『未来志向』の特徴&活かし方【ストレングスファインダー®資質解説】|ALL BRANDING WORKS
ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)は、アメリカの世論調査会社Gallup社(ギャラップ社)が開発した「才能発見ツール」。Webテストで177個の質問に答えることで、自分の強みや才能を表わす「資質」を知ることができます。
この記事では、Gallup認定コーチが資質の特徴や活かし方を解説! 5,000人/100社以上のストレングスファインダー研修から得た経験と知識をお伝えします。
個人とチームのどちらにも活かせる内容ですので、ぜひ参考にしてみてください!
今回は34資質の中から、ポジティブな未来を思い描き、それによりエネルギーを得る『未来志向』について解説します。
未来を思い描き、エネルギーを得る『未来志向』の特徴
『未来志向』とはこんな人!ポジティブな未来を描き、エネルギーを得る人。 ビジョンを語ることで周囲のやる気も引き出す。
未来志向:Futuristic <戦略的思考力> TOP5出現率ランク:[日本]18位 [世界]19位
- 考え始める起点が将来やゴール
- 未来をポジティブに捉えている
- 「もしもこうだったら素晴らしいな」と考えている
- 遠い未来のことも考えられる
- ビジュアルとともに想像している
- 鮮明なイメージを抱くことでワクワクする
- ビジョンを語ることで他者にも活力を与える
- 達成したい目標や将来像から逆算し、やることを考える
- 先々のことを考え、現状が疎かになる。現状に満足することが嫌い
『未来志向』は、物事を考え出す起点が将来や未来にある人です。
「こういうことが起こるといいな」と想像し、そのために今何をしたら良いかを逆算思考で考えます。『未来志向』が想像する将来は、基本的にポジティブで明るい未来です。未来は今よりもきっと良くなっている、良くしていけるものだと考えているからです。
どのくらい先の未来を考えられるかや、どんな未来を想像するかは、『未来志向』以外に併せ持っている資質によります。5年や10年という人もいれば、100年、1000年後を見据えて暮らしているという人もいます。それほど、遠い未来のことにも関心や想像を働かせることができるのです。
『未来志向』は、ゴールイメージを想定してから行動に移します。
例えば、「この会議が終わる頃に、こういう決まりごとができていると良いな。」「この仕事が終わったときに、こういう完成形で終わり、お客様はこんなふうに喜んでくれると良いな」など、イメージとともに思い描きます。それを叶えるためには、どのような計画とリソースが必要か、などを割り出していきます。
より良い未来を詳細に描く力は、サービス品質の向上やチームづくり、人生設計などに幅広く役立ちます。また、未来を描く力を応用して、夢や理想を語ることで周りの人を刺激し、行動を促すことができます。実現意欲や団結力を増すことができるのです。
このように想像をしている時間が、何よりの喜びとエネルギー充電になります。もし、『未来志向』の人に「目標はない」「未来のことを考えるな」と言ってしまうと、活力を削がれモチベーションが低下してしまいます。
注意が必要なのは、将来のことばかりに捉われ過ぎて、今がおざなりになってしまうこと。地に足の着かない空想論や、いつまでも実行に移さず形にならないといったことも起きがちです。
『未来志向』の長所と短所
ストレングスファインダーの資質1つ1つに2面性があります。才能が開発されて、長所や自他に良い影響を与える「バルコニー」の状態。もう1つが、未開発で短所として使われている「ベースメント」の状態です。
ここでは『未来志向』のバルコニー/ベースメントの“あるあるネタ”をご紹介します。
●思い描く将来像に向かって邁進 実現したいことや将来像を描くことで、自然とワクワクしてエネルギーが出ます。『未来志向』の人はビジュアルが思い浮かぶので、具体的に想像してみると良いでしょう。また、アクションプランや期限を設定して行動するのもオススメ。元気のないときは、意識的に時間を設けてみましょう。
●“先見性”で新たなサービスを生み出す 情報収集やひらめきをストックしていきましょう。最先端のテクノロジーや知識にふれることで、より良い未来を描きやすくなります。また、情報があることで持ち前の“先見性”を生かし、スタートアップや社会を変えるようなサービスを生み出すことにも役立ちます。
●目標に向けてモチベーション高く行動できる 未来をともに語れる人や仲間を見つけましょう。将来について語り合う時間をとることで、モチベーションが高まります。また、他者から新たな刺激や想像のネタを得るだけでなく、「どうすれば実現できるか」まで考えることで、確実に実行に繋げます。
●目の前の「今」を疎かにしがちになる 想像だけで満足してしまい実行に移せないなど、目の前のやるべきことが疎かになってしまうことがあるでしょう。そもそも将来とは「今」の積み重ねの結果であることを忘れずに、現在の仕事ややるべきことにも向き合いましょう。
●イメージが飛躍し過ぎることがある 突拍子のないことや実現不可能なアイデアで、周囲を振り回すことがあります。また、説明を省きすぎて伝わらないといったことも起こります。誰もが将来をイメージすることが得意なわけではありません。アイデア共有の際は、内容や具体性を意識して伝えましょう。
●実行力のない人だと思われる 夢や理想ばかり語り行動しないことで、周囲から「口先だけの人だ」「言うだけで何もしない人だ」とレッテルを貼られてしまう可能性があります。行動力がないイメージによって、チャンスや機会損失につながるかもしれません。行動により、信頼を守りましょう。
『未来志向』の活かし方&モチベーション
資質を強みとして使い、生産的・安定的にパフォーマンスを発揮するようになるには、資質の深い理解と経験と知識を重ねながら、シチュエーションや条件、ベースメントの抑え方をマスターするなど、再現性を高めていくことが大切です。
『未来志向』のモチベーションスイッチが入りやすいポイントを理解すると、スムーズに本来の力を発揮できるようになります。
ここでは一例をご紹介します。 ご自身で挑戦してみるもよし、『未来志向』が高い人に対して試してみるもよし。ぜひ活用して、自分なりのスイッチの押しポイントをつかみましょう。
□ 将来を描いたりゴールを設定する □ 実現したいビジョンを仲間と共有する □ 実現のための必要な情報や資源を集める □ 最新情報や先端技術・人脈を得て、先見性を養う □ プロジェクトのゴールやプランの実現性を考え、アドバイスする役割につく □ ビジョンやプロジェクトのゴールについて話し合う □ ひらめきや新たなやり方を考える □ 未来や目標の設定・共有ができない職場や案件をなるべく回避する
これらは一例です。
『未来志向』と併せ持つ上位資質によっても異なります。ぜひ、ご自身なりの得意技の繰り出し方を研究してみましょう。
『未来志向』は、ビジョンのイメージや共有によって、ワクワクし活力が湧く人です。上記のような工夫を、できるだけ取り入れてみましょう。
資質の中には、時間軸が異なる資質があります。例えば、過去から遡って現在の状況を把握したり、経緯から将来を予測する『原点思考』。過去にも未来にも興味が薄く、今何をするかに関心の高い『適応性』もあります。
誰もが「自然と良い未来を想像できるわけではない」ということを、心に留めておく必要があります。ときには相手の資質に合わせて、過去の出来事や歴史について話し合ったり、今何をするべきか、現時点から将来を作り上げていく考え方を用いることも必要になってくるでしょう。他の時間軸に合わせたコミュニケーション力を養うことで、『未来志向』の持つ、未来を語るって周囲にやる気をビジョンを与えるという得意技が際立つでしょう。
『未来志向』のマネジメント活用
『未来志向』を上位にもつマネージャーが、リーダーシップや部下育成に資質を役立てていく際に、得意なスタイルがあります。①信頼関係構築 ②思いやりの示し方 ③安定感の生み出し方 ④希望の与え方と注意点 この4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
①信頼関係構築:現実に根ざした良い未来を共有する 先を示すことで頼れる存在だと感じてもらえます。内容が現実やチームに即しているものであり、メリットが感じられるものであれば、メンバーのモチベーションにもつながります。
②思いやりの示し方:メンバーのキャリアを一緒に考える メンバーのなりたい姿や実現したいことを聞き、その実現方法を考えましょう。目標を持つこと自体が苦手な人もいます。どう考えると将来設計をしやすいかも伝えてあげましょう。
③安定感の生み出し方:具体的なシナリオを共有する ビジョンや目標までの筋道をプランニングしましょう。そのプロセスで起こりうる可能性や対処法も設計することで、メンバーも想像ができ、実現できる実感を持てるでしょう。
④希望の与え方 :相談役になる 将来を予測する力・逆算力があることで、メンバーから相談を持ちかけられる存在になるでしょう。相手のニーズを理解できる質問力を高め、良き相談相手になりましょう。
①抽象的なイメージや指示をしすぎない ビジョンを掲げたら、具体的に説明できるようにしましょう。あなたの頭の中で考えていることは、言葉や絵・文字で表現しなければ伝わりません。また、抽象度が高すぎると、メンバーは何を行えば良いのか分かりません。相手が分かるように伝える工夫をしましょう。
②一方的にビジョンを下ろさない ビジョンを押し付けないように注意しましょう。一方的な指示では、他人は動きません。他者もビジョンやアイデアを持っているかもしれません。お互いの意見をすり合わせたり、メンバーの質問も受け付けてコミュニケーションを取るようにしましょう。
『未来志向』のマネージャーは、その資質をうまく活用すると、チーム・部署・会社・クライアント・地域などに対して、良くなる未来ややるべきことを広い視野で考え、実行することができます。
『未来志向』資質のまとめ
『未来志向』とは... ポジティブな未来を描き、エネルギーを得る人。 ビジョンを語ることで周囲のやる気も引き出せる!
こんな風に能力を発揮! ● 思い描く将来像に向かって邁進 ● “先見性”で新たなサービスを生み出す ● 目標に向けてモチベーション高く行動できる
資質を活かすためには、良い未来を描ける環境や情報、仲間を得ること。周囲にビジョンを伝えてやる気を引き出せるよう、伝え方と自身の行動力が重要です。
ベースメントにはこう対処する! ● 目の前の「今」を疎かにしない ● イメージの飛躍し過ぎに注意 ●実行力のない人だと思われないように行動
また、『未来志向』を活かしやすい場面や仕事は、次のようなものがあります。
✓ 実現したいビジョンを仲間と共有する
✓ ビジョンやプロジェクトのゴールについて話し合う
✓ 実現のための必要な情報や資源を集める
✓プロジェクトのゴールやプランの実現性を考え、アドバイスする役割につく
✓ ひらめきや新たなやり方を考える
✓ 未来や目標の設定・共有ができない職場や案件をなるべく回避する
同じ資質を持っていても、他に持つ資質の組み合わせによって、一人ひとりの異なる使い方や、個性を生み出しています。
それぞれの資質について理解を深めながら、ご自身やチームのために強みを発揮できる機会を増やしていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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