CASE STUDY
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客層拡大を狙う商業施設リニューアルプロジェクト。

客層拡大を狙う
商業施設リニューアルプロジェクト。

 

新潟市万代島に位置する観光・商業施設「ピアBandai」。地域の交流拡大を図る「万代島にぎわい空間創造事業」の第1期事業として、2010年10月にオープンしました。鮮魚センター、肉・加工品の直販店、農産物や地酒の販売店、土産品店のほか、複数の飲食店やカフェ、イベントゾーンを併設。新潟の「食」を幅広く扱う日本海側最大級の旬鮮市場として、地元の人々や国内外を問わず多くの観光客で賑わいを見せてきました。

 

1.課題

開設から10年を前に、3つの課題を抱えていました。
❶ 観光業界や周辺環境の変化に応じたリニューアルが必要。
❷ 立ち上げに携わったメンバーの多くが60代に。世代交代も視野に入れて進めたい。
❸ 既存顧客の年齢層が上がってきている。新しい世代、特に若いファミリー層を開拓したい。

 

2.解決の方向性

課題②と③を考慮し、若手メンバーの中でも中核となる3名が事業開発ワークショップに参加。コンセプトの共有とチームとしての連帯を強固にし、ターゲット計画・サービス改善・施設改善など、具体的な施策を話し合いました。このワークショップでつくり上げた骨子が、その後のプロジェクトの軸として展開されていきます。

次期を担うメンバーは30代から40代、各店舗の二代目社長や専務として普段から交流のある仲です。ワークショップに参加した3名を中心に、施策のブラッシュアップを進めていきました。それと並行して、各店舗のスタッフに実態調査アンケートを実施。来店客の動向を把握するとともに、アイデア収集も行いました。

弊社では会議のファシリテーションやアンケート集約を担い、それらを元に施設全体のイメージ提案やロゴマークのリニューアルを手掛けました。
 

実際の構築ステップ

2018年6月: ビジョン会議(事業開発スプリント)
2019年11月: アイデア・アンケート収集
2020年1月〜9月: 詳細検討・決定
2020年8月: シンボルロゴ作成
2020年10月〜3月: 施工
2021年3月: 完成・リニューアルオープン

BEFORE

  1. インバウンド対応の遅れや郊外大型店の影響による客離れ、施設の老朽化など、さまざまな変化に応じたリニューアルが必要になっていた。
  2. 開設から10年、立ち上げに携わったメンバーの多くは60代に。リニューアルプロジェクトは世代交代も視野に入れて進めたい。
  3. 既存顧客の年齢層が上がってきている。イベント企画や広報戦略を見直し、若いファミリー層を開拓したい。

AFTER

  1. メインエリアの大規模改装を実施し、パラソルやライティングで昼夜問わずさまざまな使い方ができるように。話題性と「映える」施設で、ターゲット層を拡大中。
  2. プロジェクトの骨子づくりから若手メンバーを中心にスタート。さらに実務担当として新たな人材を採用でき、計画実行段階に入ってからも順調に進めることができた。
  3. WebサイトのリニューアルやSNSでの発信を強化。大型モニターや調理室も備えたことでイベントも開催しやすくなり、夏はバーベキュー会場として賑わった。

 

チームの目標を定め、メンバーの意識を合わせる

事業開発に取り掛かるにあたって、まず固めておきたいのがチームの土台です。異なる視点や考え方を持ったメンバーが集まり、それぞれの力を十分に活かすためには、目標共有や意識合わせが重要です。ワークショップのステップに沿って話し合いを進め、「自分たちの施設は若返りが必要。そこを重視して取り組んでいく」をテーマとしました。その上で、現状に対する危機感や今後へ向けたポジティブなイメージなど、両面を共有してチームのベクトルを合わせました。

現状に対する危機感としては「施設の老朽化」「既存客の高齢化」、今後に対しては「とにかくお客様に楽しんでもらえる施設にしたい」「新潟のランドマークにしたい」といった意見が出された。

 

漠然とした不安を、明確な課題にして共有する

次にやるべきことは、プロジェクトに対する疑問やハードルとなり得ることの共有です。「立ち上げメンバーの賛同が得られるか?」「実績や数字を示せる段階にない。本当にうまく行くか?」「新しい客層に、各店のスタッフがうまく対応できるか?」など、障害となりそうなことを予めリストアップすることで、漠然とした不安ではなく、検証するべき課題として全員で共有します。ポイントは、参加メンバー全員が発言すること。全員が自分の意見を聞いてもらえた、お互いの考えを知っている、という関係性がプロジェクトの精度を上げることにつながります。

 

事業の全体像を正しく把握し、注力すべきポイントを見極める

事業の全体像は複雑で、参加メンバーの立場によって見えている景色が異なる場合も多いもの。共通の情報と認識に基づいてプロジェクトを進めるために、まずは現状の事業の流れを明確にします。ターゲットが施設を知り、利用するまでの接点や導線、告知方法はどうなっているか。流れを追って見える化することで、課題のある部分と注力すべき箇所が明確になります。「これまではテレビCMや折り込みチラシがメイン。今後ターゲットとする若い層に向けて、WebやSNSのテコ入れが早急に必要」「企画・イベント内容も、若い人たちに喜んでもらえそうなものを増やす」など、重点的に取り組むべき部分が見えてきました。

 

良いアイデアは、組み換えとブラッシュアップから

目標や課題の共有、現状の確認ができたところで、アイデアづくりに入ります。「良いアイデア」は自然と浮かんできたり、どこかから降ってきたりするものではありません。既存のアイデアの組み換えやブラッシュアップで生み出されるものです。競合他社の取り組みや異業種の事例など、良い材料を集めて、自分たち独自のアイデアを生み出していきます。

全員で話し合う時間と各自でじっくり考える時間、その後また意見交換する時間、という風に段階を追って取り組む。「話が散らかることなく、きちんと考えがまとまる」「より深く考えられたり、別の切り口が見つかったり、気付きが多い」「普段は絶対出てこないようなアイデアがたくさん出てくる」など、好評のワーク。

 
ワークショップは2日間。2日目の終わりには、アイデアを具体的なプランに落とし込んだ行動計画が完成し、発表できる状態になっています。完成したプランを持ち帰り、プロジェクトの骨子としてその後の活動に展開していきました。

 

全体を巻き込んでプランを実行、形にする

新潟市との契約延長にあたっての計画提出や補助金の申請などを経て、リニューアルオープンまで3年近くにわたるプロジェクトが進行していきました。企業間の取りまとめや調整事項も多くなりましたが、スタート時のチームづくりとプロジェクトの骨子がしっかりしており、また、実務担当として新たな人材を迎えられたこともあり、順調に進めることができました。

 

各店舗のスタッフを対象とした実態調査アンケート。来店客の動向把握とアイデア収集を行った。

 

テラスデザインの提案スケッチ。メインエリアのイメージを一新し、ターゲット層の拡大と話題性アップを図った。

 

施設と併せてロゴマークもリニューアルした。湊町の爽快感を伝えるカモメをモチーフとしたキャラクターシンボルで表現。

 
 

Webサイトもリニューアル。新たなターゲット層に向けて、WebやSNSでの発信を強化していく。

 

得られた成果

2021年3月、リニューアルオープン。メインエリアの「ピーカン・テラス」には大型モニターや調理室を備え、パラソルやライティングで昼も夜もさまざまなイベントを開催できるスペースが完成しました。夏はバーベキュー会場として稼働し、若いファミリー層が集まるなど、早くもリニューアルの効果が出始めています。

<ブランド情報>
ピアBandai
〒950-0078 新潟県新潟市中央区万代島2
https://www.bandai-nigiwai.jp/

※記事内容は取材当時のものです
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