『規律性』の特徴&活かし方【ストレングスファインダー®資質解説】|ALL BRANDING WORKS
ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)は、アメリカの世論調査会社Gallup社(ギャラップ社)が開発した「才能発見ツール」。Webテストで177個の質問に答えることで、自分の強みや才能を表わす「資質」を知ることができます。
この記事では、Gallup認定コーチが資質の特徴や活かし方を解説! 5,000人/100社以上のストレングスファインダー研修から得た経験と知識をお伝えします。
個人とチームのどちらにも活かせる内容ですので、ぜひ参考にしてみてください!
今回は34資質の中から、規則正しく効率的に!秩序立ったルールや仕組みを作り出す『規律性』について解説します。
秩序立ったルールや仕組みを作り出す『規律性』の特徴
『規律性』とはこんな人!規則正しく、効率的に!がモットー。 無駄を省き、秩序立ったルールや仕組みを作り出す。
規律性:Discipline <実行力> TOP5出現率ランク:[日本]32位 [世界]31位
- 秩序正しい計画を好む
- マイペース
- 無駄が嫌い。不要なものを削ぎ落としたい
- 起こることを把握・予測しておきたい
- 日課やマイルーティンを持っていることが多い
- 仕組み化や進捗管理が得意
- 効率化を考えられる
- ルールや規範が整った環境で力を発揮しやすい
- サプライズや予測不可能な状況にストレスを感じやすい
「効率的に行動したい」「無駄なことをしたくない」という欲求の持ち主です。 そのため、1日の行動計画を予め決めておいたり、作業に取り掛かる前に手順を決めておいたり、部屋やデスクの配置をルール化しておくなど、独自のペースや仕組みをつくります。
その欲求の根本には、人生は予測不可能だからこそ、できる限り「自分の人生を自分の手でコントロールしたい」という考えがあります。誰かに主導権を握られていたり、予測不可能なこと自体に右往左往して、時間やエネルギーを無駄にしたくないと考えています。
ルールや基準がなく雑然とした環境や不確実な状況を嫌い、常に見通しを立てておきたいと思っているのです。
そのため、『規律性』の持ち主にサプライズプレゼントをしても、あまり喜ばれないという話も多く聞きます。サプライズという予期せぬことで喜びを得るより、「プレゼントは何が欲しい?」「誕生日会を開きたいから、いつが良い?」と聞かれて予定を立てられる方が嬉しいのだそう。それほど、見立てを立てて効率的に動くことを重要視しているのです。
得意なことは、無駄を削ぎ落として生産的・効率的に動くための仕組みやルールづくりです。必要な要素でシンプルかつスムーズに稼働する仕組みや、整合性の高いルールや基準を設計しようとします。
仕事の管理能力にも優れ、納期内に終わらせたり、期日を守れるように段取りを組むことも得意です。必要なシステムや効率的な仕組みを導入し、1つ1つの作業を確実にこなしていくことにも長けています。几帳面な人も多く、コツコツと作業を進める力があります。
このように規則正しく考えて行動できる強みがある一方、突発的な出来事や秩序立っていない環境には弱く、強いストレスを感じます。
また、予定を細かく立てたり、決まりきった行動を繰り返すなどの「自分なりのマイルール」が他人と合わずに、双方のストレスを生むこともあります。そのマイペースさが周囲のリズムを乱すこともあり、融通が利かずに迷惑を掛けてしまうことも少なくないようです。
『規律性』の長所と短所
ストレングスファインダーの資質1つ1つに2面性があります。才能が開発されて、長所や自他に良い影響を与える「バルコニー」の状態。もう1つが、未開発で短所として使われている「ベースメント」の状態です。『規律性』のバルコニー/ベースメントの“あるあるネタ”をご紹介します。
●正確さを要求される仕事や効率的な仕組みづくりが得意 正確性や着実に仕事を進められる力が発揮できる仕事を見つけましょう。無駄を見つけて効率化することも得意です。生産性の高い仕組みを作ったり、無秩序な状況でルールや基準を作っていく力があります。自分だけではなく、チームで活用できる仕組みを考えてみましょう。
●プロジェクト管理や進行管理役を担う 期日を守れるように段取り、確実にプロジェクトを前進させていく力があります。計画性や調整力を活かして、チーム全体がうまく稼働するように働きかけましょう。必要な設備投資やメンバーのモチベーション管理も含めて、計画・実行できると良いでしょう。
●チームの改善点を見つけてサポートする 効率を阻害していることや、無駄な部分を見つけるのが得意です。人やチームの動きを観察し、どうすればより良くなるか、改善策を提案してみましょう。その際、相手の資質や性格・チーム環境に合わせたプランが必要です。汎用性の高いアイデアを考えてみましょう。
●完璧を求めすぎてしまう 何でも100%を求めてしまう傾向があります。計画から少しでもずれたり、予定通りに進まないとストレスを感じやすい傾向があります。他者とのペースや能力の違いを考慮して計画を立てるようにしましょう。また、何でも思い通りに行かないということを心に留めておきましょう。
●自分のやり方を押し付けがち マイルーティンや独自のルールを設けていることが多いですが、それを他人に押し付けないようにしましょう。相手はあなたと違うやり方の方が、成果を出しやすい人かもしれません。また、集団行動や協調性を必要とする場面で独りよがりにならないよう、配慮が必要です。
●融通が利かない やり方を決めすぎたり、ルールに固執しすぎて柔軟性に欠けることがあります。ときには、臨機応変な対応が求められることもあります。“いつも通り”にやれないことは、あなたにとってはストレスかもしれませんが、状況に応じた最善策を取る柔軟性も大切です。
『規律性』の活かし方&モチベーション
資質を強みとして使い、生産的・安定的にパフォーマンスを発揮するようになるには、資質の深い理解と経験と知識を重ねながら、シチュエーションや条件、ベースメントの抑え方をマスターするなど、再現性を高めていくことが大切です。
『規律性』のモチベーションスイッチが入りやすいポイントを理解すると、スムーズに本来の力を発揮できるようになります。
ここでは一例をご紹介します。 ご自身で挑戦してみるもよし、『規律性』が高い人に対して試してみるもよし。ぜひ活用して、自分なりのスイッチの押しポイントをつかみましょう。
□ 規則や仕組みを作る
□ コツコツ積み重ねていく仕事
□ 長期的なプロジェクトの推進や管理
□ 納期を守れるように計画的に実行していく仕事
□ ルールや基準を守れるメンバーと仕事ができること
□ 効率化のための仕組みを導入する
□ 無駄を減らし、改善策を考える
これらは一例です。 『規律性』と併せ持つ上位資質によっても異なります。ぜひ、ご自身なりの得意技の繰り出し方を研究してみましょう。
『規律性』は、秩序立った環境を整備し、ルーティンワークや生産的な仕組みを生み出せる人です。上記のような工夫を、できるだけ取り入れてみましょう。
あなたが持つ、効率的かつ着実に行動を積み重ねる力によって、目標を確実に達成していくことができるでしょう。日々の行動は地道なものかもしれません。派手さはないものの、誰よりも確実に、最短で目標を達成できる力を持っているはずです。
その努力は他人には見えにくく、時には理解されがたいものかもしれませんが、きっと花開くときが訪れるでしょう。
『規律性』的リーダーシップのマネジメント活用
『規律性』を上位にもつマネージャーが、リーダーシップや部下育成に資質を役立てていく際に、得意なスタイルがあります。
①信頼関係構築 ②思いやりの示し方 ③安定感の生み出し方 ④希望の与え方と注意点 この4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
①信頼関係構築:やるべきことを明確に示す 正確で緻密な段取りを考える力のある人です。目標に対してやるべきことを明確にしましょう。また、一貫性という強みもあります。その姿勢に信頼を寄せる人も多いでしょう。
②思いやりの示し方:細かな点に注目して褒める 相手の良い点を意識的に見つけるようにしましょう。人が見落すような細部にも気を配り、成長した点や良い働きを積極的に褒めることで、良いパートナーシップを構築できます。
③安定感の生み出し方:進捗管理で確実な実行を促す 進捗管理が得意です。チームにも現状の達成度や進捗具合を伝えて、行動やモチベーションの維持につなげましょう。活用しやすいシステムを導入するのもオススメです。
④希望の与え方 :メンバーの目標達成をサポートする ゴールや目標から逆算し、どのような取り組みやスケジューリングが必要かを割り出すことに長けています。達成に向けたアクションプランの作成や進捗管理でサポートしましょう。
①緊急時の対応準備をしておく 臨機応変な対応や、イレギュラー対応が苦手な傾向があります。問題が起こってから対応するのではなく、事前に対処方法を検討しておくことで、すばやく対処することができるでしょう。想定外のことを予め予測し「想定の範囲内」にすることで瞬時に対応できます。
②システムやルールを乱立させない ミスの防止や効率化を好むため、ルールやシステムを好んで取り入れようとします。しかし、必要以上に増やすと、逆に混乱を招いてしまいます。また、全てを決めすぎてしまうと工夫や想像の余白がなくなり、クリエイティブな発想が生まれにくくなるので注意しましょう。
③やり方を押し付けない 誰もが毎日決まった行動をしたり、無駄を見つけて効率化することが得意なわけではありません。むしろ、計画せずに動くことや、気分に合わせて行動することを楽しむ人もいます。やり方を決めすぎず、それぞれに合ったやり方で進めた方が良い場合もあります。
『規律性』のマネージャーは、その資質をうまく活用すると、安定した組織運営でメンバーが期日を守りながら効率的に仕事を進め、チームとしての成果を出すことができます。
『規律性』資質のまとめ
『規律性』とは... 秩序立った環境を整備し、ルーティンワークや生産的な仕組みを生み出せる人。
こんな風に能力を発揮! ●正確さを要求される仕事をコツコツ行う ●無駄のない効率的な仕組みやルールを構築する ● プロジェクト管理や進行管理役を担う ● チームの改善点を見つけてサポートする
資質を活かすためには、秩序のある環境で、できるだけ予測ができる状況と自分の裁量で行動計画を立てて実行できる環境を整えられると良いでしょう。
ベースメントにはこう対処する! ● 完璧を求めすぎない ●マイペースになりすぎない ● 自分のやり方を他人に押し付けない ● ときには融通を利かせる
また、『規律性』を活かしやすい場面や仕事は、次のようなものがあります。
✓ 規則や仕組みを作る
✓ 長期的なプロジェクトの推進や管理
✓ 資源の有効活用方法を考える
✓ 納期を守れるように計画的に実行していく仕事
✓ ルールや基準を守れるメンバーと仕事ができること
✓ 効率化のための仕組みを導入する
✓ 無駄を減らし、改善策を考える
同じ資質を持っていても、他に持つ資質の組み合わせによって、一人ひとりの異なる使い方や、個性を生み出しています。 それぞれの資質について理解を深めながら、ご自身やチームのために強みを発揮できる機会を増やしていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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