し遂げ、人々や社会に役立ちたい『自我』について解説します。
意義深く、偉大なことを成し遂げたい『自我』の特徴
『自我』とはこんな人!他者から重要人物だと認められ、称賛されたい欲求をもっている。 自分だからできることや、意義のあることを成し遂げようとする人。
自我:Significance <影響力> TOP5出現率ランク:[日本]19位 [世界]32位
- 人に認められたい、評価されたい欲求をもつ
- 自分の存在感や重要性を示したい。無視されるのが嫌い
- 優秀な人だと思われたい
- 他者からの視線や期待・称賛がエネルギーとなる
- 自分なりのやり方や強みを発揮したい
- 自分だからこそできる、意義のあることを成し遂げたい
- 自由に、自分らしく生きたい
- 独立心が強い。縛られたり、押し付けられることを嫌う
自分には存在価値があり、その重要性を示したいと考えている人です。他者から認められたいという欲求をもっています。“第三者の存在”や“他者の期待や注目を集める”ことがエネルギーになり、いつも以上のパワーを発揮します。
評価や称賛を求めると言っても、ただ褒められれば良いのではありません。「意義深いこと」「人の役に立てること」を行い、評価に値する活躍をした上で、認められることを望みます。
誰にでもできることや、自分がやる意味を感じないことにはモチベーションが上がりませんが、“自分だからできる”と感じることには、強い使命感を持って取り組みます。たとえ実力が不足していても、努力を重ね、“本物”になろうとします。
自己重要感が高い人だと言えます。嫌いなことは、無視されること。自分の存在を認めてもらえない場や、自分らしさを発揮できない環境がストレスです。
また、独立心が強く、縛られることが苦手です。“自分らしさ”を求め、自由でいたいのです。
誰でもできる単純作業や、自分がやる意味を感じない事には、とたんに力が出なくなります。他人の目線がある環境に移動したり、自分なりの得意なアプローチをとることで自分らしさを発揮するなどして、モチベーションを高めると良いでしょう。
世の中や人のためなど、社会的意義の大きなことを成し遂げる素質をもつ人です。たとえリスクや難しい問題があっても、挑戦していく意欲と力があります。自分が情熱をもてる分野や、貢献心が湧く対象を見つけられると、持ち前のパワーを有意義に使えるでしょう。一方で、承認欲求が強くなりすぎると、独りよがりな行動や場の空気を壊すことにつながるので注意が必要です。
『自我』の長所と短所
ストレングスファインダーの資質1つ1つに2面性があります。才能が開発されて、長所や自他に良い影響を与える「バルコニー」の状態。もう1つが、未開発で短所として使われている「ベースメント」の状態です。
ここでは『自我』のバルコニー/ベースメントの“あるあるネタ”をご紹介します。
●応援の力で高いパフォーマンス力を発揮 第三者の存在によって、普段以上の力が発揮されます。貢献したい人や応援してくれる仲間をつくりましょう。また、大事なプレゼンなど力を発揮したいときには“観客役”を同席させるなど、パフォーマンス力を高めるシチュエーションをつくりましょう。
●独立心が高く意思決定が得意 『自我』を上位資質にもつ人は独立心が高いことから、人から押し付けられることを嫌います。なるべく自分で意思決定ができる環境や、存在感を発揮できる場を選ぶようにしましょう。また、憧れの人や一流の人と接することで独立心が刺激され、あなたの成長を加速させることができます。
●“自分だからできる”ことに全力で取り組む力がある 自分がやる“意義”を大切にし、目標に向かって努力できる人です。過去の経験や、人から褒められて嬉しかったエピソードを思い出すことも、自分のエネルギー源を探す手掛かりになります。何に意義を感じ、情熱やパワーが出るかを言語化しましょう。
●自分本位になり過ぎることがある 自分が話題の中心にいないときや、注目が集まらないときに気分を損ねてしまうことがあります。わざと注意を引くために場の空気を乱したり、配慮に欠ける行動で他人の気持ちを害してはいけません。行き過ぎると、ワガママな人だと思われて距離を置かれてしまいます。
●他人からの評価に依存しやすい 他者に依存していると、本来の目的よりも人に評価されることがゴールになってしまったり、モチベーションが左右されてパフォーマンスが安定しない、といった問題が起こってしまいます。人からの評価に依存し過ぎず、自分で自分を認めましょう。
●人を萎縮させてしまうことがある 『自我』を上位資質にもつ人は、自然と存在感や周囲への影響力を持ちます。あなたが自分らしく振る舞う一方で、周りは気を遣い、相手らしく振る舞えていないかもしれません。威圧的な態度に注意し、自分の行動や言動を定期的に見直すようにしましょう。
『自我』の活かし方&モチベーション
資質を強みとして使い、生産的・安定的にパフォーマンスを発揮するようになるには、資質の深い理解と経験と知識を重ねながら、シチュエーションや条件、ベースメントの抑え方をマスターするなど、再現性を高めていくことが大切です。
『自我』のモチベーションスイッチが入りやすいポイントを理解すると、スムーズにできるようになります。
ここでは一例をご紹介します。 ご自身で挑戦してみるもよし、『自我』が高い人に対して試してみるもよし。ぜひ活用して、自分なりのスイッチの押しポイントをつかみましょう。
□ 目的や意義に共感している仕事をする □ 乗り越えたい課題や成長したいことを自分で設定する □ 自分の特徴や個性に合わせたやり方で取り組む □ 応援してくれる人・評価してくれる人をつくる □ 観客や第三者の目のある所でパフォーマンスをする □ 期待される、「あなたじゃないとダメ」と指名される □ 他の人にはできない役割を担当する □ 社会や多くの人に影響する仕事を任せる
これらは一例です。
『自我』と併せ持つ上位資質によっても異なります。ぜひ、ご自身なりの得意技の繰り出し方を研究してみましょう。
『自我』は、他者の考えやルールに縛られず、自身の考えや“やる意義”に従って行動できているときに、持ち味を発揮します。上記のような工夫を、できるだけ取り入れてみましょう。
『自我』の高い人に仕事を任せる際は、本人の納得感や意義・目的を理解してもらうことを大切に進めましょう。例えば、本人のキャリアにどうつながっているかや、会社や社会にどのような効果があるか、誰の役に立ちどう喜んでもらえるかなどを伝えるのもオススメです。
また、上位資質の組み合わせにもよりますが、誰の目もない環境や1人でコツコツと作業をすることは、向いていない傾向にあります。周囲の人は、「あなたの努力を見ているよ」「頑張っているね」など、気配りや声を掛けることでエネルギーを引き出しやすくなります。
『自我』のマネジメント活用
『自我』を上位にもつマネージャーが、リーダーシップや部下育成に資質を役立てていく際に、得意なスタイルがあります。①信頼関係構築 ②思いやりの示し方 ③安定感の生み出し方 ④希望の与え方と注意点 この4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
①信頼関係構築:言動を一致させる 『自我』の人は、壮大な想いや大きな目標を口にする傾向にあります。ビジョンと意義を伝えることでメンバーを鼓舞できる一方で、“口だけ”になり信用を失わないようにしましょう。
②思いやりの示し方:ビジョンへの道筋を示す メンバーが持続的に目標に向けてチャレンジできるよう、達成までの道のりを示し続けたり、進捗を話し合うようにしましょう。“前進している”という実感を与えられるでしょう。
③安定感の生み出し方:頼られる存在を目指す 社内外に発信しましょう。メンバーから頼ってもらえるように働きかけることで、“チームの精神的支柱”になります。また、チームを外部にPRすることで、存在感を高めます。
④希望の与え方 :アドバイザーになる 他者の目標や成し遂げたいことを支援しましょう。決断を促したり、取り組むことを明確にすることが得意です。メンバーがポジティブに行動できるよう、サポートしましょう。
①近づきがたい雰囲気を出さない 冷たい人・怖い人という印象を与えることがあります。そのため、部下があなたを頼りたくても、話しかけにくかったり、近づきにくかったりしているかもしれません。意図せず、メンバーとの機会を失っていないか、注意しましょう。
②自分勝手な行動でチームの調和を乱さない 『自我』の人は、自然と周りへの影響力をもつ人です。あなたの言動の影響力は、あなたが思っているよりも大きいと認識しておくと良いでしょう。自分に注目を集めようとしたり、思うようにいかないからといって悪態をついたりしないように、自制心をもちましょう。
③メンバーの不安や感情にも気を配る みんなが『自我』をもつ人のように、他者の期待に応えることがエネルギーとなったり、パフォーマーのように振る舞えるタイプではないことを、心に留めておきましょう。人それぞれ、モチベーションになることは異なります。相手に合ったやり方や育成方法を考えましょう。
『自我』のマネージャーは、その資質をうまく活用すると、メンバーから頼られるリーダーとなり、チームの存在感やパフォーマンスを発信することができます。
『自我』資質のまとめ
『自我』とは... 第三者からの期待や称賛がエネルギーとなる人。 意義深く、偉大なことを成し遂げ、人々や社会に役立ちたい欲求がある。
こんな風に能力を発揮! ●評価・応援してくれる人をつくる ●自分らしく活動できる環境を選ぶ ●情熱が湧くもの、貢献したい人や分野を見つける
他者の考えやルールに縛られず、自身の考えや“やる意義”に従って行動できているときに、持ち味を発揮します。
ベースメントにはこう対処する! ●自分本位になり過ぎない ●他人からの評価に依存し過ぎない ●人を萎縮させない
また、『自我』を活かしやすい場面や仕事は、次のようなものがあります。
✓ やり方が定まっておらず、試行錯誤が必要な場面
✓ 混乱があり、混沌としている場面
✓ ディスカッションや議論を必要とする場
✓ 高い対人スキルや交渉力が必要な場面
✓ 人を率いたり統率するリーダー
✓ プレゼンテーションや交渉・説得が必要な場面
✓ 言いにくいことを伝える役割
同じ資質を持っていても、他に持つ資質の組み合わせによって、一人ひとりの異なる使い方や、個性を生み出しています。 それぞれの資質について理解を深めながら、ご自身やチームのために強みを発揮できる機会を増やしていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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