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RECRUITING

徹底したデザインワークで、高い技術と品質、ブランドイメージを世界へ伝える。

ステンレス製品総合メーカーの浅野金属工業。漁具や船具の製造から始まり、その技術を応用する形で、さまざまな分野の製品の製造・販売へと事業を拡大してきました。弊社へお声がけ頂いたのは10年ほど前。取扱い製品を1冊にまとめた総合カタログを営業ツールとしていましたが、手がける分野の拡がりとともに会社の特色が伝わりづらくなり、新規開拓営業に課題が出てきました。高い品質とデザイン性を誇る製品の魅力を、より感度の高いターゲットへ効果的に訴求し、販路を拡げていきたい。製品の精巧な品質に見合う、クオリティの高い営業ツールや販促ツールを求めて、弊社へご依頼いただきました。

1.課題

売上の核であった漁具・船具をはじめ、手がける製品は大きく分けて7カテゴリ。カテゴリの拡がりや取扱い品目の増加に対し、一冊のカタログでは対応しきれない段階を迎えていました。展示会などに出展しても、会社の特色が見えづらい。様々なアイテムを扱っているけれど、何に力を入れている会社なのか伝わらない。営業担当者が感じていたこれらの課題を解決し、確かな技術に培われた高い品質を訴求する効果的なツールが必要でした。

2.解決の方向性

各カテゴリの専門メーカーとして認知されるために、カタログなどの営業ツールをカテゴリ別に用意することにしました。また、新規開拓のターゲットとしたのは、より感度の高い一級建築士や設計士。製品の精巧な品質や高いデザイン性をしっかりと伝えるデザインワークを目指しました。

行った活動

  • 各カテゴリ別カタログ
  • パンフレット
  • チラシ
  • 建築業界誌の定期広告
  • 販促用DM
  • 展示会ブース用パネル・バナー
  • WEBサイトの企画ディレクション

BEFORE

  1. 手がける分野の拡がりに対し、1冊の総合カタログだけでは会社の特徴や強みが伝わりにくい。
  2. 一級建築士や設計士など感度の高いターゲットに訴求したい。
  3. 展示会での新規顧客獲得に課題。

AFTER

  1. カテゴリ別のカタログで、高い専門性と信頼感を訴求。展示会などでも認知されやすく、資料請求やお問い合わせ件数も増加。
  2. クオリティの高い営業ツールで、製品そのものの品質を伝えるだけでなく、ブランドイメージも向上。
  3. 注目を集め、資料請求など顧客とのやり取りが増加。新たなニーズの発見や海外への出展など、事業展開の拡がりにも貢献。

各分野の専門メーカーとして見せる営業ツール

取扱い製品は、漁具・船具/五徳/手すり/懸垂幕/サイン・ディスプレイ/散水・消雪ノズル/ステンレス遊具/テニスコート製品…これらの幅広いアイテム全てを1冊の総合カタログで見せるのではなく、各カテゴリごとの専門カタログに分けて収めました。カテゴリ内の全ラインナップが掲載されたメインカタログの他に、ラインナップを抜粋したダイジェスト版のリーフレットや、展示会などのイベント時に使用する配布用ツールなど、営業シーンに合わせて使い分けできるよう複数タイプのツールを用意しています。また、展示ブースのバックパネルなども統一して制作することで、より専門性と信頼度の高い見え方を狙うことができます。

信頼度の高い専門メーカーとして認知されるように、カテゴリごとに個別のカタログを作成。
左:カテゴリのメインカタログ/右:ダイジェスト版カタログや配布用リーフレット。営業シーンに合わせて使い分けられるようさまざまなツールを用意した。
漁具・船具カタログは、海外展開を視野に入れ英語版も制作。現地のホームセンターに販売コーナーがあり、展示ボードも手がけた。

品質の高さを伝え、ブランドイメージを保つ、製品撮影

この10年ほどのお付き合いの中で、海外事業への展開も本格的に始まり、営業ツールの種類も多くなってきました。各カテゴリの専門性を打ち出しながらも、浅野金属工業としてのトータルのブランドイメージを保てるよう、制作にあたってさまざまな面でコントロールしています。そのポイントのひとつが、製品の撮影。ステンレス特有の質感が伝わる画になっているか、製品に入っている「ASANO」のロゴがきちんと綺麗に写っているか。そういった細部にまでこだわって微調整しています。

言われなければ気付かない些細な点かもしれませんが、企業活動の幅が拡がりブランドイメージが確立されるほど、こうした小さな部分の積み重ねが全体のクオリティに影響します。

単にラインナップを見せるための写真ではなく、品質を魅せる目的で撮る。
金属特有の光沢感や曲線の美しさを表現。

書体でトータルイメージをコントロールする

ブランドイメージをコントロールするもうひとつのポイントは、書体です。さまざまな営業ツールや販促アイテムがあっても、統一されたイメージが保たれるよう、ブランディングスタート時に規定した書体を変わらず使用しています。分野や製品はさまざまですが、浅野金属工業としての一定の印象を保てるのはこの書体の効果。ただし、同じ書体を使用し続けながらも、欧文と和文のサイズバランスなどはそれぞれのシーンに合わせて調整しています。

書体もブランドイメージを構成する要素のひとつ。

安定の品質と信頼感を訴求する、魅せるカタログ

製品カタログという極めて実用的なツールでありながらも、機械的に製品写真を並べるのではなく、写真集のように「魅せる」カタログとしての仕上がりを目指しています。紙面を通して、浅野金属工業のものづくりにかける情熱や確かな技術力が伝わり、それがブランドに対する信頼感になります。

精巧な加工技術で生み出される質感や、精緻なデザインが一目で感じとれるよう、撮影と紙面デザインに工夫を重ねている。
製品そのものの魅力をダイレクトに表現する基本構成に加え、製造工場で撮影したイメージカットも盛り込み、自社工場を持つ強みや品質の安定感を伝える。

営業力を強化するツール

カテゴリ別に一通りのツールが揃い、次に手がけたのは採用事例集です。営業担当者が全国の納入先で撮りためていた現場写真を冊子にまとめ、営業をサポートするツールとして活用しました。バリアフリー化の流れが進み、企業や公共施設だけでなく一般住宅にも手すりを付けるケースが増えています。建築士や設計士の方に実際の活用シーンを見せることで、よりイメージを持っていただきやすくなると考えました。

一般住宅の設置例と、企業や公共施設の設置例を集めた採用事例集。製品そのものだけでなく、実際の活用シーンを見せるためのツール。

得られた成果

カテゴリ別のカタログを用意したことで、出展する展示会や商談相手に応じて必要な情報のみに絞って訴求できるようになりました。高い専門性と信頼感をアピールでき、新規顧客からも認知してもらいやすく、資料請求やお問い合わせの件数も増えたそうです。また、一級建築士や設計士など感度の高いターゲットを意識して全体のクオリティコントロールを継続してきたことで、製品そのものの品質を効果的に伝えるだけでなく、ブランドに対するイメージも高めることができました。

展示会などの場で注目を集め、顧客とのやり取りが増えることで、さらなるブラッシュアップが生まれます。海外での展開などからさまざまな反応が得られるようになり、新たなニーズが発見されたり、事業展開の拡がりにも貢献するブランディングとなりました。

弊社の担当ディレクターによると、約10年前のスタート時からのブランドイメージは保ちつつも、次のフェーズに入ってきていると感じているとのこと。かっこいい・洗練されている、という側面の追求だけでなく、「実用に即しているか」「営業シーンで効果的に活用できるツールになっているか」の検証や、コスト面とのバランスを見ながらクオリティを高めていく工夫など、時代や市場の状況も考慮して取り組み続けています。

<企業情報>
浅野金属工業株式会社
〒955-0803 新潟県三条市月岡2866番地
https://www.asano-metal.co.jp/

※記事内容は取材当時のものです
# 商品サービスブランディング
2019 / 8.29
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